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No.2894 真の「選良」を見抜くには

2017.06.24

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 豊田真由子衆議院議員の行状には誰もが驚いたことだろう。私も現職時代に何度か行き合い言葉を交わすこともあったが今回のようなイメ-ジはまったくなかった。新人らしい腰の低さと明るい笑顔、若さを強調するハキハキした口調など、さすが公募に応募してくるだけあるなと感じたものだ。聞けば、東大卒で厚労省官僚のキャリアということだから女性の国会議員として活躍する素材に申し分ないと感じた。
 ところが、まったく別の人格者というのは秘書が録音していた内容から理解するところとなった。これはなんたることか! 声も知る声とは異なり、怖いほど性格異常とも思える発言が延々と続くではないか。まるで女性版ジキルとハイド、もしくは白雪姫に登場する魔女のようでもある。鏡に映る自分に本人は違ったものを感じなかったのだろうか。
 テレビでは反自民格好の材料に近い形で取り上げられているが、私は瞬間アルコールの勢いがそうさせたのかとも感じたが、いやいやアルコールが入っていようがいまいがこれは一個の人間を映すものとしては最悪な出来事としか言いようがない。

 国民が選ぶ立派な人=「選良」という言葉があるが、最近の国会議員にはそうでない人がたびたび現れる。いわゆる選良を選ぶのは我々有権者なのだが、だれであろうとここまでの人格二面性を見抜くのは至難の技だ。総務人事担当として20年の経験のある私でも初めて会った面接者のすべてを理解するのは困難だった。入社後、しばらくすると会社方針に背き、同僚も近寄りがたい人物に変身するパターンに採用責任を感じることもあった。数としてはわずかであったがいまでも印象に残っている。
 選良と真逆の人物が国会議員になることは有権者の不幸だが、今回の事件を知り一瞬ご主人と二人のお子さんのことが心配になった。家族に対するものも今後尋常ではないと察するが、ご主人も見抜けなかったのは間違いないことであろう。
 人の奥底に秘めるものは量り知れないものがあるが、とくに選挙というハードルを乗り越えて得る職業でこうした問題が起こるのは困ったものである。
 
 告示された都議選では東京都に関する選挙とは感じられない批判中傷の国政選挙化している。豊田議員のような例は確かに衝撃的ではあるが、あくまでも個人の人格の問題である。ここでは個人名は控えるが自民党に限らず良からぬ人間性を披露した国会議員はどの政党にも存在した。今回の出来事を受けて我々有権者がなすべきことは、難しいことだが候補者の人格、人柄、人間性にかかわるものを見抜き1票に託すことでしかない。残念ながらそれに見合う候補者が選挙区内でいないと感じたならば、棄権するのではなく投票所に出向き白票を投じることが有権者の権利と義務の示し方として残っている。
 マスコミの印象操作に心を踊らされることも、政権批判につなげる野党のあり方に惑わされることがあってはならない。私は主権者教育に最も必要なことはこの部分だと確信している。そうでなければ真の選良など選べるわけがないではないか。

No.2884 小池知事と蓮舫代表の問題点

2017.05.26

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 梅雨入りしたかのように思える空模様だが、傘を開くことが多くなる季節はなにかと億劫なものだ。濡れた傘を手にしてラッシュアワーに揉まれるのは気が滅入る。そう言えば、小池都知事が訴えているラッシュアワーの解消作戦は本当に可能なのだろうか。今後、若年労働層が減少する方向にあるのは現実のこととしても、働き方改革の一環としてのラッシュアワー解消対策は東京都だけの問題ではなく神奈川、埼玉、千葉に茨城を加えた隣県も大いに関係する問題である。フレックス&コアタイムといったシステムは私が勤めていた会社でも1995年頃から採用していたが、社外勤務制度など他の施策を組み合わせるなどしてもそう簡単にはラッシュ解消までいかないはずだ。
 さて小池都知事もいろいろと問題を投げかけるという意味で問題意識の高い方ではある。しかし、解決策を打ち出さないのか見い出せないのか、五輪問題では隣県知事にもさしたる相談をすることなく、市場問題では市場関係者の不満が募るばかりで混乱のステージが続いている。さしずめ「ふったけ屋」といったところなのだが、安倍自民チェックに熱を上げるマスコミの支えによって支持率は微減にとどまっている。
 電柱の地中化とかラッシュ解消といったテーマはキャンペーン感覚で成し遂げられるほど簡単ではなく、口にして夢を与えるだけで終わらないように具体的に対応してもらいたいものだ。彼女の過去の合流離散の政治行動は独善に過ぎる面もあるようで、周囲との関係がギクシャクする特性は否めない。都政を変えるという信念の道を狭めないように願ってやまない。

