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No.3498 100万円問題

2021.11.18

 100万円問題で世の中が盛り上がっている。当然のことと思う。怒りを通り越す税金搾取の議員保護制度に呆れてしまう。私も一地方議員ではあるが、県議時代の政務活動費の在り方に疑問を感じた経験がある。
 しかし、国会となると更に議員保護が異常であるのは間違いない。国会開会時の不逮捕特権などもその一例だ。時間的余裕を与えたら証拠隠蔽などが平然と行われるのは道理となる。
 それにしても、一度支給されたものは返還できないとか、寄付は公選法違反になるとか❓ 今、世論がかまびすかしく放論している1日在籍でも満額払われるという制度はあまりにも雑な規定である。少なくとも日割計算基準というものがあってしかるべきだが、何故そうした規定がないのだろうか? 法律を作るのが国会議員の仕事であるとすれば、迅速に歳費関連の法律を改正するべきだ。
 埼玉県議の政務活動費は月50万円である。私は就任した平成23年の直前あたりから市民オンブズマンの調査が詳細に及ぶようになり、確かに指摘されてしかるべきという実態が発覚し、議員辞職に至った例もある。領収書の添付が厳格化された結果でもあった。しかし、国会議員の文書交通費は何に使ったかの報告義務が無い。飛行機や新幹線に乗るにも議員特権があり、まだ他にもいろいろある。行き過ぎは正すべきであろう。世界の中でも最も暖かくぬくもっている議員制度とも言われている。
 事が表面化してから、綺麗事を語るな!と言いたくなるような発言が国会議員から為される。こういう発言をパフォーマンス批判の代表というのだろう。 そして、その声は法律を改正するべきだというもので、結局は今回の100万円はそのままで済まさざるを得ないと言っているようだ。寄付という話が多いが、いっそのこと被災地復興支援に寄付するなど、その行き先をはっきりすべきだと思うのだが・・・465人×100万円=4億6千5百万円。

 議員は当選し、認定書を受けてからが本来の議員就任ではないかと思う。しかし、当選決定は最も早い人で10月31日の午後8時だ。比例に至っては、深夜11月に入って午前2時とか3時の当選決定はざらなのだから何をか言わんやである。1日在籍していないではないか!と思うのだが、国民は税金がこうして使われていることに為すすべなく見過ごす以外にない。
 東京都議会の木下富美子氏に至っては、12月1日に議員でいれば、約200万円の年末報酬が月額歳費とは別にもらえる。議員特権の拝金制度のようでどう考えても異常ではないか。民間企業ではあり得ないことだ。選挙中の無免許運転で書類送検されている状況だ。しかも、その最中に数回に及ぶ運転をしていたという。ひどいものだ。選挙で当選以来、彼女は一切の議員活動をしていない。いや、することをはばかれる状態だろう。
 ネットで次のようなユニークな揶揄を見た。「木下議員は都民ファーストを除名された後にSDGs東京という一人会派を名乗っているが、自らを持続可能にしたいということなのだろうか」言い得て妙である。

No.3494 スマホ類の議場持込み

2021.11.08

 精神的に穏やかとは言えない12日間が終わった直後から、まさに穏やかな陽気に恵まれたここ数日。今日は、午後に冬到来を感じる風に見舞われましたが、気温的には過ごしやすい秋晴れが続いています。夕方には三日月と金星の接近コラボにも遭遇し、ため息をつくような安らぎを貰った感じです。

 先月14日の衆議院解散にともない引退を表明した大森議長と赤松副議長が、次のような問題点について国会議論の必要性に言及しました。言ってみれば、置き土産的なアドバイスともとれるものですが、内容としては「えー、それほどひどいのか」と思うくらい驚くものです。
 お二人が国会議論の必要性を訴えたこととは「国会審議中にスマートフォンで趣味のサイトなどを閲覧する行為が横行している」という問題です。

 
 ここからは、それを伝える報道文です。
『大島氏は「議員の姿勢の問題と制度の問題の両面があるかもしれない。相手の意見や議論をよく聞き及ぶ姿勢が大事。制度はこれからの問題として、議会運営委員会や議会制度協議会で議論すればよろしい」と述べた。赤松氏は「審議中にタブレットなどで質問がつまらないからと映画やニュースを見ていようというのはとんでもないこと。要は見ている中身の問題だ。議運や協議会できちんと議論して、各党の合意を元にルールを決めるべき」と語った。

