幸手市の下水道整備の最終地点である香日向では汚水処理場の耐久性が不安視され、ここ10年程前から住民の早期整備への期待は高まっています。数カ月前にも2丁目の一部地域のマンホールから汚水が噴き出る不備があったことから、私自身も常に注意を払うというか気がかりな対象となっています。その時は市環境課の迅速な対応により大きな騒動には発展せずに済みましたが、汚水処理という機能を持つ建屋として40年になろうかという施設の老朽化は否めません。
幸手市の下水道については、都市計画区域に指定されているのが557㌶で、そのうち約397㌶が既利用区域となっており、整備進捗率は本年4月1日で68.9%となっています。幸手市は中川流域下水道整備区域内の最北部にあり、その最北部が香日向です。流域整備のシステムをわかりやすく言いますと、久喜市や加須市は古利根川流域下水道ということで、そもそも歴史や流域整備負担率などからしてまったく事情が異なっています。
さて、最近の整備状況として、ミニストップからコミセン付近あたりに、立坑の大きな蓋が道路上に目立つようになりました。そのせいか、いよいよですねとの声が多々聞こえる現状ですが、この整備期間は令和10年度内に工事を終了し11年度から供用開始というスケジュールに変更はありません。
今後は駐在所交差点を左折し、南面道路を右折して汚水処理場まで向かい接続されることになっています。ゆえにまだ3年以上かかるというのには、それだけの理由があるということです。 添付した簡易な図をご確認ください。下水道管は路面からほぼ6m前後下部に敷設されます。土質調査の兼ね合いでその上下位置が決定されるということで、さらに管の周囲では含有物質や水質といった観点からの検査がなされます。ですから、工事は思うほど短時間で進んでいくものではないのです。工事自体、各地で発生している事故をふまえて慎重に時間をかけて進められるということも考えられることです。
なお、当地で敷設される下水管は口径300ミリです。八潮市で発生した下水道事故は中川流域下水道中央幹線で流域人口120万人に影響をもつ管径4.75mという巨大なものでしたが、5万人の幸手市下水道が集約される杉戸町近くの本管は1.5mというものですので、その規模の違いがわかるというものです。
ともあれ、下水道整備が香日向に近づいている光景が目に映るようになってきたことで、住民の期待は高まっているということでしょうか。