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No.3860 総裁選で続く奇妙なこと

2025.09.30

 総裁選で小泉候補陣営によるステマ事件が取りざたされている。ここでまったく表面に出てこない選対本部長である加藤勝信議員。広報担当のデジタル大臣牧島かれん議員の上の立場にある方がまったくメディアも取り上げないことに奇妙な感じがしている。まして、この加藤議員は元安倍派の6人組とかの重鎮議員だった方だ。信念が変わる政治家は後を絶たないが、やはり石破政権で閣僚をいただいた時点で、この議員は、はっきり言って寝返ったというのが今回確信的になった。
 こうした部分については、地方政治家ではある自分としては、この世界の最も嫌悪感を持つ点ではある。恩義も何も無くす輩が良くも政治をできるな、語れるなという情けなさとでも言うのだろうか。

 そこへ来て、またまた小泉陣営で異様な行為が表面化した。それは、彼が支部長の神奈川県で総裁選投票用紙が826名分も届いていないというものである。しかも党員の多くは高市候補支持と言うのがわかってのことだと言うのだから穏やかな話ではない。曰く、勝手に離党させられていたというのだから、これが事実であれば、やることなすこと小泉という政治家は姑息で、敵を絞り上げる手法の汚さ、醜くさが過ぎるということになる。確かに総裁選の敵ではあるが、元をただせば自民党仲間なのだ。まるで郵政民営化に固執して仲間に厳しくあたった父親に似ているようではないか。少しずれるが、この時民営化に反対した郵政大臣経験者の野田聖子氏は徹底的に絞られて自民党を離党した経緯がある。ところが、この野田氏は今回の総裁選で小泉候補の推薦人になっているのだからよくわからない。怨念をいつまで持つかはは人にもよるのだろうが、何も推薦人にまでならなくともよかろうにと考えるのだが、けじめをどこでつかせているのか不思議である。小泉首相になった暁には閣僚人事の中に名前が見られることにでもなるのだろうか。
 更に、皆さん記憶に新しいと思うが、昨年の総裁選で首班指名を受けた直後に石破さんが解散をして、自民党の選対本部長に選んだのが小泉議員だった。その小泉選対本部長の進言で実現したのがパーティー資金の割り戻し分を記載しなかった安倍派議員の非公認の取扱いだった。選挙戦を有利にするために「味方を切る」提案をした点は、親譲りなのかと思わせたが、結果は自民党惨敗という結果に終わったのだ。あの出来事は石破さんと森山幹事長の仕組んだことだとするメディア報道が中心だったが、実のところは、提案者は小泉議員であり自らの責任を口にはしたものの、とくに森山さんを責任の標的にすることで示しをつけたのだった。

 それにしても有権者が呆れるほどていたらくな総裁選ではないかと思うのだが、日本をリードする自民党国会議員たちはこれがわかっていないのか、メディアもコメンテーターもこの稚拙さになびいてああだこうだとスキャンダライズにかまびすかしい。もっと清潔感にあふれた国家のトップ選択選挙にしてほしいものだ。

No.3858 世も末の首長事件

2025.09.26

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 これほどまでに猛暑が遠ざかる感に有難いやら、驚くやら。虫の音が心地良い気分にさせてくれる夕方から朝の冷え込み?までしっかり秋の感覚。やはり、春は春、秋は秋・・・日本の四季は素晴らしいとつくづく感じるこの頃です。

 さて、地方政界では、またまた不遜な出来事が発覚しました。言葉にならないくらいがっかりさせられたのはほぼ皆同じではないでしょうか。群馬県の県庁所在地である前橋市の市長が、幹部職員とのラブホテル密会事件。しかも複数回に及ぶというもので、これはもう弁解の余地はないと思ってニュースを聞いていたら、なんと「市政に関する話し合いや相談があってのことで、確かに場所の選定には問題があったと感じている」との言い訳答弁。市長室は何の為にあるのかというのが率直な疑問です。
 県議も経験された40歳代の女性市長で、自公推薦の候補者に勝っての1期目の首長さん。自らは独身ということですが、相手の職員が妻帯者ということもあって、聞いた瞬間、かの元国会議員の弁護士との不倫事件を思い出した次第です。情炎燃え盛ってのことだとすれば、あまりにも切な過ぎる出来事ではありませんか。
 それにしても、人口32万人の街の予算権・人事権等を持つ首長のことでもあり、内容的には伊東市長の学歴詐称より事は重大といった感じもします。
 この二つの事件が重なったことで、既に死語に近くなっている言葉を思い出してしまいました。「破廉恥」
 青少年に示しがつかない首長二人の破廉恥事件。時代が変わったなあと感じますし、世も末なのかとの想いを抱かせる残念無念な出来事ですね。政治の世界が多くのドラマで悪の権化のように扱われるのも止むを得ませんね。

