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No.3439 土石流の恐怖

2021.07.06

 天気予報はこの先10日間60%以上の雨予報ですが、降り続くという感じは今のところありません。梅雨前線に加え線状降水帯という最近よく出てくる長い帯状の雨雲と、人知を超える大雨量が土石流となって多くの人命や家屋を根こそぎ奪う災害が毎年のように発生しています。
 この度の熱海土石流災害により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げ、また、被災者の皆さんに心からお見舞い申し上げます。
 熱海の災害は逃げる余裕すらない猛烈なスピードで瞬く間に住宅群をなぎ倒しました。その恐怖の光景をビデオで見る限り、これはかなりの人が土砂に埋もれてしまったことを感じさせ、三陸の津波に劣らぬ悲惨さを予感させるものでした。家でテレビを見ながらくつろいでいた人も突然の・・・。
 今回の土石流災害は、単なる自然災害と片付けられない要因が取りざたされています。大規模太陽光発電による山間部開発や山林伐採後の5万トンもの盛り土ですが、空撮を見ると確かに大きな範囲で太陽光発電が設置されており、そのすぐ裏手が土石流の発生地点になっています。まして住宅のはるか上に廃土に近い土を運び込むなど、行政の監督に問題はなかったのでしょうか。
 今、ご承知のように洪水対策として山間地の大規模ダムの必要性や平地にあっては田んぼダムといった止水と保水の両面からの防災対策が重要視されています。もちろん、広大な山間部が有する保水能力は数年かかって湧水が出るという事実からも開発の対象にしてはいけない土地だと思うのですが、原発に替わる代替エネルギーなどともてはやされ、広大な太陽光発電の設置が全国各地で見られます。
ファイル 1359-1.jpg 添付した写真は、和歌山県のとある山間部のものですが、関東平野に住む者にはなかなかお目にかかることがない光景で、天然の保水能力が減少するであろうことは一目で理解できます。保水能力に乏しくなったこの斜面に代替エネルギーとしての期待と喜びを素直に感じられるでしょうか。下流部がどのような状況になっているかは不明ですが、まさにパネルを飲み込みながら驚異の土石流が発生しそうな形状に見えます。

 私は3月、6月と2度の議会で土地問題を取り上げました。手放せるものなら売りたい農家の存在と、日本の土地に関心を示す外国資本、そして、売電契約完了後に環境問題化するパネル等の関連性から、土地の売買規制に関する条例を施行することを提案した経緯があります。若干、熱海の例とは異なりますが、言ってみれば太陽光発電は、防災、環境に加えて国防国益といった観点からも、工場の屋根や壁面および一般住宅などは別にして、小泉環境大臣が唱えるほど推奨すべき対象ではないと感じるのです。

No.3438 安倍前総理来たる!

2021.07.04

 野党のみならず、反日メディア&コメンテーターから別格の扱いとして批判され続けるのが安倍晋三前総理です。それは、政治関連に結び付けてコロナ禍とオリンピックの話題でいっぱいいっぱいであるにも関わらず、もりかけを再燃し、ひどいものでは安倍さんの議員辞職を主タイトルにする週刊誌まで。いやいや、今、大きな公的肩書のない国会議員としては通常あり得ないことですが、これは、安倍晋三という政治家がいかに国際関係の中で日本の立ち位置を高め、それによる国益を高める守護神のような存在であるかということと思っています。他の国会議員には感じられない真の政治家としてのオーラを感じさせるからこそ、反日にはその存在が疎ましくてたまらないのでしょう。

 その安倍前総理が幸手市に! 
ファイル 1358-1.jpg 三ツ林衆議院議員の国会報告会に来援することになったのです。三ツ林代議士は内閣府副大臣として、コロナ対策をはじめ広い範囲で多忙を極めています。これは、私たちにはすべてを理解しえないほどの多忙さであるとご理解いただければよろしいかと思います。
 そういうことで、任期が10月21日と迫る中、ワクチン接種と五輪の関係と衆議院解散が関連付けられる状況でありますが、選挙活動もままならない現状にあります。ところが、かなり以前から南部地区での駅頭活動をする姿は身体を心配してしまうほどです。東京に向かう時間の関係と南部地区に事実上の相手の地元があるからと推測していますが、幸手市の皆さんには、こうした三ツ林代議士の奮闘する現状に温かい目を向けていただけたら有り難く思います。もっと地元に姿を見せてもらいたいという気持ちはわかりますが、分身の術は願うまでもなく、日々の基本が東京現場という環境であることをご理解いただきたいと思います。

 つきましては、添付のような内容で三ツ林ひろみ国政報告会を開催いたしますので、皆様集ってのご来場をよろしくお願いいたします。

No.3437 人口減少とうとう!