 今朝、ネットニュースを見て驚く以上にさもありなんと感じることがあった。民進党蓮舫代表が、あらためて日本国籍を証明する戸籍謄本の開示を拒否したという。驚きの時間がさして続かなかったのは、今更開示したら、何故今までしなかったのか?という根本的な疑惑を再燃させるだけだからだ。しかし、一国の第一野党の代表として公人中の公人という立場からすれば、公職選挙法という法律違反まで視野に入る状況にあって、寡黙を貫く姿勢で有権者の理解は得ることは難しい。
 以前は一般社会でも何かというと戸籍証明を求められたものだが、いつの頃からか、人権問題等で謄本・抄本の提出義務が無くなった。ここのところの詳細は記憶が定かでないが、確かに当時はちょくちょく戸籍証明をもらいに役所に出向いたものだ。しかし、国をリードする政治家が日本人であるかどうかは最低限の資格である。それが不明というのでは支援不支援にかかわらず今後に問題を残すという理解が当然だろうと思うのだがいかがなものだろうか。
 蓮舫氏は自分だけの問題として捉えず、未来思考に立って自らの国籍をあきらかにするべきなのだ。この話題での自らの説明が二転三転し、世の中全体をケムに巻いたままでいるのは許されない。

No.2880 計算高い小池知事

2017.05.11

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 小池都知事の発言が迷走している。2日前に隣県3知事がしびれを切らして五輪開催費用の割り振り、とくに東京がどこまでの費用負担をするのかを確認するため都庁を訪問した。その際、小池知事曰く「今月末までに決定する」だった。隣県知事は遅いとの不満の声を隠さなかった。
 小池知事との会談後に小池知事との会談内容の報告及び五輪関連の陳情も含めて3知事は首相官邸を訪れた。これはおそらく、いきなりアポなしで訪問できるはずはないことから忙しい知事が3人揃う日に合わせた計画的な訪問設定をしていたものと思う。つまり、アポがあってのことであろう。そこでは前向きな報告が出来るものと考えていたが、前述の小池知事の発言のとおり、3知事がなんの成果も得ることができない会談だった関係で、総理への報告も小池知事への不満が出たのは大いに推測出来るところ。
 安倍総理は丸川五輪担当相に調整役として具体的に動く指示を出した。

 ここからはマスコミが伝える内容は各社に微妙な違いがある。たとえばテレビ朝日報道ステーションが伝えるには、小池知事は怒っている。総理の五輪関連発言が最近目立つ。共謀罪でも五輪の安全実施にかこつけている。五輪を政治利用しているのはまずい。といった例の風潮である。さすが10chといった報道内容である。
 しかし、どう考えても2日前に応えられなかったことが官邸に出向いて安倍総理には伝えることが出来ているというのはどこか不自然だ。とりあえず早く決めてもらったことへの感謝の弁を3知事は口にしているが、内心はなぜ一昨日言ってくれなかったのだろうかという怒りに近い疑問は残ったはずである。
 ここからは私の推測だが、小池知事は丸川担当相との交渉で事を進めて行かねばならない状況にになりそうだったことへの拒否感が強かったのではないかと感じている。丸川大臣とは器がちがうというプライドがよぎり、急遽首相との会談の場を設ける必要性を感じたのではないかと。
 しかし、それでも問題は残る。
■なぜ2日前に言えなかったのか。今日、官邸訪問後のインタビューでは、精査項目が細かく、金額が大きいことを理由にしていた。それがたった2日で500億円という金額がはじき出されたということになる。しかも東京以外の五輪開催7県ごとに振分けられている。2日ではたして出来る作業だろうか。3知事もずいぶん馬鹿にされたものである。
 こう考えると、関係のない共謀罪まで持ち出して安倍批判に傾倒するテレビ朝日の伝える内容が私にはよくわからない。
 今日の金額500億円は仮設施設費であり、運営費がまだある。これにはセキュリティー費用、ドーピング費用なども含まれるがどういう結論になるのか興味深い。

No.2869 自分ファースト

2017.04.04

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ファイル 775-1.png 本題に入る前に、前号でお知らせしたコンサートですが多くの方にお集まりいただき未知の音色を堪能していただきました。写真のような打弦楽器です。以後お見知りおきのほど願います。

 さて、東京都の市場移転問題が百条委員会に持ち込まれたのはいいとして、そこでは豊洲移転への是非が問われることはなく、いつの間にか責任追求問題に赴きが置かれている状況に違和感を覚えている。豊洲移転については、安全性の問題で判断ができない事態に至っているというより、小池知事のポピュリズム政治姿勢による都議選を睨んでの問題長期化という様相を施していると強く感じる。
 まず、豊洲以外の候補地が考えられるのか否か、そんな地が東京湾の東京都圏内にあるのか否や・・・これがまったく議論の対象にすらなっていないということはあるはずがないということになる。
 ならば、最終判断は現状維持か豊洲移転かの二者択一しかない。