 これには議会運営上の問題点もあるようで、審議をセレモニー化させている背景には、質疑に参加しない議員まで審議に出席させる定足数制度もひとつのようです。しかし、他の議員の質疑のやり取りを聴くことも自己にとって大いに参考になることであり、無駄になるものではありません。
 オンライン出席の導入も議論の俎上に乗っているということのようですが、大島氏は「国会が同対応するのかコロナ禍の経験も踏まえて機論したらよい。個人的には、政治は対面をもって同じ空間で話し合い、結論を出すというのが基本だ」と述べたそうです。

 実は、幸手市議会でもタブレットの持ち込みが議会改革検討委員会において話し合いの場がしばらくぶりに持たれました。かなり前から検討課題にはなっているものの、いっこうに議論が進まない状況にあり、今年になって同委員会が開催されたのは9月議会も終盤になってからでした。
 他にも、予算決算特別委員会設置の有無、政務活動費の増額案件等々がありますが議論は止まったままです。
 ただ、国会での問題点として議長から指摘が出る状況には驚きましたが、地方議会でも、横浜市議会で日々スニーカーに関するネット閲覧をしていた議員が話題になったように、国会同様の実態があるのは確かなことでしょう。
 持込みを制度としれ取り入れる場合のメリットデメリットは何か! これについては、事務局から提示されているので、結論をさほど先延ばしにすることはないとも思います。もちろん、ただ個人所有物の持ち込みを許可するという安易な決め方はいかがなものかと思いますが、今や考えられないような機能を持つスマホ・タブレット類ですので、どう使うかは議員の倫理観に任せる以外ないのかもしれません。ペーパーレスをメリットとする考えもありますが、私はそれには若干の意味合いしかないと感じています。

No.3360 議員とは?考えさせられる・・・

2020.12.24

 各地で議員の懇親会が問題視されている。愛知県西尾市では議会閉会後に定例的に行っている懇親会を14名で実施したという。3密、ソーシャルディスタンスを実践したかどうかは不明だが、今、この時期になぜ?という問題もあるが、最大の問題はコンパニオンさんがいたということではないだろうか。これも懇親会の定例であるとしたら、議員という職制に住民が大きな違和感を持ったとしてもやむを得ない。しかも弁明発言では、互いに酒を注ぐことを避けるためにコンパニオンさんを入れたという次元の低い言い訳を口にしている。これを聞いて、そんなことはない、毎回のことではないのかと思ったものだ。
 これについては、わずか5、6名で懇親会を実施した奈良県山添村でも同様で、いったい何を考えているのかだ。

 綺麗事を言うわけではないが、セッティングされているものを拒むことは出来ない状況で私もそういう場面に参加した経験は何度かある。その場を受け入れざるを得ない状況において、根本的に心から宴を楽しむということにはならないという心理が、疲労感につながるのが常だ。理由はいろいろ複雑なものがあるが、中には異常というくらい上から目線でコンパニオンさんに接するパターンあり、男の本能をむき出しにするパターンありで、そういう映像が目に入ることが不愉快で仕方がない。

 幸手市議会では以前、定例会ごとに懇親会が催されていた。この場には執行部も加わり、二元性議会の終了を互いに慰労する目的だった。過去にコンパニオンさんがいた記憶はない。その後、現在では毎回必要かどうかという見直しの観点にたって、6月と12月の定例会後に行われるようになったという。
 もちろん、今回は早くから中止が決まっていた。
 選挙で市民から負託を受け、税金で報酬を受けている議員は偉くもなんともない。先生などと言う呼称はおこがましいというのが私の持論である。いや、議員は街の発展と住民生活の向上及び安心安全のために働くものだが、はたしてそういう感覚ですべての議員がいるかどうかさえ何とも言い難い。

 わかりやすい例に国政があるが、委員会質疑などで互いに先生と呼び合っている。おかしなものだといつも思う。
 確かに、議員任期は参議院を除き4年保証、次なる保証を獲得するために結構な選挙費用を捻出しなければならない。好きで挑戦しているのだから当たり前だろうと言われるかもしれないが、厳しい選挙戦をくぐり抜けるのはなかなかなのだ。落ちればただの人。これも経験したことなので間違いない。
 ただ、だからと言って議員が特権意識を持つような行動は厳に慎まなければいけないというのも当たり前のことだ。出来うるなら、市民とも、職員とも対等の姿勢で臨み、議員として実質的な功績を積み上げられるように邁進するのが務めだと。邁進を慢心に置き換えてしまう議員であってはならないと改めて感じる議員懇親会報道であった。反面教師にしなければならないが、政治の世界には反面教師の材料が転がり過ぎているのも事実である。

No.3359 中川会長、気持はわかりますが!

