掲題のワードは、昨日の自民党総裁選で小泉進次郎氏が改革対象として掲げた政策です。これには河野候補も同様の考え方を述べていました。はたしてこれをどう思うかについては当然議論の分かれるところだと思いますが、私はここまでの改革が今必要とは感じません。いささか企業側に立ちすぎているように思えるのです。
最近聞かれなくなりましたが、戦後日本の高度成長を支えた要因として語られ続けてきたことに「三種の神器」というものがあります。そのうちの二種である年功序列と労働組合は経済成長がバブルに向かう過程で消滅または無力化しています。そして残された一種が終身雇用制度です。しかし、これもバブル崩壊を契機に早期退職優遇制度から整理解雇といった経営側論理が押し出されることで、その形を変えてきたというのが事実でしょう。つまり、今においては、完全終身雇用制度すら形骸化しつつあるのですが、まだ企業単体別に違いがあるというのも事実です。法律で守られている部分もあります。
この神器とも言われた3制度は、労働者側の立場から言えば、安心して働けるという労働安定剤的性質のもので、これが日本人特有の勤勉性に拍車をかけることになり、世界が驚く高度成長につながったのです。しかし、可処分所得の伸び率が鈍化し、日本の経済そのものが遅滞する期間が長期化したことで、残された終身雇用をも消滅させる可能性の高い解雇規制緩和論が出てきたものと思いますが、企業と労働者間の信頼関係を消失させるのが関の山だと思います。
これが定着すれば、勝ち組負け組が今でも問われる資本主義制度にあって、さらに進みかねないリスクが多いはずです。人はもって生まれて、運、能力、生い立ちに差があり、そして30歳も過ぎれば健康にまで差が生じてきます。
金銭的話し合いで合意できればといっても、常に企業側が強い立場にあるのは事実でしょうから、法規制で解雇緩和をするのは問題多しです。そういう点から、解雇の自由化につながる話は、時期尚早であり、日本的ではないと確信します。まずは、企業経営としての改革努力を積み上げることが必要ではないでしょうか。ただ、少年期、青年期、若者といった世代から日本人気質も年々性質を変えてきているのも事実ですので、終身雇用制度が無くなる日が来ることも有るやもしれませんね。
この小泉候補の発想には他にも驚くことがあります。年金支給年齢を80歳にしてもいいのではないかというものです。40前半の年齢で、かつ年金に頼らなくとも生涯安定と思われる小泉さんでしょうが、国のトップとして高度成長の功労者である高齢者への想いが軽すぎるのはいかがなものでしょうか。
記事一覧
No.3730 解雇規制緩和
No.3720 議会をはじめとして
ブログ再開したものの、このところ過去に経験の無いほどの咳に悩まされており、集中力に欠ける状況が続いています。一度治りかけたんですが、ぶり返しがひどくて就寝中にいきなりゴボゴボとくるのはけっこうきついです。処方箋の効果も持続性が短くなっている気がして。知り合いにも同じような症状の方が数人います。くれぐれも健康に留意ください。
先週新聞折込された我が議会の本田謡子副議長のチラシが、私への批判と自らが最も常識であるかのようなことを書いているということで、いくつかご意見をいただいてます。結論から言えば、副議長が公然と議長を批判するようでは、まずそこが問題だということになるのでしょうね。第三者的表現も多く、副議長として議会正常化のために何をしたのかを市民に知らしめる中身に乏しいのは確かです。思いを書くにしても事実に基づかなければいけません。読みやすさを意識して文字数を少なくしたため、自らに都合のいい切り抜き報告にしてしまったというのが実情と思われます。
自分が小さい人間と思われるのも何なので、かまわずにおこうかと思いましたが、確かに事実と異なる表記表現が散見される内容ですので、読まれた方に事実誤認を植え付けたままではまずいですね。そうしたご意見を受けて、それなりの対応を思案中です。確認不足も文字にしてしまうと虚偽ということになりますから、発行者としての責任は重大です。議長・副議長のコンビですので、波風を立てないようにしてきたつもりですが、少々一方的すぎるかなというのが実感です。
議会という世界は、全体・全員が一つにまとまっているということはあり得ない世界ですから、事実を伝えればそれが面白くないと思う議員も必ずいます。私などは重要案件の事あるごとに、常にそう思われてきた議員かもしれません。
そもそも議会は過半数の論理に基づきますから、たとえ正しい政策論に則っていたにせよ正義正論が少数側だと、それが追いやられる場面はよくあります。勝てば官軍でそれが正義正論だとする風潮もありますが、必ずしも勝利側が正義正論だとは私は思いません。過半数ばかりを追い求めると、いつのまにか信念からはずれ、理論武装が難しくなるため論争を避けたり、いつやら賛否に整合性を失っていることもあったりするのです。それがわかる議員とわからないもしくは自己利益のためにはわからないフリをする議員。問題は本当に街の為になっているのかどうかではないでしょうか。これは幸手市議会だけにあてはめているわけではありません。コンプライアンスの定義が時の流れで変化している状況もあって、今や全国の自治体が荒れに荒れています。兵庫県はご承知の通り、岡山県浅口市、福岡県宮若市、新潟県上越市、そして、あの石丸伸二さんが議会YouTubeの火付け役となったのかどうか広島県安芸高田市などなど。お時間ありましたらたまに、こうした議会をYouTubeで覗いてみてください。議会がとてもユニークかつ伏魔殿的要素のある世界だと感じられるかもしれません。
