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No.2828 流行語大賞

2016.12.04

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 今年の流行語大賞に「神ってる」が選ばれた。

 「想定外の」「考えもしなかった」「驚異的」といった意味合いで緒方監督が発したのかどうかは定かでないが、当の広島鈴木誠也選手は緒方監督に自分の知名度を上げてくれて感謝していますとは対応したものの、言葉の本質的な意味では今一つお気に召さないようだ。活躍して当たり前という選手を目指して頑張りたい・・・そんな思いからなんとなく複雑な思いがしているようだ。
 サヨナラ打を放った時、「やっぱり鈴木だー!」「たよりになる鈴木のひと振り!」といった臨場感あふれるアナウンサーの叫び声を出させる選手になりたい・・・それは超一流に登り詰めた証拠でもあり、「神ってる」では微妙に中間選手のように聞こえるということなのだろう。
 でも、本人の意思にかかわらず来年も鈴木選手がここという場面で貢献打を打てば、おそらく「やっぱり神ってる鈴木」というフレーズが飛び交うのではないだろうか。それも単年度一過性の流行語で終わる必要はないし、ユーモアとして受け止めればいいのではないかと思う。

 ところが、とてもユーモアには感じられない言葉がトップテンに選ばれていることに怒りに近い驚きを感じた。
「保育園落ちた、日本死ね」
 これを選ぶ感覚がどうにも釈然としないし悲しい。いったい選考委員はどんな感性を持っているのだろうか。
 数日前、このニュースに接した時、私は思わず「自虐的過ぎてセンスがないなー、世界から笑われるぞ、こんな感覚だと」と思わず吐いた。家内も「ひどいわねー」と呆れて一言。

 この不明ツィッターを国政の場に持ち込んだ民進党の山尾志保里議員が授賞式に現れ独特の笑顔で応じていたが、彼女の背面に「生涯学習 ユーキャン」のディスプレイが立っていた。なんとも皮肉な言葉の組み合わせにしか感じられなかった。
 ユーモアとは、心のゆとりがあってこそ送受信できるもので、くつろぎの感覚を減退させるギスギスした誹謗中傷的言葉は聴く者の心に影を作る。場合によっては言葉の暴力にもなるだろう。日本人が日本死ねと思うこと自体悲しいことだが、万が一日本人が言ったものではないとしたら、これまた悲しいことではないか。
 やらせではないかという疑惑もあったのだから、選考対象にすることそのものに問題があったとは言えないだろうか。

 この流行語大賞では、毎年、政治に関わる言葉が一つ二つ選ばれるが、昨年は「アベ政治を許さない」というものもあった。過激な政権批判が選ばれる裏事情にいったい何があるのかと思ったら、昨年の選考委員に鳥越俊太郎氏がいたという。
 生涯学習を理念とする現代用語の基礎知識自由国民社により、1984年から続くこの言葉のイベントを否定するものではないが、子ども及び青少年教育にふさわしい言葉が選ばれる世の中に戻したいものだ。

 このテーマ、フェイスブックでもかなりの書き込みがあり、著名人のものも見られる。政争の具になった忌み汚い言葉がなぜ年間の代表的ユーモアワードに選ばれるのか、そんな思いがかなり共有されているように思う。

No.2827 気質の違いを感じる動向

2016.11.30

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 韓国政府が来年3月から、現行17種類ある歴史教科書の国定化導入を志向しているが、これまで以上に慰安婦と竹島に関する記述が先鋭化されるようだ。
 たとえば、慰安婦関連では「日本政府と日本軍によって強制的に動員された」、竹島については「韓国固有の領土」と記述されるという。

 もともと、韓国は「慰安婦に関する強制性は歴史的事実として間違いのないもの」と主張しており、今回の改定においても韓国の教育相は「日本政府の責任を明確にした」と言ってはばからない。
 韓国国内では政治イデオロギーの観点から北朝鮮への記述についてもかねてから賛否が分かれる実情があり、今回の国定化では北朝鮮との融和的記述も削減されるものの、日本への批判もさらに分量が増加する傾向だとのこと。

