トランプ大統領の不支持率が支持率を上回り、徐々にその差が開いているという。さもありなんと感じる数値変動である。そもそも、彼は自分が何かをいうことで、世界が動くということに快感を覚えているのではないかとさえ感じる。それがアメリカの大統領たるものなんだと言いたいかのようである。しかし、ウクライナ戦争も世界貿易も西側同盟も、更には中東情勢も・・・すべて混迷カオスの状態から抜け出すどころかややこしくさせただけというのが現実ではないか。
低評価の論理は幾つもあるが、西側同盟について言えば、アメリカはこの同盟の信頼と絆を維持し、深めてこそ自由主義国家群つまり西側同盟の盟主としての信頼と威信を持ち続けることが出来るはずで、それが可能なのはたった一つ、アメリカだけなのだ。このことを忘れての放言・暴言の連発は、一時は何かの計算があってやっているとの予測評価の声もあったが、実は、彼の頭には世界をリードできるだけの知恵はなく、ただただアメリカの大統領という権威をちらつかせる権力志向の実利主義者という顔しか浮かんでこない。
「アメリカは日本を守っても日本はアメリカを守ってはくれない」という思考もレベルが低すぎて呆れる。同盟の意味をどれだけ理解しているのだろうか。あらゆるリレーションシップをリンクさせて考える姿勢がないのだ。
「アメリカで日本車を売るくせに日本はアメ車を買ってくれない」との発言も購買動機は消費者の自由と権利であるということをわかっているのだろうか。日本国内での販売網を充実させることなく、コマーシャルも不足し、デザイン、燃費、Nox規制、耐久性、EV化といった観点から消費者の心をくすぐる車がどれほどあるかと考えれば一目瞭然のことではないか。少なくとも40年前には韓国や中国の車はなかったくらいだったが、イギリスの車生産が低迷し、他国のメーカーに吸収される事態も発生するなど、世界の車事情は様変わりしている状況においてアメリカが一番でなければならないという発想であるならとんだ時代錯誤なのだ。
さて、話は変わってアメリカで行われたゴルフの女子メジャートーナメント「シェブロン選手権」で西郷真央選手が5人によるプレーオフを制して優勝した。テレビ放映はなかったが毎日スコアランクを見ていて、ひそかにこれは!と思っていた。そして見事にこれをやってのけた。それも最終ホールでバーディーをとってのプレーオフ進出だった。まずはおめでとう!ですね。
ここ数年韓国の選手の台頭が華やかだったが、この試合でプレーオフに残った5人は、韓国、中国、タイ、アメリカ、そして日本の西郷選手と5人5様の戦いになったのだ。トーナメント全体の出場者中、中国が11人、日本が13人、韓国が17人などアジア圏の選手が多くなっているのも最近の特徴だ。先の男子のマスターズではGBのロリーマキロイが涙の優勝をつかんだが、ゴルフの世界でもアメリカの独壇場だった数十年前とは様変わりし、年間5つある女子メジャーでは、日本人選手も毎年どれかに優勝する状況になっており、米選手の優勝が激減しているのだ。
トランプさん、もっと自国の足元を見つめる必要があるのではないかと思いますがいかがなものでしょうか。古いアメリカに夢を追い求めていては、世界の盟主をいずれ中国にとって代わられるかもしれませんよ。それでいいのですか!