記事一覧

No.3840 したたかな中国

2025.07.18

 中国が日本の水産物約400品目の輸入再開を承認した。日本が国政選挙にある時にこの甘い汁を発信した真意は?
 すると、今度はアステラス製薬の60代社員をスパイ容疑で3年6カ月の実刑判決という厳しい対応を、同じように選挙終盤になって結審した。
 何らかの意図があってのことと感じる人は少なくないと思うがいかがなものだろうか。考えすぎるのも問題だが、タイミング的にそうした疑問を持たざるを得ないということである。これに対して極めて遺憾という常套句で応じた日本。今後どういった対応を示すのだろうか。

 中国という国が狡猾したたかだということは、保守系の考え方に根深くある。しかも、そのしたたかさは念には念が入っており、長期にわたっての他国への侵略計画がはりめぐらされているという人もいる。小生もそういった考え方には理解と同調を示す方だが、これはあくまでも中国共産党という覇権主義に歪められた習近平政権がもたらすものであって、人民すべてがそうだとは思わない。言論統制されている中で、国に逆らえば逆賊扱いされると思えば、どんなに人間性豊かな人でもおとなしくなるのはやむを得ない。香港がその実例として中国の人民にもトラウマとして残っているはずだ。
 前号で我が国の政治異変が今回起こった場合、そのターニングポイントは何だったかを語ったが、中国民主化への道が閉ざされたターニングポイントは、間違いなく天安門事件だったと確信している。
 それにしても、日本の選挙に中露がネットフェイク活動でかかわっているという話もあるし、昨日は韓国が竹島海域での軍事修練を実施した。
 日本の政局選挙のタイミングでの隣国たちの狙いに何があるのだろうか。

No.3831 国政が乱れる背景

2025.06.15

 アメリカは、自由民主主義をかなぐりすてて、まるでトランプ王政国家に変貌しつつあるかのようです。もはやあれこれトランプ語録を並べ立てるのもはばかれますが、世界を牛耳っている感覚で悦に入っているのは間違いないように思えてならないのです。自分の誕生日に軍事パレードをするとは金正恩と変わらないことを思わせます。
 イスラエルとイランの戦争勃発も米露の代理戦争的に感じる点もあり、第三次世界大戦へのきな臭さを予感させるような世界情勢です。
 日本では、石破さんと玉木さんの言動が、国政のていたらくを示しているようで悲しくなるほどです。

石破さん
「2040年に名目GDP1000兆円を目指し、所得を5割増」…2024年度約550兆円
「日本の財政はギリシャより悪い」…他国を持ち出す無神経さと現金給付の参院選公約は財政認識と矛盾してませんか。
 そもそも何年総理をやるつもりなのでしょうか。


玉木さん
 山尾さんに出馬要請しておいて、記者会見が辞任会見なら同席するが、そうでないならひとりで会見するようにと発言。なんとまあ無責任の極みではありませんか。まして、その理由が記者会見で過去の問題への質問に答えなかったことを理由にしているが、自分も同じ穴のムジナではないか。彼が3カ月間の役職停止とはいえ、メディアには頻繁に出て発言もしていたことを思うと、自分に甘いという評価も同感せざるを得ません。山尾さんも山尾さんだと思いますが、玉木さんの対応はそれ以上に卑劣な人間性を示しているようで・・・。巷には国民民主ならぬ不倫党という声も聞かれるくらいです。手取りを増やすが世間に受けたのは理解しますが、先を急ぎ過ぎる思惑がそうさせるのでしょうか。

 有権者には玉木さんに期待していた人も多いと思いますが、人柄の一端がこうしてさらされるとどうでしょうか。政治は国政も地方も至誠とは遠い距離感を感じるこの頃です。とは言え、私も現状その世界に身を置いているわけですので、めげてるわけにはいきません。
 