 慰安婦問題に対する韓国民の感情は、日本へのライバル心を超えて敵対的精神に近いものがあるが、これを結果的に煽動する形となった日本の政治家の安易な発言とそれを補填した反日マスコミの影響もあって、韓国側の強気な姿勢が見直されることはないことがあらためて理解できる。
 韓国の歴史教育が、今回の国定化によって事実の事実以上のデフォルメと捏造も含めて中高生たちに延々と教え込まれていくことになる。このことが、戦後最も互恵関係を実現し、保持してきた日韓関係の未来にどのような影響をもたらすだろうか。韓国にはそうしたことへの憂いはないように思えてならない。


 朴大統領の弾劾の可能性が高い現状にあって、父親の朴正煕元大統領に対する賞賛迎合記述への批判も高く、過去の大統領の退任後の末路を思うと弾劾が確定した場合、一族郎党にわたって過去を清算する動きが強まることも予測される。国家トップを担った政治家に対する敬意の念など皆無に近い状態になる韓国のお国柄というのは、日本では考えられないことである。
 そもそも今回の大統領周辺で起こった事件があまりにも私的な小さな人間関係の枠でのことであるのも、日本では起こり得ないことであろう。

 強気一辺倒かつ感情の高ぶりを抑制できない民族気質を原点とすることで民主主義の成熟が困難な国情と言えるのではないだろうか。それでも、どこぞの言論統制全体主義覇権国家よりはましか。

 いずれにしても世界に比類なき規範精神による知性と理性で国際協調ならびに友好関係を示す日本なのだが、大戦中の人道人権問題で未来永劫常に後手に回るような感もする。
 歪められた事実を真実にいつかは置き変えなければと思うが、感情論に打ち勝つのは容易いことではない。

No.2826 学級閉鎖

2016.11.24

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 当たって欲しくない予報が当たってしまった。師走入り前に雪を、それも積雪状態で見るとは思わなかった。さっき庭に出て植栽の雪払いをしたが当然のごとく手がかじかんだ。気温は2~3度というのだから昨日までとは打って変わって心底から寒さを感じる。

 雪は、今日の学童登校時にすでに降っていたが子どもたちはいたって元気だ・・・と言いたいところだが、たしかに通学する子どもたちからはいつも以上に勇気づけられたのだが、小学校では今日から一部学級閉鎖が発令されたという。理由はインフルエンザである。いつも見送る中で3人の姿がなかった。

 例年、予防接種は受けずにいたが今年は数倍もの勢いで蔓延しつつあるとのことで先々週早々とクリニックに出かけた。100%の自己安心にはつながらないが小学校の状況を知り他への移染原因にはならないための布石は整えたとの思いがある。
 学級閉鎖自体が例年より早い気がするし、今日は雪になったが本来、本格的冬はこれからだと思うと先は長い。例年の自分が言うのもなんだが1日でも早い予防接種をされることをおススメします。

No.2825 文化財保護法違反

2016.11.24

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 犯罪で最も憎むべきは大きくは戦争、日常では殺人であることに異論はないと思う。ところが、人名に関わる犯罪ではないが個人的に無性に腹立たしく感じる犯罪がある。文化財保護法違反というものである。 

