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No.2266 日増しに度を越す偏重報道

2012.11.30

 メディアの行き過ぎた報道は日増しに醜さを増している。
 党首討論をニコ動画で実現しても、タレントによる評価で、どっちが勝ったかはまだしも、MVPは誰?ともなると購読者に何を伝えたいかの意図が見え隠れする。小学館も講談社も集英社も、その週刊誌には子どもに見せたくない意地汚い言葉が並ぶ。
 テレビで政治評論するタレントやキャスターたちも中立ではない。局から語る方向性を示唆されているのだろうか。だいたいテレビそのものが特定のスポンサーに気配りしているのではないかと最近感じる。

 今日の朝日新聞の朝刊には考えさせられた。まさしく私の感覚だと特定の政党を支持しているとしか思えない。いや、まさしくあの多くのページに見られる内容は、金権政治屋復活を望んでいるかのような誘導報道と思えるのだ。
 不思議だ! なぜだ!

 まず一面トップで、「脱原発競争、自民は距離。TPP民主は推進姿勢」この内容で両党を批判。同じ面中段では、「衆院選ツィッターつぶやき原発関連が突出、TPPの3倍」・・・ときた。
 まさに原発を争点にしたいかのようだ。これは間違いなく朝日の社是なのだろう。
 そして天声人語を見ると、「いくつかの政党を卒原発で束ねた嘉田滋賀県知事がびわこ宣言」としてその宣言文を紹介している。その表現は微妙な言い回しをしている。「重い責任を感じることなく、経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」
 どうだろうか? 束ねたという言葉で嘉田さんを持ち上げながら小沢さんの影を薄くし、文中の推進という言葉ひとつでそっくり民自批判の選挙戦略にすり替えている。
 実は、推進という表現で原発を捉えている政党は一つもないはずだ。よほどこの実質小沢新党のイメージ代表の宣言がお気に召したようだ。ここでも民自批判を意図しているのはあきらかだ。共産や社民のように即時廃止を唱える政党もあるにはあるが、この小沢新党でさえ、完全撤廃は10年後としているではないか。撤廃年次目標をいつにするかは違いがあるにしてもソフトランディングの志向に変わりはないのに・・・言葉を異常に歪ませる。

 つぎに2面では、「橋下 恐れた変節」とか「土壇場で公約追加」とかマイナスイメージをアピールし、白抜き文字で脱原発巻き返しという文字を目立たせている。
 さらに16面で、安倍、石原、橋下を再批判し、社会民主主義の進化と深化に期待するという投書の声や、集団的自衛権とは参戦権だとする若者の声も紹介している。驚くばかりだ!
 もっと驚くことに、17面でポピュリズムの正体と題した特集があり、そこではなんと「徹底したポピュリズムこそが民主主義を救う」とある。始めて聞く大学准教授の主張。36歳になるこの准教授曰く「物語によって異なる地平にいる人々をつなぎ、新しい次元を開き、外交でも国政でも拡大再生産にもっていく構築の政治を展開できるポピュリストが現れれば、自分の意思が政治に反映されていないと感じる人々に、政治の信頼と希望を取り戻してもらえるかもしれない」と結ぶ。その前段で安倍、石原、橋下をリーダー否定している。橋下さんに至っては、「批判の政治」とバッサリ。
 選挙争点を、社是とする反原発にフォーカスしたい朝日に対するポピュリズム姿勢批判を、こうまでして言い訳したい特集と推察する。

 読み込んでみても、政治をあえて難しく哲学的な表現で口にしている(屁理屈)だけのように感じられ、それこそわけのわからない理論なのだ。朝日に請われた社会民主主義進化に向けた応援メッセージと理解するのが適切なのかもしれない。
 昨日の朝日ではつぎのような内容もあった。安倍さんの埼玉県内での演説を聴いた元経営者のインタビュー記事「日教組批判を繰り返す。こういうこだわりにセンスの古さを感じるね」という中身で、日教組批判がおかしいと巧みに指摘を入れる。政権与党の中枢幹部に居座るまでになった日教組ゆえ問題指摘しているのであって、それをこだわっているとする意見に怖さを感じる。 
 こうした声を意識して取り上げるところに朝日の主張があるのだろう。

 日本の教育が国益という観点から下がるところまで下がってしまったと感じている人は多いはずで、この行政課題に真剣に立ち向かおうとしている安倍さんには良識派の有識者が多数支援している。教育基本法を改正したまま、改革方針にまで進めなかった安倍さんだが、経済政策も含めて口にしていることは、日本を取り戻すという表現にふさわしいリーダー像だと思う。

 メディアに負けずに立ち向かう安倍さんに美しい政治が見える。有権者の眼力を信じたい!

No.2265 一粒の麦に命みなぎる

2012.11.30

 掲題の言葉は、一昨日、昨日と幸手市内で開催した私の県政報告の場で、三ツ林ひろみ第14選挙区自民党候補予定者が発言されたものです。彼のお父上である故三ツ林弥太郎元科学技術庁長官がよく口にされていた言葉だそうで、政治にかける信念と郷土愛が、こうして後世に残る名言を子息に伝えていたのです。麦を米に置き換えると現代風に理解しやすいでしょうか。

 政治家である父の薫陶をしっかり記憶、知識にとどめているひろみ氏も立派ですが、こういう事実を知ると、野田首相が盛んに自民党との違いを世襲議員が多い少ないで選挙戦をイメージ付けたいようですが、世襲議員そのものを否定することがいかに無意味なことか・・・。
 要するに、人格、人柄、さらには国政の場で充分活かしてもらいたい経験と識見などが選択の基準のはずです。そうならずに、マスコミの影響などもあって、ブームや風に流される最近の選挙風潮が、日本の政治を低下させ、ひいては国質を劣化(国益損失)させているのだと思います。

 ちなみに弥太郎翁は、当該選挙区において「水の神様」と今も評されている方で、地域農業のために一般的には目にすることのないパイプライン敷設のために250億円ほどの国家予算を当地にもたらしたそうです。昭和50年前後のことだそうです。今に換算すると1,000億円程度の価値になるかと思います。
 今年は農業従事者にとっては大干ばつと言ってもよい年だったそうで、幸手より上流域にあるにもかかわらず、熊谷地域では水をめぐってパトカーが出動する大騒動になったそうです。昔からよく言われる「水喧嘩」というものだそうで、これが今年、各地で発生したそうです。ところが、幸手以下下流域ではそうした事件がおきなかった。これは前述の弥太郎翁の大功績であると同時に、国道16号下の首都圏外郭放水路が完成後、大雨による洪水被害から住民生活を守っている現実は、2400億円もの巨額を投じてまで、この事業を推進に心血を注いだ翁の功績である。この話は、昨日の集会で御年80を越える農家の方が語ったことです。
 臨床医30年の経験自体、今後の高齢化日本にあって、官僚との協議の上で求められる政治家の資質として期待大きく、さらには親の薫陶をしっかり理解している候補者が、ただただ世襲という観点から判断される選挙であってはならない。このように私は確信した次第です。

 どこぞの党のように、選挙戦で合流政党を名乗り、当選したら元の党に復党するとはいったいなんなのか! わけわからない身勝手な選挙互助会政党がまかり通り、選挙のために渡り歩く候補者が当選するとしたら、それは有権者の国を思う真剣味が足りないからかもしれません。