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No.3890 感情をコントロール 

2025.12.29

 本稿タイトルは、21日の日曜討論で岡田克也元外務大臣が苛立ちながら発したとんでもないよー発言である。
 日本保守党の事務長である有本香事務長(当日は各政党から1名づつ代表者が出ていたが、有本氏のみ非議員だった)が岡田氏の対中国との関係性や高市総理への質問等々について何故問題なのかを指摘した際に、慌てたように「侮辱だ」と返し、更に「国民の感情をコントロールしなければいけない」という言葉を発したのだ。理由は、高市総理への質疑が大問題であり、彼の行動自体も問題だとする批判が鳴り止まない事への不満が募ったもので、まずは自らの感情をコントロールすべき場面だったのだ。
 有本氏は、中国の対外工作戦略本部(正式名称は中国共産党中央統一戦線工作部)の実態を指摘したのである。つまり、この機関は情報戦争を担当する中国の「魔法の武器」と称されるもので、アメリカでは要注意機関に位置付けていると。そして、岡田氏はその機関の代表と昨年会談し、覚書を交わしていることを指摘したのである。

ファイル 1823-1.jpg そもそも、この討論会で岡田氏は常に落ち着くことなく、他の発言中に横やりを入れるなど醜態をさらし、進行役が再三再四止めに入る状況だった。そこで、出たのが「国民の感情をコントロールしなければいけない」と言うものだったのだ。聞いただけで、これがどういう意味を持っているかは民主主義下で育った日本人には即刻感じるのは間違いない。コントロールを日本語に直訳すればわかりやすいかと思うが「感情統制」が必要だと説く政治家がいることに正直のところ驚かされた。発言の大元は、彼が行った高市総理への執拗な質疑にある。これが世論の大きな批判につながっていることにまったく反省していないと批判の渦の真っただ中に置かれたことで、精神的に逆上の感覚になっていたのではないかと思う。それはまるで中国工作機関に忠誠を誓っているかのような雰囲気に感じた国民が多かったこともあるだろう。
 この国会発言から数日後に上海で20数店舗目のイオンが華々しく開店していたのは偶然だろうか。ちなみに岡田氏の父親である岡田卓也氏はイオンの創業者であり北京名誉市民顕彰を受けている方である。つまり、岡田克也氏は国会議員ではあるが中国の利害関係者そのものなのだ。

 例によって、オールドメディアはこれに大騒ぎはしない。保守系とくに高市総理の発言であれば、上へ下への大騒動化するのは目に見えている。立憲民主党もこれを問題視する動きがさして見られない。原口議員がかなり厳しい発言を自党と岡田氏にしているが、これも小さくしか報道機関は取り上げない。YouTubeでは原口氏の発言内容を詳細に聴くことが出来る。
 立憲民主党といえば、尖閣国有化という緊急配慮をした総理時代の野田氏の変貌はどうしたというのだろうか。あの時に示した保守精神は故石原慎太郎氏以上のものを感じさせたのに今はその姿を微塵も感じさせない。政治家がいつの間にか政治スタイルを変貌させる実態はよく見るが、国会のトップ政治家がこれでは地方の議員などに良き教訓とはならない。
 今回、自民党の総裁選から自民党内にも左派系議員がいることが明らかになったが、集団が大きくなればなるほどまとまりが欠け、石破さんのように自我を打ち出すためにカメレオン思考に姿を変える人もいる。それにもしっかり理屈があることはおかしくもあり、腹立たしくもありだ。
 いつも想うことだが、政治信念とは何か! 是々非々を自分の都合に合わせて使う言葉にしてはいないか! と感じる今日この頃であります。