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No.3226 除夜の鐘

2019.12.31

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 除夜の鐘が騒音公害だとして社会問題になっているという。札幌市のある寺に対してそんなことを要望した市民がいる。個々の感性ゆえそうした思考を否定することは出来ないが、日本の文化と歴史的情緒の代表的な行事であり、年末年越しの風物詩として私たちの心に響きを与え続けた鐘の音が聞こえなくなるのは寂しいことだ。
 昭和30年代前半、ラジオで紅白歌合戦を聴き、0時近くなるとラジオを消して街に響き渡る除夜の鐘をひとーつ、ふたーつと数えながら108まで行かないうちに寝入っていた幼少期であった。テレビ゙が入ってからも行く年くる年が終わると音を消して耳を澄ませたり、時には近くの鐘つき寺に出かけたりもした。昔風情の良さとはこういったところにもあったのだと思う。
 年末行事予定を見ると、「除夜の鐘を聴く会」を催す寺もあり、鐘をつかせてもらえる訪問者に優しい寺もある。確かに、近頃では年が変わってもテレビをつけっぱなしで娯楽番組に見入る風潮が除夜の鐘に関心を持たない世代を増やす傾向にあるのだろう。テレビの誘惑がまさる現実は、小さな一面ではあるが、わびさびの情緒が薄れつつある現代社会を映していることを感じる。
 そういえば、どこぞの自治体で幼稚園の新設を計画したら、園児の声がうるさいからと反対運動が持ち上がった事例があった。社会全体が少子化や幼児教育への支援への想いが行き渡っていない現実に複雑な思いがしたものだ。
 園内の子どもの声も除夜の鐘も、今の時代にあってはうるさい騒音でしかないという評価は、一部のものであってほしいと思うのは小生だけでなないと信じたい。今宵の除夜の鐘は無性に聞かなくてはの想いに駆られている。

 さて、本年のえだブログもこれで終了となります。いろいろなことがあった一年でした。考えに考え抜いた結果、市議に戻る決意をして挑戦した市議選。多くの皆さまの後押しをいただき復活することが出来ましたが、街のために何が出来るのかを考え続け、いまだに思考錯誤の状態で議員活動をしている現状です。多くの方々から私の活動に対するご意見、ご要望をいただいており、有り難い想いを持ち続ける毎日ですが、幸手市の安定と飛躍を心がけ、来る年も頑張ってまいりたいと存じます。当ブログをお読みくださっている方は勿論、幸手市民の家内安全とご健康等すべての面での平和と安寧をお祈りして本年の最終章といたします。来年も引き続いてえだブログをご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
 良いお年を!!!!!