 数日前のことになるが、奈良市興福寺の国宝に何らかの液体らしきものがかけられていたというニュースがあった。防犯カメラに3人の不審者が写っているということだが、どんな思いでこうした行動を起こすにいたるのであろうか。
 国宝にはかり知れない魅力を感じるのは多くの方が共有することではなかろうか。私は国宝に対してまずは尊敬の念を持ち、国宝を求めての旅を計画するのがこの上なく好きである。
 今回、ニュースヘッドを耳にした瞬間、えっ!まさか阿修羅像や天燈鬼像、龍燈鬼像が?と瞬時に思った。それは異様な不安感というべきものであった。それらは無事だったものの他の国宝3点が被害にあった。東金堂の持国天像もその一つだったが、場所が台座への不とどきということで少しの安堵感を感じた。しかし、怒りのレベルはかなり高いものがあった。
 その後、橿原神宮でも同様の被害が見つかったというので、特定の人物によるものかどうか・・・いったいどういった人物が。
 この種の犯罪がその後に与える影響は小さくない。展示形式が変わることなどが考えられる。純粋に国宝が好きで素のまま間近に見入ることがなによりであるのに、ガラスで仕切られたり、遠目になったりというのでは歴史的価値に接する度合いが寂しくなる。

 知名度も訪れる人も興福寺ほどではないが、国宝と重文の多さではひけをとらない寺に新薬師寺がある。伽藍全体はさほどの規模ではないが萩の寺という呼称もあるしっとりとしたわびさびを感じさせる古刹である。
 重文の南門をくぐり、渋さいっぱいの国宝の本堂に入ると国宝薬師如来坐像を円陣隊形で守護する十二神将の大見得を切る姿が居並ぶ。ことに伐折羅(婆娑羅)大将の凄味にはひきつけられるが、1体を除き他のすべてが国宝に指定されており、時を忘れて佇んでしまうほどの迫力で観る側を圧倒する。ところが、手を伸ばせば触れることが出来そうな距離なので今回のような不心得な行為があったとしたらどんなことになるか空恐ろしい。
 もちろん、好みは別にしてことに京都や奈良にはこうした名刹が多いわけで、非道な行為の対象として狙われるのは有り得ることなのかもしれないが、そうした発想が生じることが悲しいことだと強く感じた事件である。

No.2824 難しい外交に安易な批判

2016.11.20

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 安部総理が地球を飛び回っている。日本の真摯な国際協調方針を伝えると同時に、中国の資金力にまかせた対外援助戦略には思考的に覇権という毒があることを間接的に伝えんがため?の各国首脳との親近外交は、まさに安部総理ならではの信念にもとづいた行動と感じている。また、こうした行動に対して相手側も応じている状況は、安部総理がそれなりの信頼感を得ているからにほかならない。
 これに対して、民進党からわけのわからない批判が繰り出される状況に深い憂慮の念を禁じえない。

 同じ日本人かと感じる批判の代表例の2者3例である。
1.「TPP採決は恥の上塗りだ」これは民進党代表の蓮舫発言
2.「トランプとの会談は朝貢外交だ」同党代表代行の安住淳
3.「公務での行動だから会談内容の説明責任はある」これも安住淳

1.については、昨日ペルーで行われたTPP参加12ヵ国会議で、オバマ大統領は批准に向けてできる限りの努力をしたいと語り、他の国々は早期締結を目指すことで合意したという。日本が国会決議をしたという事実は、参加国に対して勇気と信頼をもたらす結果になったことが国際会議の場で証明されたではないか。
 トランプが大統領になったからというだけで、TPPをあきらめたかのような姿勢を見せたら、それこそ、諸外国の目はそれぞれ異なる批判の目を日本に向けていた可能性もある。最も避けるべきは、対米外交に弱腰で、かつ今回のトランプ当選を疑惑で迎えていると思われることではないだろうか。
 蓮舫代表の言う「最初の恥」と「上塗りの恥」は熟慮足らずの批判としか聞こえない。そもそも、何を指しての恥とするのかよくよくわかりにくいのだ。

2.この発言はトランプに対して膝まづき外交だと言いたいのだろが、まだ就任前の一個人の立場で私邸に招いての会談とは言え、世界の首脳で真っ先にトランプが会談に応じたというのは安部外交の真骨頂を示すものではないかと思う。
 そして、この悲しすぎる朝貢外交批判は、かの中国でも同様の批判をしているということを考えると、元代表鳩山由起夫氏ばりの中華思想に冒された民進党の実態を示すものと考えられる。蓮舫代表の国籍問題も未解決の状態で、その本人が恥の上塗り発言をすること自体、逆に恥だらけの民進党と厳しく申し上げておきたい。

