今号のコラムは「政治は生きている」なのだが、現実の国政は「死んでいる状態」に近い。なぜか? そこに言及するメディアはほとんどなく、最近は石破さんがまるで素晴らしい功績をあげた総理だったかのような風潮を感じる。
今日の共同記者会見では、小泉候補が内政も外交も石破さんが立派な成果を上げ、トランプとの関税交渉にも1%も下げることなく頑張ったと・・・えーほんとかいな!と感じたのは私だけだろうか。前にも書いたが、80兆円という巨額の対米投資を約束しての外交結果だったことには全く触れずにただただ褒め上げる。一部党員票、そして議員票を見込んでの発言と見受けた。林候補と小泉候補が谷垣元総裁の言動を持ち出したのも谷垣さんと気脈を通じる議員票を意識してのことではなかったか。もはやこの時点で自民党は変革しない!と私は思う。
小泉さんに問いたい・・・なぜビッグ選挙に3連敗したのか? 政治とカネに原因を押し付けたがる石破政権の中心議員たちの意向は見え見えだが、保守精神を置き去りにした石破政権のリベラル化について反省する言葉は聞こえてこない。参政党になぜあれだけの票が流れたのか。巷の主婦の声からは石破評をよく言う声はまず耳にしない。
結論から言うと、2度にわたる立候補会見で安全保障環境のリスク増大に関連した保守思想の発言を心底から口にしたのは高市早苗候補ただ一人だった。出だしの言葉「日本を今一度洗濯する。夜明けは近い」と発言した経緯は、まさに令和の龍馬を感じさせてくれた。心強い国策の大方針ではないか。
また、財政より経済と言った小林、小泉候補は、財務省の言いなりになる感じを受けたが果たしてどうだろうか。経済を回すには、今の日本においては財政出動が必定であり、赤字国債の発行もしばらくは欠かせないという考えの高市さんの方が経済輪廻の観点からは正しいのではないだろうか。
2030年に年収を100万円アップさせるという小泉さんからはその具体策らしきものは発せられなかった。9月20日には新米価格が5月の4,285円にせまる4,275円となっている。その間、小泉さんが農水大臣になって備蓄米放出があったが、考えてみれば消費者は昨年の新米も今年の新米も安い価格で買うことは出来なかったということになる。生産農家と消費者の双方の立場を勘案し、慎重に施策を実行するべきところを、備蓄米放出手段を刹那的に打ち出したに過ぎなかった、わずか3カ月余りの米価下落騒動だったのだ。まだまだ足りない部分を補って50歳を目途に日本の総理を目指してもいいと感じる小泉さん。たとえ、今総裁になったとしても石破さんが後ろに控える院政という実体は現実的ではない。
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No.3857 総裁選序盤で感じること
2025.09.23