2020.12.24

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 コロナ禍が第2次パンデミックの様相を呈している。というか、発生以来ここに至るまでパンデミック状態が続いていたと考えるべきかもしれない。
 日本医師会中川会長のコメントは医療崩壊の可能性に言及している。なんとなくか細い声で語る会長は、まるで不安を煽っているかのように気弱な感じを受ける。曰く「使命感で持ちこたえてきたが、もう限界。国民が危機感を取り戻さなければならない」
 今年の会長選挙で就任したばかりの方だが、日本の医療のトップであるなら、もう少し意志や信念の強さを示す会見を望みたいところだ。疲弊する病院の代弁意識が強いのだろうが、日本の医師全員がこの凹んだ雰囲気、考え方だとすれば、それこそが正に医療崩壊パンデミックとなりかねない。もっと厳しいことを言わせてもらうなら怠慢かもしれない。
 埼玉県ふじみ野市のクリニックでは、駐車場まで目いっぱいPCR検査場化させ、とうとう隣地の農地を借り、農地転用した後にプレハブを建てる計画を実施しようとしている(既に実施しているかも)医師や看護師さんがいる。要するに、出来る限りのことをするために命を懸けているのだ。真の使命感とはこういうことを言うのではないだろうか。

 政治に求めるものは遠慮なく求める強さがあってもいいし、その結果として政治が緊急事態宣言を再発令することがあってもいい。かかる現状は、そこまで来ていると思う。まして、うかうかしてると変異性ウィルスがすぐそこまで忍び寄っているかもしれないのだ。その防疫体制作りにしっかり対応してもらわなければならない。医師会が泣き言を言ってる場合ではない!

No.3122 非常識が議員になってる

2019.05.24

 前号で書き忘れましたが、前々号でお伝えした地域の思いやりが一部欠落していることへの同意のメールをいただいてます。それには、私が書いた事実は思いやりという気配りのレベルではなく常識の範囲だというご意見もありました。悲しい話ですが確かにそうかもしれません。
 そういえば、国会議員が大衆の模範になるというのは、もはや捨てるべき格言になりはてました。尊敬できる人物がいるにしても、それすらも解消したくなるほどの体たらくな国会議員が目立ちます。もっとも、有権者が選んでいるのですから、いったい何を理由にその名前を書いているのか聞いてみたくなります。
◆丸山穂高氏・・・氏を付けるのもはばかられるが、彼の発言には驚くものが多すぎます。「北方領土は戦争しないと取り戻せない」「女を買いたい」「国会議員には不逮捕特権がある」バカか!と思うほど稚拙な人格を披露しているこの30代の若者が社会にもたらした不浄な言動は重い!国会議員としてのものゆえ重すぎるのだ。小泉チュルドレンで名を馳せた杉村太蔵元議員も、当選時に「新幹線がタダで乗れる」とか「高級レストランで食事が出来る」といったようなことを発言し、顰蹙をかったが、丸山氏のそれと比べたら期限付きで許せる範囲でしょう。丸山氏の発言は不問に付すわけにはいかないし、期限が来れば許せるというものではありません。人格に問題ありです。
◆山尾志桜里氏・・・国会中に無届けで外遊。本人は「届けを失念していました。アメリカの政治経済の実態を視察に出かけました」と。これで済んでしまうのだから気楽なものです。脛に傷持つ議員が他にもいると考えれば、さほど責められずに済むでしょう、きっと。一昨年暮れの選挙でもプライベートでの問題を振り切り当選した山尾さんですが、考えたら地元意識で投票した有権者もすごいものだと思います。実際は、振り切ったのは有権者だったということです。私が、この議員に好感が持てないのは元検事にあるまじき問題性を有する人間ということと、国会発言がエキセントリックでやたらと恣意的に感じるからです。もっとも、立憲民主党の女性議員にはこういうタイプが多いようです。


 常識か思いやりか? いずれにしても国や県とまでは言いませんが、優しさが息づく地域であってほしいと思います。

No.3101 二元政治で政治の質を高めよ!