2021.07.02

 すでに7月に入って2日。我が家ではまだですが、広報さって7月号をすでにご覧になられた方は多いと思います。掲題の人口についてですが、広報ではかろうじて5万人を保つ形になっていると思いますが、実は、市ホームページでは5万人を割り込む数値が記載されています。
 49,957人
 前月比男子-45、女子-20ということで、世帯数も16世帯減少しています。

 ダイヤモンド社や東洋経済などで時折、人口問題研究所の未来予測が特集されたりしますが、幸手市に消滅可能性都市という有り難くない冠がつけられたのはかれこれ数年前のことです。
 幸手市の人口のピークは平成に入って間もなくのことで、58,000人を超えるところまで行き、その後約30年かけて減少を続けてきました。議会でもかなり前から人口減少問題が取り上げられる状況ではありましたが、幸手市に限らず全国の地方都市に迫りくる大きな行政課題となっているのが現実であり、それは取りも直さず国全体の問題でもあります。もちろん、国策として国会でも議論はされているわけですが、人口を増やすという意味での妙手は無いというのが現状です。ならば、減らさないための施策があるかというと、それも難解な話で世の中の移り変わりは、どうも人口が減ることを認識しての新しい社会構造を構築することに特化しつつあるのが事実ではないかと思います。 
 それでも、各自治体が転入流入対策を講じて、世帯人口の奪い合いをしているという考えさせられる実態もあります。しかし、それは住みやすさとか、幸福度、魅力度といったランキングが発表されたるすることを起因に、人が移り住むという現実もあるので、どこの自治体も魅力作りに知恵を絞るのもわかる話です。手をこまねいて何もしなければ人口は減り続けるのは当然ともいえます。ただ、五万人を割ったからといって急に事を図っても好転する話ではありません。また、一つの施策で数十人、数百人の人口流入があるというものでもないでしょう。じっくり、いろいろな事象を吟味検討して機敏に手を打つことで多少の結果がついてくる程度と考え、考え得る方策を適宜繰り出すことが大切だと私は考えています。基本はシティープロモーションということになります。話題創生、施策の先がけということに尽きるのかもしれません。
 まさに今、幸手市を取り巻くあらゆる環境を意識してマトリックスに施策を絡めていくことしか有効な手はないと感じるのです。おかれた環境、現状の一つ一つを洗い出すことから始めることが肝要ではないかと思う次第です。
 5万人を割ったという事実に対して何を思うかといえば、それはそれとして単なる通過点でしかないと考えるのも一つですが、寂しい現実を念頭に置きとどめ、前述のような認識をもって行政施策を構築していくしかないでしょう。

No.3436 また起きた児童死傷事故

2021.07.01

 3日前の先月28日午後3時半頃のこと、八街市で下校中の小学児童の列に大型貨物車が・・・5人のいたいけな児童が一瞬で暴走トラックに巻き込まれた。8歳と7歳の男子が死亡、1人が意識不明、2人が重傷という悲惨な事故となった。画面で現場状況を見る限り、トラックの大きさもあるがブレーキ痕がないというのだからひとたまりもなかったはずである。そして、数年前に起こった埼玉県内や滋賀県での同様の事故を思い出した。
 原因は運転前に会社で飲酒したという報道内容だったが、警察の検分結果は運転の前後に飲酒した形跡がないという。運送会社で運転手が酒を飲むなどということがあっていいはずがない。そこで、推測されるのは車中で飲みながら運転していた可能性が問われることに。しかし、運転者の母親の話では酒を家飲みすることも少なく、弱いタイプだという。ならば、単純な居眠りかというと呼気にアルコールが検出されたのは間違いないわけなので、やはり飲酒もしくはアルコール度の強い食物を口にしたということになる。許されない事故がまた起こったことになる。