No.3810 トランプパンデミック

2025.04.05

 世界を破壊しかねないトランプ政策。今回の国別相互関税方針は誰もが呆れる
市場崩壊につながるもので、評価する人は皆無に近い。今回理解出来たことは、トランプ氏はアメリカファーストが浸み込んだ脳細胞ゆえ、アメリカワーストへの可能性が見えないのだろうということである。もはや、彼が率いるアメリカは世界の頼れるリーダーの座を、自ら降りてしまったようにも感じる。その旗振りを世界に打電したということは、それほどセンセーショナルな保護関税政策だからこそ、中国などは早々と同率の関税を課す対抗策を表明している。これほど明解な経済戦争が戦後あっただろうか。
 コロナパンデミックが第5類になってなお、罹患者が増える状況にあったが、それも此処に来てようやく鎮静化しつつあるところだったが、世界を揺るがすという意味においては、今回の事案もパンデミックのような感じがしてならない。さしづめトランプパンデミックであり、トランプ氏はまさにウィルスそのものといったら言い過ぎだろうか。石破氏もそうだが、早晩トランプさんにお引き取りいただくことは出来ないのだろうか。

No.3802 世界のリーダーは過去?

2025.03.01

 アメリカトランプ大統領の支持率が低下しているという。数号前に、彼のいい加減さに呆れるといった内容のブログを書いたが、その思いが更に増幅する方向となっている。和平交渉に鉱物資源の利権要求をするなど、もってのほかの行為だと思うが、それが彼の価値観であり、他が何を思おうが我関せずがトランプなのだろう。これで本人が希望しているというノーベル平和賞を授与されたなら、賞の価値たるやどれほど低落するだろうかと思う。
 世界の警察とか、民主主義のリーダーとか評されたアメリカの姿はない。
 今やアメリカはトランプ王が仕切る王国社会で、中露と変わらない専制独裁国家に変貌しつつあるようだ。とにかく何でも思った通りになる、世界は俺についてくるしかないとでも思っているのだろう。28日のトランプ・ゼレンスキー両大統領の会談は過去に類のない最低の口論会談となった。副大統領のバンス氏も当初から危惧されていた通りの政治家だったことを証明したように思う。

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ところで、時折ある市民からお便りをいただくのですが、最近の便りに返信した内容を添付しました。というのは、その返信に示した内容と同じようなことが、28日の朝刊の週刊誌広告のトップ記事になっているではありませんか。
 私が返信手紙に書いたのは、SNSが社会を変えるほど便利さを与えてくれるが、反面、それ以上に社会を低落させる使われ方が現実に増幅している、ということ。これは私の想いとして、神は罪作りなものを人類に与えたのかもしれないという思いが頭にこびりついていることが原因です。
 そして、イーロン・マスクという裕福経済人がアメリカ政治の人事にまで口を出し、これをトランプが認めている事実についてです。これが週刊誌で特集されているので少し驚いた次第です。
 ただただ金と物への価値観と関心を隠すことなく、世界を牽引していこうとする金銭価値で結び付いたトランプとマスク。そこに排他主義者のバンスまで加わり、これからの4年はいかなる世界に変貌するのだろうか。予測するだけでゾッとします。

 

No.3797 和平交渉とは笑止千万

2025.02.14

 ウクライナ戦争は早いうちに停戦になるだろうと、たしか大統領選の前から発言していたトランプ大統領。この発言に期待する向きがどれほどあったかは不明だが、その公約とも言える対処法の現実は、がっかりどころかこの政治家のいい加減さをあらためて知るところとなった。
 もとより、彼のアメリカファースト論に異論はない。というかこういう人なんだろうと理解するしかないからである。おそらく、彼は白人至上主義者ではないかとも推測している。
 大勢の命を失いたくないと言って、ロシアのプーチンと1時間以上に及ぶ電話会談と相成った。しかし、どうだろうか。考えてみれば、ロシアとウクライナの互いの犠牲者の内容を吟味するまでもなく、ミサイル戦火の犠牲になった一般市民は圧倒的にウクライナ国民が多いのである。ロシア領土内での戦争は一部に過ぎず、それも作戦上やむを得ずウクライナが侵攻したのだ。簡単に言えば、ロシアはウクライナ人を大量に殺戮し、そのために自国の兵士を大量に戦死させたという事実は間違いない。だからこそ、まさにプーチンは戦争犯罪人に指定されているのだ。民主主義国家への敵意むき出しの金正恩の裁量により、ロシアの戦争で命を捨てることとなった北朝鮮の兵士も考えてみれば悲惨な人たちと言える。