2019.03.27

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 前々号3099について小生なりの考え方を示したいと思います。
 他の自治体議会をダシにするようで申し訳ないのですが、上尾市の例は大変わかりやすい現代議会事情を言い表していると思います。議員個々の資質も政治レベルを低下させる要因になっている例が数多くありますが、議会の構図というか会派構成による最大会派の驕りが明らかにみられます。

 上尾市の畠山市長は、4年の県議時代に議席を同じくさせていただいた当時の民主党県議団の団長さんでした。思想信条は異なってはいたものの人間的には温厚で懐の広い方でした。その畠山氏が前市長と議長が結託した形の贈収賄事件で失脚した後、市長に就任されたわけですが、当然、民主系ということで最大会派である自民党系は野党ということになります。言ってみれば、上田知事と自民党県議団の関係と同じと考えることも出来ます。自民党県議団は上田知事が主力とする施策に対してすんなり了解するという関係にはありません。なんやかや注文を付けるという状況が繰り返されています。ただし、定例議会ごとに提出議案の説明はしっかり行われます。幸手市レベルとは異なり、かなり大掛かりな議案説明の日程が計画されます。そこで、その内容に疑義があれば、上程そのものにストップをかけることもあります。日程を遅らせることもあります。付帯決議を付けるという条件付き賛成もあります。しかし、予算などでは県民生活への影響を考慮し、何が何でも反対と言う対応はとらないのが通例と言えます。
 各種情報を見聞きして感じることは、もはや知事と自民党の関係は抜き差しならない状態にまで来ています。そのきっかけは、ある自民党県議が執拗に上田知事が特定の組織に便宜を図ったうんぬんを唱え、チラシまで作成して知事弾劾運動を続けました。議会中のある日の朝、いい加減にしろというわけで、当時の特別秘書が自民党室に乗り込み、大声で「このちらしを作ったのは誰だ!」とやったのです。小生は、たまたまその現場に居合わせましたが、それは確かに非礼な押しかけでした。その特別秘書は詫びを入れたうえに退任することになりました。上田知事の心情がどういう方向に走ったかがその後の県議選というわけです。結局、前回選挙で上田知事がとった行動が今につながっていると言えます。もとより、その前から最大会派としての権能を活かす議会活動を自民党県議団は標榜していました。それが、二元政治への回帰という目的だと1期生の小生は考えていましたが、前出の事件もあり、ギクシャクした関係が増幅して上田知事に感情的なものが芽生え、4年前の選挙戦で上田党「選択」を結成、自らに近い少数野党への同時支援も行い、自民党の過半数割れを画策したわけです。選挙の遺恨は後に残るのが常です。

 話が県のことになりましたが、上尾市の例は、最大会派から選ばれている議長が市長に「予算上程は事前調整をして議会の意向をふまえるべきだ」と注文を付けたことに対して、市長は「定例議会に直接上程するのは正式な手ずるで、議会において議論すればいいはずだ」と突っぱねた。その後の記事の内容は、議長側の思考に最大会派の驕りが感じられると言うのが小生の見解です。

 予算に対して強制的な増減要望を出すのは最大会派の姿です。首長は各部の新年度予算案をヒヤリングして、自らの考えを示しつつ政策的調整をして予算が決まります。そこには普通ですと最大会派イコール市長与党の関係で、最大会派議員の個々の要望が細かく要求されるのが議会の通例です。この普通ですという部分が実は問題なのです。いったん上程されると極端な変更は難しくなります。さりとて全面否決もしにくいのが予算です。
 おそらく、畠山市長は市長就任以来、議会のたびに執拗に要求を重ねる最大会派に我慢がならなくなったのでしょう。これまでの悪い糸を断ち切ると言って当選したのですから。

 「上尾には上尾のしきたりがある」という議長の発言も問題です。悪い慣習であればサヨナラすればいいのです。そこには、議会改革の精神がまったく感じられませんし、驕りがあるのはあきらかです。こういう二元は本来あるべき二元ではありません。
 この議長は、事前調整をせずに議案を出して修正されたら市の恥」とも発言したようですが、なあなあムードの前市長と議長の関係が汚職の原因になった街の恥を、はたしてこの議長は理解できているのだろうかと思わずにはいられません。以前の号で富山県高岡市の例をかきましたが、これは完全に議会のチェック漏れです。逆に議会要望が財政破綻に導いた可能性もあります。首長の思惑通りの議会が全国の9割以上というショッキングなデータもあります。議会が紛糾するのも考えものですが、予算については全ての議員がシビアにならないと、小さな街などあっという間に財政破綻が待っていると考えるべきです。
 以上、指摘をしてこの問題を〆たいと思いますが、最後にひとつ。
 県や市で、議会運営を有利に導くために、首長自らが特定の候補者を見出したり、応援したりするのは自治法で禁止にすべきではないかと感じています。
もっとも、県レベルでは上田知事も小池都知事もその目論見は頓挫したわけですが・・・。首長は苦労はつきものです。それをはねのけるには研鑽を積むしかないということでしょう。

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