 平成24年に地元小学校が廃校となった結果、子供たちは統合された小学校へ通うことになったのだが、その通学距離は、大人にも近いとは感じられない距離を通学することになったのだ。住居によって若干異なるが、子どもの足で30分はかかる。地域のメインストリートの歩道に沿っての登校で登校時の立哨活動を始めて10年目になる。この間、子供の列はもちろんだが、私たちスクールガードメンバーに向かって車が間違って突っ込んで来たらどうしようと感じるのはたびたびである。特に香日向を過ぎ隣接地区に入ると歩道はあるが高さは路面と同じになる。
 雪の日は最も危険を思わせる日ではあるが、実は車もスピードを上げてはいないのでややといったところ。逆に、最も危険を感じるのは・・・今の季節から夏にかけてのことである。雨の日は車が増えるし、運転者の見通しが悪くなる。晴天はどうかといえば、路面温度が上がるとタイヤは滑りやすくなるのでスピード次第では…ということになる。最も、当地区の部分だけで考えると、ほぼ直線なので車が原因のスリップというのは考えにくいのだが、それでもスピードを上げた車が来ると自然と立ち位置が一歩下がる。
 これも5年近く前のことになるが、時間こそ違え、私が立つ交差点近くの反対側の植え込みに中型トラックが突っ込む事故があった。原因は居眠りだったという。また、3年前には交差点の角に乗り上げ逆さまになった車があった。どちらも人身的には何も無かった事故だったが、今回の八街市の場合は歩道のない市道ということで、危険性については問われる状況にあったようだ。
 実は、幸手市内にも歩道が未整備の県道を子どもたちが通学している例がある。県議時代に何度か要望したが、残念ながらいまだ未整備のままである。大人たちの見守りがどこまで効果があるのかはわからない。しかし、子供たちとの安全のためにという思いで始めた立哨活動であり、子どもたちから元気をもらえる喜びを毎朝感じることもあって、まだまだ身体の続く限りやりたいと思っているが、我が身の安全をもう少し科学的に考える必要はあるかもしれない。特に居眠り運転などではブレーキを踏むことなく歩道の段差などお構いなしに乗り上げる状態だろうし、何が起きるかわからないのが世の常ですから。

No.3435 リンゴ日報抹殺に想う

2021.06.27

 今月23日、香港の反体制市民派メディアとして知られるリンゴ日報が廃刊・廃業となった。1週間後の30日は、香港国家安全維持法という歴史上まれに見る悪法が中国共産党によって施行されて1年になる。人によって感覚が異なるとは思うが、私にとってこの1年、社会の回転速度が異様に速く感じられるのだ。とくに、世界の動向に中国の一党独裁政権の影響があっという間に広まった感すらある。
 香港の1年前と現在では想像を絶する社会変化が起こっている。学生であろうと相手かまわず国家反逆罪として逮捕拘留するやり方は、現代の不思議でもある。人権も何もあったものではない。言論弾圧・封殺という以上に、会社ごと抹殺されてしまったリンゴ日報への当局の対応は時代錯誤も度が過ぎている。
 昨年の8月に逮捕された周庭さんが保釈されて出てきたとき、スマホで訴えたのは真っ黒な画面だった。口を閉ざさざるを得ない恐怖の勾留期間を終えて出てきたばかりであればそれも止む無しか。そして、リンゴ日報の創業者である黎智英氏が逮捕され、銀行取引を停止状態に追い込まれ、会社は先ごろ廃業するという前代未聞の抹殺行為が公然と行われたばかりだ。
 振り返れば、国安法施行以降次々と繰り出される非民主化行為は一般人からみて、そんなことがよく出来るな!というか考えられないことまでやってしまう中国を見せつけられている。一昨年の11月に行われた香港立法府議会選挙で民主派が大量に当選した。これがきっかけで国安法が考えられたともいわれているが、施行直後の昨年11月には、議員資格に制限をもうけ、民主派議員数人の資格をはく奪している。そして、今年に入り2月には議員候補者とみられる民主派を総勢53名も逮捕している。うち47人は起訴となっている。当局がしっかり検分した結果、不起訴もいるという意味での迷彩を施すためのものか。
 さらに、今月のことになるが32年前の天安門虐殺事件の追悼集会の会場封鎖で、実質上の事件隠蔽思考を見せつけたばかりだ。