No.3857 総裁選序盤で感じること

2025.09.23

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 今号のコラムは「政治は生きている」なのだが、現実の国政は「死んでいる状態」に近い。なぜか? そこに言及するメディアはほとんどなく、最近は石破さんがまるで素晴らしい功績をあげた総理だったかのような風潮を感じる。
 今日の共同記者会見では、小泉候補が内政も外交も石破さんが立派な成果を上げ、トランプとの関税交渉にも1%も下げることなく頑張ったと・・・えーほんとかいな!と感じたのは私だけだろうか。前にも書いたが、80兆円という巨額の対米投資を約束しての外交結果だったことには全く触れずにただただ褒め上げる。一部党員票、そして議員票を見込んでの発言と見受けた。林候補と小泉候補が谷垣元総裁の言動を持ち出したのも谷垣さんと気脈を通じる議員票を意識してのことではなかったか。もはやこの時点で自民党は変革しない!と私は思う。
 小泉さんに問いたい・・・なぜビッグ選挙に3連敗したのか? 政治とカネに原因を押し付けたがる石破政権の中心議員たちの意向は見え見えだが、保守精神を置き去りにした石破政権のリベラル化について反省する言葉は聞こえてこない。参政党になぜあれだけの票が流れたのか。巷の主婦の声からは石破評をよく言う声はまず耳にしない。
 結論から言うと、2度にわたる立候補会見で安全保障環境のリスク増大に関連した保守思想の発言を心底から口にしたのは高市早苗候補ただ一人だった。出だしの言葉「日本を今一度洗濯する。夜明けは近い」と発言した経緯は、まさに令和の龍馬を感じさせてくれた。心強い国策の大方針ではないか。
 また、財政より経済と言った小林、小泉候補は、財務省の言いなりになる感じを受けたが果たしてどうだろうか。経済を回すには、今の日本においては財政出動が必定であり、赤字国債の発行もしばらくは欠かせないという考えの高市さんの方が経済輪廻の観点からは正しいのではないだろうか。
 2030年に年収を100万円アップさせるという小泉さんからはその具体策らしきものは発せられなかった。9月20日には新米価格が5月の4,285円にせまる4,275円となっている。その間、小泉さんが農水大臣になって備蓄米放出があったが、考えてみれば消費者は昨年の新米も今年の新米も安い価格で買うことは出来なかったということになる。生産農家と消費者の双方の立場を勘案し、慎重に施策を実行するべきところを、備蓄米放出手段を刹那的に打ち出したに過ぎなかった、わずか3カ月余りの米価下落騒動だったのだ。まだまだ足りない部分を補って50歳を目途に日本の総理を目指してもいいと感じる小泉さん。たとえ、今総裁になったとしても石破さんが後ろに控える院政という実体は現実的ではない。

No.3854 総理土壇場での辞任になにが?

