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No.3136 参議院選 嵐の中の告示

2019.07.04

前号のクジラブログに思いもよらぬお褒めのメールをいただき有り難く感じております。鯨食文化が、国はもとより地域単位で異なる例をわかりやすく綴ったつもりでしたが、食は土地土地で異なるからこそ、旅の魅力を高め、未知なる地へいざなう要因になっていることを感じていただいた面もあったようです。ありがとうございました。
16年間、政治に限らず、いろいろなテーマをエッセイ的に取り上げてきましたが、今後も同様の姿勢で書き綴りたいと考えておりますので引き続きよろしくお願いいたします。

 さて、参議院選が告示となりました。9年前の参議院選では、消えた年金騒動で、国民が未知なる政治を求めた結果、国の威信が随所で崩れることになったのはさほど古い記憶ではありません。今回の選挙も憲法改正、消費増税に加え、年金不安を野党一体となってアピールする17日間になるようです。野党にとっては「夢よ再び選挙」とでも名付けたい選挙なのかもしれません。
 しかし、現政権が憲法改正について問いかけていることに対して、まともな対応をしようとしない野党の姿勢はいかがなものかと思います。国会が発議しても、要は国民投票という最終場面があるわけですから、ある意味、この国民の権利を冒頭から必要としない政治姿勢はおかしいと言わざるを得ません。憲法審査会で堂々と議論した上で議決を諮り、そこで3分の2に達しなければ有権者の負託を受けた国会の結論として理解するだけのことであり、発議に至れば国民投票という流れになります。真面目に憲法問題を議論することこそ政治家の責任ではありませんか。
 立憲民主党などは、与党が示す9条改正は無視し、総理の解散権を低減する旨の改正を議論しようと・・・しからば憲法問題から逃げてはいないという論理です。歯車をかみあわせようとする意志は皆無で、政権からの投げかけを無視していることに変わりはなく、国を守るという観点は持ち得ていないようです。共産党に至っては、安倍総理は戦争をすることが目的だという得意の拡大解釈で戦争反対論理の賛同を得ようとする選挙戦。
 そして、こうした思考に特定メディアは応援の論戦を展開する。志位総理であれば日米安保は党是にもとづき即刻破棄? 枝野総理であれば親中、親韓路線をとり、結果として日本を守る術が無くなる可能性だって無くはないのです。
 また、現状にあって選挙争点にすべきは、少子化や教育、防災といった国を守るという意味において未来にかかわる内政諸問題も大切なことです。年金不安を煽る選挙戦はポピュリズムもここに極まれりといった様相に感じられてなりませんし、これによって野党政権が再び生まれることにでもなったらと思うとぞっとします。
 そもそも、年金不安を解消する手立て、道筋が野党に見出せるとはとても思えません。リーマンショックという外的要因で落ち込んだ日本のみならず世界経済にあって、デフレ脱却を旗印に打ち出したアベノミクスであっても徐々に、少しづつ成果を上げているというのが実際でしょうし、エクスプレス効果は打ち出せない現実があります。野党は経済をどうしようというのでしょう。消費増税反対だけでは経済論戦とは言えません。
 批判は簡単ですが、国際協調を基軸として進めている経済施策を考えれば、日本は世界の信頼を得ていることは間違いありません。ただ、露中韓朝の4つの隣国が別の自己中心的価値観を先行させている現実に対して各党の考え方を聴いてみたいものです。立憲民主党や社民党、共産党は何があってもほとんど中韓の批判をしないのが常のようですが・・・。

 そんなわけで、17日間の選挙戦が気候に合わせてジメジメした中身にならないことを願う次第です。