 国安法施行の翌月に新設された機関に「国家安全維持公署」というのがある。これは、実質的に香港政府の上位機関にあたると明確に示されており、今、香港警察によって行われている民主派取締り活動はこの公署による指示だという。すでに香港政府は形骸化し、対外的な政治イメージを持たされているだけの機関に過ぎない。国家安全維持法、海警法、反外国制裁法と繰り出す天下の悪法には、よくこんなことを考え付くなーという思いしか沸いてこない。我田引水もここに極まれりである。
 今、わが国では渋沢栄一の素晴らしさを見直そうという観点が新1万円札とともに大きな話題となっているが、この渋沢の原点には「論語」の精神が脈々と流れている。渋沢の「論語と算盤」は150年ほど前のこととは言え、人の道を説く論語は今も立派に通用するものとして親しまれている。だが、現代中国は孔子の教えに忠実どころか、孔子の名の元に世界に身勝手な中国共産党思想を広めることに躍起なのだ。さしずめ、今の中国は「我欲と算盤」と私は表したい。
 桜井よし子氏が「中国ほど悪い国はない」と平易でわかりやすい言葉を発しているが、まさに的を得た中国評だ。
 人の口にいとも簡単に戸を立ててしまう国・・・中国。これから、教育や経済面で差別的恩恵制度を見せつける手法などで、時間をかけて香港を完全一国化していくに違いない。香港の民主派市民には思想洗脳という中国共産党の人権抑圧という地獄を覚悟する時代が待っているのだろう。

No.3434 政治家の報酬

2021.06.24

 秩父市議会定例会最終日は幸手市と同じ22日だった。直前の市長選挙で勝利した北堀市長は、数号前のブログでもご紹介した県議時の先輩だが「困窮する市民に寄り添い、ともに乗り越える」として90%の給与減額を選挙公約で訴えた。こうした場合、概ねはパフォーマンスだとして市議会が否決する場合が少なくない。もちろん、自分たちも減額しなければならない雰囲気に襲われるということもあるだろう。
 しかし、秩父市の場合は21名の議員のうち17名が賛成し、反対は共産党議員3名プラス1の4名という結果だった。賛成議員の理由としては「ありえない減額率だが選挙の公約に掲げたことで民意を得る結果となった」と。反対の理由は「常識を疑う。市長は365日24時間行財政運営に対する責任がある。果たしてその激務に耐えられる給料とはとても思えない」うん?この論理、逆手に取るわけではないが、激務に耐えられる額とはいかなる額かと思うのだが・・・。額によっては大志を抱いてなった政治家であってもやる気が失せると言ってるようにも聞こえる。
 この減額は任期いっぱい続くというもので、確かに思い切った減額だが、私は北堀市長の男意気として理解している。3度目の挑戦で、なんとか街を元気回復させたいという思いをこの公約に示したかったのだろうと。確かに政治家とはいえ、誰もが恵まれた経済環境にあるとは限らず、地方議員の場合、生活面と結び付けて報酬を思慮するパターンは多いと思う。というよりは、経済状況にかかわらず、金の持つ魔力に引き寄せられるのは人の常、世の常なのだろう。すべてとは言わないが、国会議員の集金力への飽くなき欲求がそれを示している。
 現実には、地方の小都市の議員報酬では若い人の挑戦者・希望者が出てこないというのが社会問題にもなっているのだ。本職が別にない限り4年間の保証しかなく昇給もほぼ皆無の地方議員に、若者が大志どころか生活設計を描けないのはわかる話だ。そういう意味では、北堀市長の心意気は誰にでも真似できることではない。私が県議に就任した2011年5月のこと、全県議20%報酬カットが前月から行われていた。言うまでもなく3月11日発生の東北大地震に配慮し、当時の自民党ベテラン県議の一声で決まったことだと聞かされた。全国でも速効の決議だったようだ。年額で約250万円程度だったが違和感はなかった。最初の段階就任時からということもあったし、市議時代の報酬の倍近い県議報酬ということもそう感じさせる要因だったと思うが、なにより社会情勢を鑑み、報酬の源である税金を戻すという感覚が優先した。
 今思うのは、そうした災害配慮の先頭に立ってきた県議会が、コロナ対応を理由とした知事の報酬カットにもなかなか同意せず、自らのカットにはまったく意思を示さなかったのはどうしてだろうかと不思議でならない。
 北堀市長の減額幅は、年換算で1370万円にのぼるという。任期までとしてこの4倍だから市の財政面には有効な額であることは間違いない。今後の市政運営において報酬減額をあえて口にすることなく職員や市民と切磋琢磨していってもらうことを信じ、心から応援したいと思う。

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