No.3708 GW無縁週間
昨日、夜7時半頃だったでしょうか。近隣交叉点にあるガソリンスタンドの前を通ると、洗車機に並ぶ車が店の敷地から道路にまで10数台が待機状態。GWに出かけるために車を綺麗にしたい思いからだとすぐに察しましたが、それと同時に遠出はしない方がいいと感じた次第です。案の定、ニュースでは早くも各高速道の下りがのんびり通行になっている現状を伝えていました。
もう20年以上前のことになりますが、テニス仲間と那須に泊りで出かけた際、東北道で異常な渋滞に見舞われた思い出があります。3年前、二人で伊香保に出かけた時もそんな状況でしたが、あの時の那須の記憶ほどではありませんでした。先を急ぐより、寄るべきところはしっかり寄って、のんびり割り切って目的地を目指した方が精神的に良いというのがその時の感想です。
我が家はと見れば、選挙中に庭木や事務所にしていたガレージの葡萄が成長を早めて、そのままにしておけない事態となっています。家族二人で役割は通年決まっているので、それに基づいて昨日は作業スタイルで、まずは葡萄の枝処理と最初の摘果処理を。その後キンモクセイとモチ、ナンテンなどをバサットと剪定。切ったは切ったで後処理から袋入れ作業と大わらわの一日となった次第です。それでも半分に満たないので、今度はいつにしようかと思いつつ、連チャンでの作業も厳しいなあと話しているところです。農家の方からすれば「何甘いこと言ってんだ!」と言われそうですが、キャタツに乗っての慣れない作業は結構しんどいものがあります。
そんなわけで、今年の我が家はGW無塩、いや無縁といったところですが、どこぞ近場の公園でのんびり芝生に寝転ぶくらい出来ればいいなあと思います。 選挙の後処理もまだ終わってはいないところでのGW突入。気もそぞろといったところですが、さてさて・・・。
No.3707 ネクタイとトマトジュース
選挙後1週間が経ちました。あまりにも時が超特急で過ぎ去るので、本来は計画的に予定を組んでいればいいのでしょうが、考えているうちに何も手がつかずといった情けない現況です。
さて、今日からノーネクタイ公務が許されますが、役所では昨年から一年を通して仕事のしやすい普段着でネクタイはしなくともよいことになっています。とはいえ、議会の際は皆ネクタイ背広です。そこである時、なぜ皆変更した身なりにしないのかと尋ねたところ、「議員さん方が正装だとそれに合わせないとまずいかなと」という答えでした。私は議会も一年中ネクタイ解放でいいのではないかと思っています。公務的とは思えないTシャツやジーンズはいかがなものかとは思いますが、来庁者が好感を持てる私服はオーケーかなと。ただ、仕事とプライベートのケジメをどこでつけるかを個々の価値観に委ねると、理解の幅に極端な差が出るのも世の倣いです。やはり必要なのは大人の常識でしょうかね。
ネクタイと何の脈絡もないトマトジュースですが、実はなくもないのです。というのは、私は選挙となるとトマトと同じ赤い色を好んでします。私の趣味の一つにネクタイとカフスボタンがあり、かれこれ100本近い安物ネクタイがあります。私は高いブランド品は好まないので、今は無くなりましたがアメ横入口のネクタイ屋さんで1本500円のものをまとめ買いをしたものです。ネクタイは質より量だと決めていましたから。
その中でも赤系のネクタイは10本ほどしかないのですが、これを選挙になると使い回しするのです。ここ10年ほどはネクタイを購入した記憶はありませんが、どういうわけか選挙となると赤系を選ぶ傾向があります。政治家には常に赤系を意識して選ぶ人が多いのですが、それほどまでに赤にこだわるということはありません。
そこでトマトジュースの話になりますが。
元々嫌いではないのですが、習慣的に飲む対象ではありませんでした。高血圧など各種健康維持にいいという知人の話で最近毎日飲むようにしていたのです。それが選挙中のあわただしさの中で家に戻った時、トマトジュースで一息入れようとグイッと飲み終え(たつもりでした)、パックを一握り潰した際・・・ストローから飲み残した液が噴き出したのです。飲み残されて不満だったのかどうか?私の胸にべったりと思ったところ、見るとネクタイと同化しているではありませんか。良かったーと慌ててネクタイを持ち上げキッチンに。こまめな模様にも少しかかってましたが、ほとんど見分けがつかない感じで済みました。ワイシャツが無事だったので怒られずに済みほっとしました。 ところで、トマトジュースを選ぶ時、糖分・塩分未使用は当然だと思いますが、どのメーカーのものでもよく見ると食塩相当量という成分表示の記載があります。最下段を見ると、トマトそのものが持っているものだということですが、それにしても糖も塩も詳細な数値表示になっています。いずれにしても無塩無糖はあり得ないということなのでしょうね。