 トランプ提案の内容は、ロシアが奪ったウクライナの領土はそのままロシアに。ウクライナが求めているNATO参入は難しいと、誰が聞いても和平提案にあらず、あまりにもロシア寄りの偏った内容でしかない。ウクライナには戦争犯罪と言われる事実はほとんどない一方的なロシアの侵略戦争にもかかわらず、この戦争の責任をすべて負わせられるようなものだ。そして、ロシアが喜ぶ提案を電話で口にしてしまったことが、今後どのような方向に向かうかを思うと、無責任極まりない人間としか感じられない。
 ゼレンスキー大統領にしてみれば、アメリカの援助無くしてこの戦争の継続は難しいという負い目があるはずで、とすれば、あまり強気にはなれないところだが、今回のトランプ提案にはNATO諸国も不満を示していることから停戦に向けての今後はまだまだ厳しいことが想定される。
 第二次大戦後の処理で当時の日本が受けた内容は、降伏敗戦という結果によるものであり、敗戦国としての厳しさと屈辱を受けることとなったが、これとは全くウクライナ戦争は異なる。したがって、この和平はあくまでも双方が・・・どちらかと言えばウクライナが納得できるものでないとならない。

No.3776 被団協に米露中は何思う

2024.12.11

 ノーベル平和賞の感動は、わざわざスウェーデンを訪れた人が多かったということを聞いただけで感じ入るものがあります。92歳になる田中さんの、静かに、切々と語る受賞演説が涙を誘うものであったことが、今回の受賞のすべてを物語っているのではないかと思います。
 13歳で被爆し、家族を失った田中さんは、これが世界の核廃絶のスタートだと訴えました。しかし、現実は第三次大戦の勃発と、核という地球を破壊する武器使用の可能性を推測する向きがあるほどの危機状態にあるのです。今朝のニュースでも、イギリスが戦時体制下を想定し、それに応じられる軍事システムを構築するべきと発信しています。
 今回のノーベル平和賞に対する各国の感想がどのようなものかは具体的に報じられていない気がします。ノーベル賞選定結果に異議を唱えて、それに対抗する賞を設けた経緯のある習近平中国。今まさにウクライナにとどまらずNATO加盟国に向けて核使用の可能性をほのめかすプーチンロシア。国民の生活に優先して核配備に余念のない北朝鮮。そして、なにより未だに原爆投下を聖戦のなせることだったとの主張をはばからないアメリカ。
 核準備は、とくに反米国の独裁専制体制下の国に見られ、増えつつあるのは確かなことです。ロシアなどはベラルーシに核同様の能力を持つ最新のICBMを送り込んでいると言われています。

 
 核廃絶は、日本人であれば誰もが持つ主張ですが、現実には理想主義に近いものになっているように思います。政治思想という面で、日本では左傾野党や政治家を中心に強い主張を訴える現状があります。それは日米同盟無くして国を守ることは出来ない現実に対し、それが、アメリカの核を受け入れることにつながっているとしているからです。
 実際に、アメリカが広島と長崎に原爆を投下した責任は重いことですが、その責任は問われていません。ただ、今目の前にある地政学的他国間関係を考えれば、日本が単独防衛で対抗できる状態で無いのはあきらかです。
 なんとも悩ましい現実ではありますが、核廃絶は常識的理念に間違いありません。心から良かったとの思いの中で、擦り合わせが難しい日本の立ち位置をあらためて感じたノーベル平和賞です。

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