気温は2℃でも朝から雲一つない快晴です。
しかし、県政界は暗雲とは言わないまでもいろいろな雲が漂っている現状で、来年の知事選に関するニュースが報道されました。それは、埼玉県町村会が上田知事への出馬要請を考慮しているというものです。おそらく数日中には正式に行われるものと小生は推測しています。
埼玉県は40市22町1村という行政区割りになっており、まず先陣をきって22町1村の支援が上田知事に向けられることになります。残す40市の動きはいかに?といったことになるわけですが、市町村会全体の同一性を図るために町村会が舵切りの船頭役を担ったものと理解しています。
県議会では、あらゆる場面で上田知事と自民党県議団のつばぜり合いが続く状況にありますが、上田知事の自作条例破りに対する自民党の怒りはどうにも終着点がないまま来夏の知事選までもつれそうです。
問題は、自民党が既に酷暑の選挙まで7ヵ月ほどになっているにもかかわらず候補者が示されていないということです。前回選挙の轍を踏まないためにも早めの候補者選択が望まれるところですが、後出しジャンケンのほうが有利と思考しているのかどうか凡人には理解しにくいところです。しかし、名の売れた人物で上田知事と対等に選挙戦を戦える著名人という意味では、これといって決定的な人物がいないのが実情ではないかと小生は感じています・・・。
前回は、天野教授の担ぎ上げ作戦が頓挫したことから、今回は同じことが許されない状況です。自民党が混とんとしている様子を眺めている上田知事にしてみれば、それこそ自ら狼煙を揚げる必要は無く、県政重鎮軍の支援表明という形で、まさに戦場各地から63もの旗が翻ればなにより県民に訴えることになります。各市町村にはほぼ自民党県議がいることを思うと、首長と自民党県議の関係も複雑なものとなり、何らかの影響が出るのはやむを得ません。しかし、それでいいかどうかを在野の立場でと考えると、地域事情が複雑な政治状況や人間関係に左右されるのはけっして良いこととは思えません。
自民党にとって厳しいのは、上田県政にさしたる汚点がないことでしょう。加えて、国会議員と知事4期の経験から、全国に人脈は広がっている中で全国知事会の会長にまでなったのです。いくら県議会最大会派の自民党と言えども上田知事相手の選挙は別物と考えるしかありません。
上田知事についての県庁内の評判は私の知る限り様々ですが、世の中には100%というのはないと思えばそれもしかりでしょう。とにかく、こと選挙という場面で県民有権者がイメージするのは大過なく知事職を全うしているという現実と我が街のトップが応援しているという流れです。年齢的にも69歳ならまだまだです。予測されていたことではありますが、今日の報道に自民党がいったいどのような対応を思考するのか。それによってこの戦いの全体像が見えてくるわけですが、いったいどうなるものやら。
記事一覧
No.3068 動き始めた県知事選
No.3067 友ありて
昨夜は大河ドラマ「西郷どん」に涙した人が多かったことと思います。加齢とともに涙腺が緩くなっている私もついついグッとくる最終回でした。
西郷さんの最期は桐野利秋の介錯によるというストーリーが一般的かと思っていましたが、そこにあまりこだわりは感じないシナリオでした。
さて、以前の号で文芸幸手終刊の話をしましたが、そこに投稿した我がエッセイのタイトルが今号掲題のものです。いずれご一読いただければとしていましたので、昨夜の最終回が終わって、あらためて西郷吉之助・大久保一蔵の友情を見つめてみるのもよろしいかと思い掲載しましたのでよろしくお願いいたします。
なお、これを書いたのは6月のことでしたので、時系と言うよりは季節感が異なることをご理解ください。また、スマホでは少々読みにくいかもしれませんがお許し願います。
日曜日夜は、大河とは別に「下町ロケット」にも興味を惹かれます。佃製作所という架空の下町工場を舞台に、人間模様を織り交ぜながら、産業機械の開発(今はロケットではなく農耕機がドラマの対象ですが)に中小企業としての総力を注ぐ姿は、日本産業界の構造とそれをつなぐ表と裏を見せているようで、ある意味手に汗を握る展開が続く脚本完成度の高いドラマではないでしょうか。 バラエティーには基本的に興味を感じないのですが、ライブスポーツの他に知らない街を紹介してくれる旅番組や未知の自然を紹介する番組と並んで、社会派ドラマや歴史ドラマは脚本にもよりますが知識プラス好奇心と癒しの感覚を満たしてくれているように思います。とくにBS放送に良質な番組が多いように感じますが、これが近頃のテレビトレンドなんだろうと思っています。
No.3066 あおり運転判決に想う