食と健康、食品と健康バランス・・・これを考えたら際限がありませんね。行き着くところは、なんでもほどほどにではないかと思います。
ネクタイとトマトジュース…無理にこじつけたようなブログにお付き合いくださいましてありがとうございました。
No.3706 明石市長退任に思う
一昨日から昨日にかけて拝借した選挙カーの処理を済ませ、選挙の後始末も終盤を迎えています。7日間だけが選挙でないのはいつものことですが、家の中は選挙関連品が散在している状況もありますし、「選挙運動に関する会計帳簿」の作成という公的作業も来月8日を期限に残っているといったところです。
さて、掲題の件ですが、泉明石市長が昨日最後の登庁だったというニュース。こうしたニュースは市町村が1700以上もあることから、話題になること自体が無いのが普通です。ところが、この泉氏はパワハラ、暴言で名を残す市長としてちょくちょくマスコミに取り上げられる方でした。退任にあたっても「今の政治は腐っている。官僚も同じだ」といったことを口にしたことから全国配信されたようです。その後「腐っているは撤回しておきます」と世に出した発言にシャッターを下ろしたそうです。おそらく意図的な発言だったのだろうと思います。この発言には全く同意同感の想いです。
私は、この市長には話題になった数年前から興味がありました。それは各種の子育て戦略を配して若い世代の流入を進めたことでした。ところが、市内道路の舗装工事を巡って、担当職員を怒鳴り散らしたパワハラ事件が報道されたことをきっかけに職を辞することになったのです。そして、出直し選挙で再選されるという市民には一定程度の理解をされていた市長だったのです。
ところが、今度は議員に暴言を吐いたということで再度退任する状況になってしまった、いわば破天荒な市長さんだったのです。あたるを幸い、思ったことを感情むき出しで言葉を発するタイプと言ってもよいのでしょう。しかし、やはり口は災いの元ですね。それをわかってか、腐った発言を撤回したのかもしれませんが、そこには周到な考えがあったことも事実でしょう。
パワハラ暴言という点に好意的な感覚はさらさら持ち得ませんが、一本気な性格でグイグイ押し進めるリーダーの在り方にはなるほどという思いもあります。ただ、首長というのは、言葉も大切でしょうが、自らのフットワーク・行動力はどうだったのかは報道から知ることは出来ませんでした。
次期市長にはこの泉氏が後継指名した方が当選したことから、パワハラ暴言の現場を知らず、実際に被害にあったことのない市民には人気があったことがうかがわれます。
ひょっとすると、いくつかの政党からの声がかりで、国政進出という新たな展開が泉氏には待っているかもしれませんが、規約に縛られる組織政党の枠に収まる人ではないと思うので、このまま市井の人に落ち着く・・・いや、何とも言えませんね。
No.3705 駅ピアノ撤去事件
駅ピアノが世界的ブームで、BSでも定期番組として世界各地のストリートピアノの実態を伝えています。しかし、全開放型のピアノについては、その利用の在り方として、ルールを守らず、モラルも無い実態があるようです。
下記の記事は、兵庫県加古川市の駅ピアノが、大々的にオープニングイベントを開催してからわずか30日で利用中止・撤去になってしまったことを伝える地元の神戸新聞の記事です。幸手市でも桜祭りに合わせて期間限定の駅ピアノを実施しましたが、よほど管理方法をしっかり煮詰めないと加古川市と同様のことになりかねず、安易な常設展示演奏は難しいかなと感じた次第です。
今の世の中、なぜかいたずらばやりで、人の迷惑かえりみない人がいるんですねー
常設から半年、ルールやマナーを守らないから… JR加古川駅のストリートピアノ、30日で運用休止・撤去へ
4/24(月) 8:30配信
神戸新聞NEXT
30日で運用を休止し、撤去されるストリートピアノ=JR加古川駅構内
兵庫県加古川市が、JR加古川駅構内に設置していた「ストリートピアノ」の運用を30日で休止し、撤去することが分かった。演奏ルールやマナーを守らない利用者がいるため、市や同駅に、駅利用者らから苦情が入っていたという。
市は昨年11月、同駅改札前にヤマハ製のアップライトピアノを設置。誰でも自由に弾けるストリートピアノの常設は市内初だったが、半年で撤去することになった。
市によると、通行者が不快に感じる音を奏でたり、運用時間の午前7時~午後9時を超えて弾いたりする利用者がいたという。酒を飲んだ状態や、禁止している歌唱をしながらの演奏のほか、1回10分程度と定めた使用時間が守られないケースもあった。
同駅が列車遅延などの構内放送をする際は、聞こえにくくならないように、ピアノに利用中止の掲示をしていたが、守らない人もいたという。
市はピアノの音量を抑える器具を取り付け、注意事項の掲示を演奏者に見えやすい場所に変更。市職員が直接、ルールを守らない利用者に注意することもあったが、改善されなかった。
市スポーツ・文化課は「演奏を楽しみにしてくれる人もいたが、近隣に迷惑がかかる状況が続いており、残念だが、現在の場所では続けられない」とする。今後は別の場所や期間限定での設置などを検討するという。