 さてそこで・・・築地市場では海水を利用する限界が指摘された。濾過施設の問題等々により市場施設を洗い流したりするのが難しいという話である。また複数のネズミが徘徊している光景は珍しくないという。小池都知事自身、視察の際にネズミを見たという。施設内は満足に清掃するには上水道をふんだんに利用することになるが業者にとってはコスト面に問題があり、害獣は動き回るでは世界の築地が笑われる? これでも世界よりはましかもしれないという意見もあるやもしれぬが。さりとて科学的排除は市場の特性上簡単なことではない。
 かたや、豊洲の問題はベンゼン、シアンなどによる地下水汚染の問題である。しかし、施設内の水道水から検出されたということではない。そしてこの地下水は飲用や清掃に使われるわけではない。テレビで見る限り、施設そのものは近代的な素晴らしい施設である。しかしながら豊洲移転へのハードルは著しく高くなってしまった。豊洲のイメージが下がるところまで下がっってしまった結果に対する小池都知事の責任は大きなものがあるだろう。いわゆる「ふったけておいてあとは人任せ」のマッチポンプだったと言わざるを得ない。こういう人格者は少なくないが・・・。
 最終結論への落としどころが難しいのはわかるが、どこぞの時点で判断を強いなければならない状況にあることは間違いない。しかし、小池知事は何を思うのかまたもや市場のあり方戦略本部なる組織を立ち上げた。これは自らの判断の先延ばしとしか理解できない。

 都議選を意識するがあまり、都民感情と市場関係者の不安に配慮するのはわかるが、予定通りに移転出来なかった市場関係者には90億円という補償費を計上した。都民の税金の無駄遣いはできないと事あるごとに口にするわりには、自らの判断力不足で税金を使う結果になっているのである。議員にすれば否決しにくい状況での追加予算によって市場関係者の不満はトーンダウンし、マスコミもあまり取り上げなくなった。税金を法的に問題ない形で選挙利用したと言えなくもないのだが、こうして税金が使われたことにスポットが当たらないどころか小池知事の評価上昇につながっている。マスコミは概ね小池支援体制と理解すべき事象であった。
 あとは小池知事の「都民の安心安全が第一ですから」という言葉だが、判断先延ばしで他者判断に委ねる最高権限者としての責任感欠如であり、ずるい人間性を指摘せざるを得ない。
 どこぞの組織の回し者のような都民が豊洲反対を叫んでいるが、最近の調査では55%の都民は豊洲移転を納得しているのだ。実際に安全対策問題に関わる中西委員長は豊洲移転に問題はないとしている。それでも小池知事は判断をしない状態である。小池知事に言いたいのはこの市場の安心安全問題は必ずしも都民だけの問題ではないということである。都民だけがこの台所の恩恵に預かっているわけではない。さらには、当初指摘されていた築地空け渡し豊洲移転はその後のオリンピック道路の建設に影響するという話もほとんど聞かれなくなった。

 私は取り扱い品がネズミに触れる可能性のある現状よりは豊洲に早く移転してほしいと思う。小池知事による政治利用にはもう沢山である。ところがここに来て民進党でまたまた離党者が続出。こうした節操のない政治家が都政を担う都議になろうとしていることに都民はどう感じているのだろうか。
 上昇思考の強い野心家として似たようなタイプの野田聖子氏との関係も表面化している。本気で安倍総理の後を思考しているとしたらおこがましい限り。二人共変節の道を極めた代表的な政治家であるということをよもや忘れはしない。しからば都民ファーストではない自分ファーストの寄り集まりが小池党ということになりはしないか。

No.2861 石原慎太郎vs小池百合子

2017.03.03

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 今日の石原元都知事の記者会見は東京都のことではあるが、国民の多くが注目したことであろう。ラジオでは表情が見えないのでその分印象は間引きしないとならないが音声だけでの印象は、いつもの憤怒に走る対応は影を潜めていたように感じた。とくに石原氏の説明を罵るかのような過激な発言をした記者もいたが、それとなくやり過ごす石原さんに通常とは異なる雰囲気で臨んでいたことは理解できた。
 ただ、小池知事の話になると責任論まで発する厳しい対応に終始し、これから百条委員会が待ち受けている身をどのように受け止めているのだろうかと感じた次第。