3.たしかに総理として赴いている以上公務ではあるが、だからといって、今回の会談を国内外に公にすべきことかどうかは、普通に考えてもありえないことと理解出来る。
 あくまでもトランプ氏は現在私人であり、実態は人事も確定していない状況にあって政策の全体像すら見えていないのだ。アメリカはまだオバマ政権が現実であり安部総理がこの非公式会談の内容をあれこれ明かすことはオバマ政権に後ろ足で砂を欠けることにもなりかねず、それは安部晋三という政治家の信頼問題に関わる。
 また、別の角度からみればマイケル・フリンという次期安全保障担当大統領補佐官に起用されるとみられる人物が同席していた会談だったことを考えると、国家機密に近いものがあったやもしれぬ。いずれにしても説明責任をこの時点で求める稚拙な批判を野党第一党の代表代行がすることは、この政党の政治力が問われるというものである。仮に説明しないことを見据えての国会戦略として総理への攻撃材料にする意図があるとするなら、今そのような戦略が適切かどうかが理解できないオール批判型政党との判断もやむを得ない。

 17日にトランプ、20日にプーチン、来月15日に再びプーチンといった矢継ぎ早の世界トップ2との会談設定は、賞賛に値する。まさに安部総理だからできたことであろう。
 上から目線で、金にまかせた外交戦略ありきで、安部総理への笑顔も欠かす習近平にすると、今後の安部総理への対応を見直さざるを得ない状況になることを期待してしまうほどだ。

 ともあれ、野党の立場として政権あるいは総理個人への批判は相応の場においてはあってしかるべきだが、国益を優先することも大事であって、なんでもかんでも「いーけないんだ、いけないんだ」が如く叫ぶ子どもじみた幼稚さを示すのでは、3年半に及んだ民進党政権の悪夢から国民は覚めることがないことを理解すべきである。
 批判政党から提案型政党への変貌を目指すといったのは、蓮舫代表ではなかったのか。であれば、安部総理の素早い外交戦略を、まずは褒めるくらいのほうが国民目線からは民進党は成長したなと感じてもらえると思うがいかがなものだろうか。

No.2823 トランプ主義

2016.11.16

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 長女イバンカさんの駐日大使というのはまだ噂の段階だと思うがトランプ人事が徐々に示されてきた。

 私がトランプ氏に問題を感じる点で最大のものは人種差別に類する発言が多いことにある。
 トランプ氏の存在を知ったのはかなり前のことだが、その時に彼のイメージはKKK、いわゆるクークラックスクランという白人至上主義を標榜する秘密組織のメンバーかもしれないと感じたことである。
 歴史的に古い活動実態を持つこの団体は、中学生の時にその存在を知ったが、三角頭巾の白装束という不気味な姿をして悪魔の儀式を行う組織で、これはアメリカの秘部なんだろうなあと少年ながらに感じたものだ。
 もちろん、トランプ氏がこのメンバーであるかどうかは定かではなく、あくまでもイメージということでご理解いただきたい。

 最新の報道によると、首席戦略官兼上級顧問への起用が決まったスティーブン・バノン氏は共和党内においても批判の多い保守本流派の人種差別主義者との評判しきりの人物だという。さらには反ユダヤ主義でもあるというから、いったいこの関連でどういったトランプカードが切られることになるのか興味深い。
 この問題は、すなわち白人以外の国々に対する外交問題にも多かれ少なかれ影響を持つと思われる点においてアメリカの国内問題だと決め付けることはできないと考える。
 とくに、アメリカの動向はチベットやウィグル地区で人種差別政策を展開している中国にも影響してくるし、東欧、アフリカといった地域にも関わる。
 アメリカは自由、平等、博愛の世界の守護リーダーであることが常に求められる国でなければならない。トランプ政治の最大の不安はそこにあると私は感じている。

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