東名あおり運転への判決がかなりスピーディーな経緯で出されました。求刑23年に対して横浜地裁が出した内容は18年の実刑。大方の国民は弁護士側による危険運転致死傷罪は車が停止している時には適用しないという主張に強い違和感を持っていたのではないでしょうか。見た目での判断は裁判では禁物ですが、普通の人間感情としては、被疑者の悪びれない姿から同情の余地はないし、これが罪に問われないとなると同種の狂走車が後を絶たないと考えていた人がほとんどではなかったかと。それが証拠に、裁判長は被疑者に反省の色が薄いことを論述していた。尋問に対する陳述にも嘘が露見していたというし、拘留中のマスコミからの接見依頼に30万円要求した事実も彼の人間性がわかる話で、決定的に社会モラルが欠如し、自らの立場自体を理解できない人物のようです。
今日もまたあおり運転をしていた医師が逮捕されましたが、この危険運転は実際に至る道路で見られます。大型トラックなどにピタリと後ろにつかれると得も言われぬ恐怖感に襲われます。
話は反れますが、スピルバーグ初期の作品に「激突」という映画がありました。超大型トレーラーを追い抜いただけの乗用車をそのトレーラーがしつこくしつこく、これでもかとばかりに追跡する単純ストーリー。ところが、セリフもほとんどなく、運転手の顔もわからない追跡劇にもかかわらず見る側の恐怖感は右肩上がりに増幅していくサスペンス映画でした。つい最近のことですが、車間距離をとらない軽自動車が後ろにいたので、車線をずらして前に追いやりましたが、運転していたのは若い女性でした。男女にかかわらず自己中心的な運転手は「そこ退けそこ退けるおいらが通る」の精神で車を操作していると思われますがいかがでしょうか。
この裁判は裁判官3人と裁判員6名によって判決を導く裁判員裁判でした。私も過去に裁判員の指名を受けたことがあります。その時、事件の経緯を確認し、量刑について協議をするわけですが、裁判官が過去の似た事件などを丁寧に説明してくれ、裁判員は独自の思考に基づき議論することになります。何回目かの集まりで量刑について個々の考えを示し、再度議論することになります。最終的に協議の末にまとまった量刑は求刑20年に対し15年と言う結果でした。翌日の新聞報道を見て複雑な思いがしばらくぬけませんでしたが、最終的に上告はなくそのまま結審しました。
その経験からか、今回求刑を聞いて18年を予想していたのですが、その通りになりました。判決の瞬間、首を傾げたという被告の年齢26歳・・・出所年齢44歳。はたして改心の度合いはどうか?
幼い子どもから両親の命を奪った罪にしては軽すぎるという街の声が多いように感じますが、殺人罪には問えない法の限界は、人の感情を抑制させる意味を示しているのだろうと思わざるを得ません。これが、いわゆる日本的裁判なんだろうというのが私の感想です。
No.3065 ハイテンションボルト
今朝の学童パトは本格的寒さにシバれました。手袋していても手は冷たく、耳が痛いくらいでした。フロントガラスの曇りを出勤する際に外に出て気付き、大慌てでガラスを掻きむしったと思われる車を沢山見受けました。帰宅後、予報で東京の気温が1.8度とか言ってましたから、おそらく零℃前後だったのではないでしょうか。
今年は災害の多い年でしたが、災害に見舞われ、復興途上の北海道、東北、関西、中国、九州地区の皆さんは寒さを超越して日々の暮らしに頑張っていただきたいと思います。
さて、今号では少し専門的な観点からある問題を紹介したいと思います。
復興と言えば、建設会社の存在が大きな意味を持っているわけですが、その情報によるとこのところある建設用部品の不足が大きな問題として浮上しているというのです。
それはハイテンションボルトというものです。鉄骨を組む際に、それをつなぐ要となるもので、引張力などから耐震対策には欠かせないものなんだそうです。それが、なぜ不足しているかと言うと・・・
ここにも災害の影があるようなのです。それは、このボルトの成型メーカーが関西にあって、夏の大阪地震で計画通りの生産が難しい状況が続いているというのです。さらに追い打ちをかけるように、粗鋼生産の大手工場がある室蘭では、先の北海道胆振地震の影響で生産に支障が生じ、生産ペースが大幅に遅れているというのです。つまり、遠く離れている粗鋼生産と成型メーカーがともに地震の影響で生産に翳りが出ているわけで、なんと、今やこのハイテンションボルトは半年程度の待機状態に陥っているというのです。
確かに、ネット通販のモノタロウなどで確認しても、欠品中とか取扱中止といったものばかりです。販売店ではどうなっているのか確認はしていませんが、販売店で売っている数では建設業界が取引き出来る対象でないのはあきらかです。