2025.09.09

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 石破総理が7日緊急辞任を口にした。私自身は、政治的身内に後ろから何度も弓を引く恩義無き性格に人間的信頼感はゼロだったのですが、基本的に選挙のたびに大敗したのは石破さんを総裁に選択した自民党への期待感が失われたことにあると感じています。それどころかそれを実行した自民党議員に怒りの感情さえ持つ党員も少なくは無かったと思えてなりません。
 そして、失われた党への信頼と、この間に喪失した海外からの信頼及び国力は、そうそう簡単には戻らないと思っています。やはり左傾化した自民党国会議員による政権運営に国民の焦燥感が増幅し、さらには、トランプが世界のリーダーをかなぐりすてるかのように自分ファーストを強化し、それに対抗して中露印がまとまるような雲行きに日本の政治のおかれる国際環境に不安が増していたのは事実です。
 そんな中で、居座る精神が先行して大義無き解散まで思考した石破さんは、もはや総理にあらずを自ら露呈していたのです。辞任の理由に関税交渉がある程度まとまったとしていますが、それなら菅・小泉会談の前にも自ら率先出来たはずです。この会談でも冒頭は解散をほのめかしていたそうですから、まさに権力欲への姿をあからさまにしたということでしょう。
 関税交渉の側面には80兆円という年度国家予算にも匹敵する巨額のアメリカ向け投資を約束させられており、それもアメリカの計画に沿った投資先を求めらているのです。
 

 菅さんが小泉さんに後を引き継がせたい一念で、石破さんに辞任を忠告したのは、良かったか悪かったのかはまだわかりません。備蓄米を放出させても新米の価格低下には効果が無く、残る備蓄米販売を継続させて、結局大切な備蓄米をスッカラカンにしたその場渡りの財務省に逆らうことの出来ない小泉さんが総理になることは想像したくないのですがあり得ることです。まだまだ力不足ですし、彼の政治生命の先は長いのです。しかし日本の国力は今まさに落ち込んでいるときに彼が救世主になれるとは思えません。
 しっかりとした保守精神の元、知識と知恵に長け、安心安全保障への考え方も強いものを有する積極財政派の政治家が、今まさに危機感に満たされた自民党及び日本の政治の舵取りをするべきだと思っています。

 話はまったく変わりますが、トランププーチンによる和平会談が実現しましたが、その後ロシアによるウクライナ攻撃は逆に過激化しています。プーチンはゼレンスキー大統領との交渉を拒否し、それどころか首都キーウへの爆撃を先鋭化しています。これにトランプは何も手立てを打てぬままですがいったいどうしたことでしょうか。イスラエルの攻撃にも歯止めがかかりません。
 日本の次の総理大臣が誰になるか・・・それによっては中国の台湾侵攻が現実になるかもしれません。そしてロシアも・・・。その時、トランプは日本を守りますか? 暢気でいられる国際情勢ではないのです。

No.3846 政治責任とモラルはどこに行った?

2025.08.14

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 酷暑の中の甲子園大会も佳境に入ってきましたが、昨年の春夏優勝校同士の一戦は白熱した戦いで高校野球のプロとは違う面白さを再認識しました。それにしても、健大高崎の石垣元気くんの155キロにはしびれました。テレビの画面でもはっきりとそのスピードを感じることができましたし、なにより結果にめげず明るかったのが印象的でした。監督さんの温存策を悔やむ言葉も理解できるところです。
 さて、明日14日は土屋璃空くんが8時開始の第1試合に出場する仙台育英に注目です。相手は島根の開星で前戦が鳥取でしたから山陰代表との戦いが続くわけです。
 第1戦を現地応援した数日後に、彼が小学生時に在籍していた幸手の少年野球チームの親御さんたちの会合の場に偶然出くわしました。そこに土屋君のご両親もおられてお礼を言われましたが、次戦は画面に向かって声を張り上げることを約束し、了解をもらいました。試合開始まであと6時間です。

