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No.2265 一粒の麦に命みなぎる

2012.11.30

 掲題の言葉は、一昨日、昨日と幸手市内で開催した私の県政報告の場で、三ツ林ひろみ第14選挙区自民党候補予定者が発言されたものです。彼のお父上である故三ツ林弥太郎元科学技術庁長官がよく口にされていた言葉だそうで、政治にかける信念と郷土愛が、こうして後世に残る名言を子息に伝えていたのです。麦を米に置き換えると現代風に理解しやすいでしょうか。

 政治家である父の薫陶をしっかり記憶、知識にとどめているひろみ氏も立派ですが、こういう事実を知ると、野田首相が盛んに自民党との違いを世襲議員が多い少ないで選挙戦をイメージ付けたいようですが、世襲議員そのものを否定することがいかに無意味なことか・・・。
 要するに、人格、人柄、さらには国政の場で充分活かしてもらいたい経験と識見などが選択の基準のはずです。そうならずに、マスコミの影響などもあって、ブームや風に流される最近の選挙風潮が、日本の政治を低下させ、ひいては国質を劣化(国益損失)させているのだと思います。

 ちなみに弥太郎翁は、当該選挙区において「水の神様」と今も評されている方で、地域農業のために一般的には目にすることのないパイプライン敷設のために250億円ほどの国家予算を当地にもたらしたそうです。昭和50年前後のことだそうです。今に換算すると1,000億円程度の価値になるかと思います。
 今年は農業従事者にとっては大干ばつと言ってもよい年だったそうで、幸手より上流域にあるにもかかわらず、熊谷地域では水をめぐってパトカーが出動する大騒動になったそうです。昔からよく言われる「水喧嘩」というものだそうで、これが今年、各地で発生したそうです。ところが、幸手以下下流域ではそうした事件がおきなかった。これは前述の弥太郎翁の大功績であると同時に、国道16号下の首都圏外郭放水路が完成後、大雨による洪水被害から住民生活を守っている現実は、2400億円もの巨額を投じてまで、この事業を推進に心血を注いだ翁の功績である。この話は、昨日の集会で御年80を越える農家の方が語ったことです。
 臨床医30年の経験自体、今後の高齢化日本にあって、官僚との協議の上で求められる政治家の資質として期待大きく、さらには親の薫陶をしっかり理解している候補者が、ただただ世襲という観点から判断される選挙であってはならない。このように私は確信した次第です。

 どこぞの党のように、選挙戦で合流政党を名乗り、当選したら元の党に復党するとはいったいなんなのか! わけわからない身勝手な選挙互助会政党がまかり通り、選挙のために渡り歩く候補者が当選するとしたら、それは有権者の国を思う真剣味が足りないからかもしれません。