一つのビルに使用するボルトは半端な数ではありませんし、消費税の関係で増税前の契約は8%で、増税後は10%になることから当然増税前の契約が増えることは間違いないと考えられ、着工がいつになるか、工期はどこに設定可能かなど建設業界では悩みが絶えない状況です。人手不足が続き、倒産する企業が出ていることも合わせると、この部品不足は東京オリンピックや大阪万博に向けて暗雲を漂わせることになりかねないと業界では捉えているようです。
そんなわけで、冒頭の繰り返しになりますが、復旧復興地域の皆さんには寒さにめげず頑張ってほしいと願う次第です。
No.3064 幸手市の人口と未来
毎月届く「広報さって」は、市民のどなたも貴重な行政情報誌という評価で見ていることと思います。特に定例の人口と世帯動向について関心が高いことは、市民と会話するたびに感じることです。
今月号では人口38名減でとうとう51,500を割りましたが、反面、世帯は30近く増えているという状況です。ここ数年の傾向ですが、人口は減るが世帯は増えるという現象が続いています。有効な土地利用は地域発展の原点という考え方もありますが、優良農振地域の多い幸手市で年々農地が減少していることも疑いのない事実です。土地不動産関連業界が事業継続していくためには、土地の住宅利用は欠かせませんが、本下水やガスラインなどインフラ整備が遅れている幸手市にあって、ガレージが3台分もあるような90坪単位の戸建て住居が増えることがはたしてどうかは評価の難しいところです。雨水を吸水する土地が徐々にアスファルトやコンクリートに姿を変えていくのは問題無いと言い切れるものかどうか。
人口についてですが、幸手市の人口統計上、4万人到達が1974年7月の第一次オイルショック発生後間もなくの頃。5万人に達したのは1981年10月で、この間の1万人増加まで7年3ヵ月かかっています。町から市に転換するために架空の人口で申請したとかいう過去を耳にしたりもしますが、そのまま5万人に達し無かったら大変だったでしょうね。しかし、ひとまずそこには到達したことでほっとしたことでしょう。
その後、幸手市の人口は増えていき、1996年3月に58,574人となり、これが幸手市の過去最高の人口数となっています。5万人到達から14年5カ月という期間が経過した結果です。
この最高人口数から22年経過した今はどうか・・・約7,100人減少した結果、51,140人ほどというところまでになりました。とすると近い将来5万人を割り、市昇格条件を失うことになります。それは5年後か10年後か・・・。もっとも、昇格時の条件を失くしても北海道などではそうした自治体が市のまま存続しています。
考えるべきは、人口は自治体の活力に直結しているということです。働く人が減り、運営原資の税収が減るということは、街の変貌を構想することが不可能になります。せいぜい体裁を保つことが精いっぱいで、それすらも困難になりかねません。そのための施策はどこの自治体も考えていることですが、目立つ良策が無いと言ってもいい状況です。幸手市では議員提案がきっかけで婚活という男女の出会いの場を市主催で開催するチラシが12月広報に入ってましたが、はたして効果のほどはと言ったところです。気の長い話と考えずに地道な努力が必要とは思いますが、さて・・・
No.3063 済生会病院さらなる詳細
いやー暖か過ぎて野菜の成長に狂いが生じているらしいです。人もおかしくなりますよね。地球環境問題が今まさに国際議論の真っ最中ですが、国連事務総長の演説が心に刺さります。
前号の続編ということで、済生会病院のより具体的な内容が明らかにされたので、少々前号と輻輳しますが、あらためてご案内することとします。
◆開院・・・・・2021.10予定
◆総事業費・・・130億円
◆建設地・・・・加須市礼羽7-1
◆敷地面積・・・41385.34㎡
◆建物・・・・・6階建て免震構造
◆述べ床面積・・22,800㎡
◆造成工・・・①敷地内盛土 ②外周施設設置 ③駐車場地下貯留施設8000t分
◆着工・・・・・加須市が行う造成工事後、2020年春着工予定
◆病床数・・・・304床(うち4床は感染症用)
◆診療科目数・・24科目(栗橋済生会と同数)」
◆市の補助金・・上限50億円(建設工事費40億、医療機器購入費10億)
以上となっており、今後加須市として議会に諮る状況となっています。ここまで具体的な計画が示されたことで、栗橋での存続を望む思考から同じ医療圏に完成する新病院に期待する方向に比重を置くべき段階に来たのかもしれないと感じる次第です。