 前置きが長くなりましたが、タイトルにした事案は、なんとも情けない伊東市の田久保市長の百条委員会での対応です。子どもにも理解されないだろうと感じるローレベルな質疑に対する答弁は、この人が政治家であること自体に疑問を感じるほどです。辞職宣言から続投宣言に変貌した理由は、公約の実現に責任があるというものですが、その前に取るべき責任があると議会のみならず市民も思っていることでしょう。学歴詐称は立派な犯罪ですからね。
 居直り、開き直りは自民党の総理総裁も同様です。ずるい、こすいと感じさせる総理大臣の実態は、過去の選挙戦で敗北した時の総理に、辞任すべきと発言した方ですよ。言行不一致もはなはだしいではありませんか。
 異様だなと思うのは、この続投延命に各所各人にこれを支える実体があることです。
❶ NHKは世論調査で続投意見が多かったと昨12日に報道。このアンケートの信憑性まで丸のみしていいものかどうか。
❷ 6ch,10ch,朝毎東を始めとする大手メディアや、デイリー新潮などのネットメディア群は、言わずと知れた左傾の報道機関です。安倍政権の批判を連綿と書き続けたこれらのメディアは、今また安倍派議員の存在と政治資金問題を参議院選敗北の最大の原因だとし、石破さんの責任ではないと。これには自民党に復党したばかりの鈴木宗男議員が同調発言をするなど、昨年の衆議院選以来画策され続ける保守本流及び安倍派の掃討作戦を意図しているのは明らかと感じます。政治の裏世界の醜さをメディアが巧妙に増幅し、若い世代への自民党離れを画策しているように思われます。
❸ 関税交渉で知名度を高めた赤沢大臣が、前倒しの総裁選に石破さんが出たらしっかり支える発言。他の議員たちに聴かせたいかの如くの先行誘導発言としか感じられません。
❹ 日本に敵対的とされる韓国の李在明大統領は、親日だった前政権で実刑判決を受け昨年の12月から服役している左派系代表のチョコク氏に特別赦免を決定。しかも残りの刑は免除され、公民権まで復活させる決定なのです。さらに、同時期に前大統領夫人を逮捕という「味方には寛容、敵には不条理」という左派系韓国の国情を現実化しています。実際に、朝鮮日報が「自分の味方だからといって国民情緒を度外視した決定を下してはならない」という反対論評を社説にしています。
 そして、なんとこの韓国大統領と石破さんとの会談が予定されているというのです。やはり媚中、親韓を示すものであり、総理の外交実務を総裁選があるやなしやの状況で計画すること自体が異常です。
 重要なのは、左派系イメージの強い自民党の現実が、自民党離れにつながっているということを意に介そうともしない党執行部にはほとほと情けなく思います。石破さんの人間性がはっきり見えたと感じている人は少なくありません。石破さんが出たらチャンネルを変えるという人が多いのも理解できます。
 政治責任から逃避し、モラルを放棄する人がトップにいるような世の中は、他の世界でもそれを助長することになるやもしれません。すでにネット社会の現実が人の醜さを体現しているわけですし、教育分野も倫理観欠如の事件が多発しているではありませんか。植木等さんが無責任時代を面白おかしく歌って世の中を明るくしたのとは時代も事情も違うのです。

No.3842 シナリオが過ぎる石破さん

2025.07.25

 まさに政治は生きているを強烈に感じさせる選挙後の自民党。もちろん裏政治という観点からのことです。党員として消えゆく自民党論まで出される状況には、何とも歯がゆい思いがしてなりません。
 8月1日が期限と言われていた関税交渉でしたが、選挙後あっさり相互関税25%で妥結したのは驚きです。赤沢大臣のそれまで7回も渡米していたのが、8回目で期限1週間以上残して突如の妥結。選挙大敗予測の中で創られたシナリオだったのではないかと思いたくもなります。
 しかも、提示したニンジンが80兆円の投資とあればトランプも喜ぶことでしょう。それこそ国家間での袖の下交渉という表現もできるのではないでしょうか。しかもそこから生まれる利益の90%はアメリカに帰属するというのですから、交渉成立を手放しで喜ぶわけにはいきません。逆にアメリカの自動車業界はトランプに怒りを隠さないという報道もあります。

 この関税交渉の妥結結果を受けて、ほとんどの左派系野党から石破続投期待論を発信されはじめました。党員として情けなく思います。反安倍で知られるラサール石井が、石破さんは今までの総理で一番まともだと言ってる状況は、現政権が左派思想に一歩どころかかなり踏み入ったことを象徴する事態です。安倍総理にことあるごとに矢玉を撃ち続けた石破さんですから、その時点で保守精神の高い政治家ではないとわかっていたことですが、総理になってここまで堕落的延命策で居直る人であったとは・・・呆れました。過去の選挙で、自民党が大敗した際、野党から時の総理が続投を期待されることなどありませんでした。それだけ組みしやすいと言われているようなものですし、中露朝を意識した国守国防意欲が薄いのもどうかと思います。

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