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No.2324 毎分30トンのポンプ取水

2013.05.10

 さて、3回続けての書き込みになりますが、惣新田・吉田地区304ヘクタールに関わる水不足問題は、本日午後1時頃、関係各位の合意了解が整い、幸手放水路からの取水が開始されました。

ファイル 264-1.jpg 前日8日の朝から待機していた国交省の大型ポンプ車が、写真のような状態で勢いよく水を吸い出し、用水路に送水し始めました。
 水が足りないからすぐポンプで!といった簡単な論理では水の供給は叶わないということを今回実感できました。というのは、昨年の衆議院選挙のある集会で、地域の長老曰く「日照りの時は必ずと言っていいくらいに水をめぐってもめる。昔から水戦争という言葉があったくらいだ。一昨年の夏も熊谷や行田で水をめぐる喧嘩が原因で救急車が出る騒ぎがあった。でも、この幸手ではそうしたことがない。なぜなら・・・」といった話でした。
ファイル 264-2.jpg この話をひもとけば、江戸川・中川流域の下流域で農業や工業で水利権を持つ団体や組織に無断で通常方式以外での臨時取水をすることは罷りならんという掟があるということです。そこで、それらの了解をとるために中島土地改良区とさいたま県と関東整備局の3者が、今回の取水に関しての覚え書きを交わす必要性が生じたわけです。8日の夜半12時近くまで協議が続けられたそうです。私が確認した覚書原案は赤だらけでした。
 まあ、いろいろありましたが、誰が悪いわけではないし、緊急時にはあの手この手で不足事象対応を「それぞれの持ち場で!」対処することが重要だと感じました。
 ポンプ車の中で夜を徹し、指示待ち状態だった国交省の職員の皆さんも大変でした。お陰さまで毎分30㌧という水量が送り込まれることになりました。ひとまず良かった!