 たしかに、築地と豊洲の問題はことが複雑過ぎて結末が見えない混沌状態になったことは否めない。諸々の事象に社会の過敏性が度を超しているように感じる時があるが、まさに土壌汚染の問題に移転問題が前に進まなくなったことは事実である。
 そして、今では築地現市場の汚染問題までが報じられるところとなった。数十年も経って今更な感がするが、マスコミ報道につられるかのように庶民感覚もナイーブさを増す傾向にある。
 考えてみれば、日本中どこの魚河岸でも古びたコンクリート敷の広場にセリに上がる魚が敷き詰められる。大型魚などでは直接置かれている光景は当たり前のことだ。それらを刺身などの生食で舌鼓みを打つのが最高かつ高額というのが世界に冠たる日本文化ではないか。水でもそれこそもったいないと感じるほどジャージャー流しまくるイメージがある。
 それでも、そこからの流通過程で事件が起きたということはあまり聞かない。市場が営業停止になったという話も耳にしない。食中毒というのは限りなく最終小売段階での管理不足が原因の場合が多いのだ。

 今、マスコミは小池知事に好意的だ。逆に石原さんには今日の記者会見でも記者の目は冷たく厳しい。小池さんは都議団自民党に真っ向から戦いを挑んでいるとの評価なのだろう。なにしろ自民党嫌いのマスコミが多いのは間違いないのだからやむを得ない。たしかに議会を我が物顔に考えているドンの引退も小池さんが引導を渡した形だから都民に受け入れられるのはわかる。
 しかしどうだろうか。今の小池さんは近未来の総理などともてはやされてしてやったりと思っているかどうかはわからないが、夏の都議選に向けて都民ファーストが過半数を獲得することに躍起となっている感がある。市場問題は移転延期補償費や豊洲施設の安売り話などで都財政に与える影響は小さくない。小池さんが最終決着をどう導こうとしているのかが見えてこない。
 今のままでは単なるマッチポンプでしかない。石原さんが豊洲移転は問題ないと発言していることを専門家に対して諮問することがあってもよいのではなだろうか。もっとも、それにはあまりにも過敏すぎる世の中と対峙することになり、小池さんの評価が下落する可能性もある。

 百条委員会でも同じようなことを言わざるを得ないと石原さんは言うが、定例議会をまたいで開かれる百条委は場合によっては10回以上の開催も考えられる。いつかどこかで石原さんの体調不良による入院が有り得るかもしれない。
 小池さんは、都議選で過半数を万が一獲得したとしてもそれですべて良しではない。なぜなら、都民ファーストとは言うものの自民、民進などの脱退組や政治素人による小池顔頼みのポピュリズム選挙戦の候補者たちは、結局のところ都民どころか自分ファーストなのだから。
 そうした形で得た過半数では、いずれ化けの皮が剥がれるのも時間の問題かもしれないのだ。小池さんの政治経歴がそうした予測をついつい思わせる点が多いのも符号が合う。

 石原さんの記者会見に対する小池さんの反応は「石原さんらしくないという印象です」というものだが、石原さんに責任論をふられたことへの皮肉たっぷりの感想とも受け取れる。この人、言葉ではかなり長けた方である。
 さて、それぞれどういう決着が待っているやら・・・と思ったところで、なにやら猪瀬さんや舛添さんが小さく見えてきた。

No.2854 石原元知事に参考人招致

2017.02.07

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 東京都議会豊洲問題特別委員会は、いよいよ石原元知事を参考人として招致することとした。合わせて浜渦元副知事もだ。

 実は、今号のちょうど10号前になる№2844で小池知事はジャンヌダルクかというタイトルのブログを書いた。先月16日のことである。
 小池知事が築地市場を早朝訪問し、移転の前倒し計画をプレゼンした翌日、環境基準の79倍のベンゼンが検出され、移転どころか豊洲が使用不可能に陥ったと判断して書いたブログである。

 そこでは石原元知事への対応として参考人招致の可能性にふれたがその通りの展開になってきた。とうとう来るところまで来たという思いだが、都議会が百戦錬磨の石原氏に対してどこまで追求出来るかは不明だ。
 複雑な裏事情があったと思うが、それをどこまで紐解けるか。土地と金にまつわる何らかの不正があった可能性は考えられるし、その確率はかなり高いのではないかと推測している。東京ガスの経営陣には招致案内が今のところないようだが、いずれはそちらも対象になるやもしれぬ。

 議会が主体のことゆえ小池知事は第三者的立場で口を挟めるものではないが、彼女のあり方としてインタビューされれば、それなりの対応はすることだろう。
 まずは議会のドンを引退に追い込んだ小池さんだが、石原ドンにはどのように対応していくのだろうか。都議選を控えお手並み拝見といったところか。

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