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No.2784 その地、その時の選挙事情

2016.08.01

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 都知事選挙が小池百合子さんの圧勝で終わった。多くの人にとって興味が異なる埼玉県富士見市の市長選挙も同日選挙の投開票で、保守系星野光弘さんの圧勝という結果となった。
 
 この二つの選挙は、当然のことながら別の形での特徴的なことがあり、また近年の選挙事情の移ろいを改めて実感させる共通項も感じられた選挙であった。


 都知事選における増田氏、鳥越氏の敗因は大方が評論もしくは分析している。私が感じる大きな点は、小池さんを応援したら一族郎党除名といった通達に関することである。都連自民のドンの意向は、小池さんが喧嘩を売ったことへの報復的内容であったことから、自民支持者の心を悪い方向へ揺さぶった。政治の世界のことゆえ仕方がないとか、何でもありなんだろうといった通常前向きな理解者も「それはひどい!」といった党議恫喝に聞こえたのではないだろうか。
 ここでつまずいただけでなく、石原慎太郎爺の余計な中傷があり、その言葉が発せられた瞬間、増田さんは笑っていたというので俄然雲行きが怪しくなって行った。増田氏にしてみれば、かつがれて落されたような感覚に近いと思う。私も指摘したこととして東京一極集中回避論との整合性を欠くというのも確かな痛手となったはずである。

 鳥越氏については人柄すべてに尽きる。反権力オンリーの主張を前面に押し立てた見識も疑うし、週刊誌報道への無責任対応がキャスターとしての過去の言動と矛盾するなどご都合主義な面も垣間見え、いわゆる人柄資質で都知事にしたくないというのが一般論として増幅していった。あんな人だったんだという声が日増しに増えたいったのではないかと推測できる。

 増田、鳥越両氏ともに、他者責任と自己責任の違いはあれど、女性の反発は少なくなかったと思う。

 3週間前の参議院選挙の際、民進党で当選した蓮舫、小川両氏の獲得数が約163万票、共産山添氏が約66万票、社民生活系が三宅、増山両氏で約35万票であった。それに前回の知事選で共産候補が得た票が90万票だったことを合わせて考えると、あくまでも単純分析だが共産社民の票約100万票が鳥越氏に入り、それを下地にして、残り30万票強を民進系や無党派からと考えたならば、いかに民進党支持者が鳥越氏に賛同しなかったかということになる。
 投票日前日の岡田代表の代表選辞退の談話も間の悪さとしてはこれ以上のものはなかった。

 さて、小池新知事の処分を自民党本部は考えているというが、それはするべきではない! いったい、何を考えているのか情けなくなる。選挙の結果で290万人の了解を得た小池さんを党紀によって処分するなど、少なくとも290万人、いやそれ以上に多くの国民を敵に回すようなものだ。
 私も、自民党県議団の一員としての任期中、党紀委員を仰せつかっていたが、その4年間で3人の除名決定が行われた。除名自体がそうそうあるものではなく珍しいと聞いていたので、気持が晴れたことはなかった。

 その時折の都合で、除名だ、処分だ、入党だなどと、やはり最大政治政党の驕りが見えすぎている状況は怒りに近い憂いを持つ。今回、小池さん処分を実行したあかつきには、小池さんとの軋轢は生じるだろうし、自民党離れが加速するやもしれぬ。そんな醜態をさらすことなけれ! ほころびが広がるだけだ・・・と感じる。国と東京の共同作業であるオリンピックも控えているというのに。

 富士見市の市長選挙、前号でも書いた通りです。まずは星野氏の当選にあたり、読者の皆様に御礼を申し上げます。
 まだ61歳という年齢にもかかわらず、2期で清く引退(上田知事とは大違いです)を表明した前市長を引き継ぐ形で立候補した星野氏は驚異的なトリプルスコアで新市長の座を獲得しました。県議の任期を3年残してのチャレンジはまさに故郷を思うが故のことであり、かならずや県西部の発展のために行政単独の枠を越えて広域的発展のために尽力することと確信をし、またエールを送りたいと思います。

 都知事選と富士見市長選の共通項とは・・・?
 それは風や地域特性にもよるでしょうが、自民党という看板は絶対的なものではなくなりつつあることをはっきり感じたことです。
 私は自民党員ですし、数の論理をベースにした議会制政党政治にあって国政を任せられる第一党は自民党しか考えられませんが、地方にあっては、有権者の投票心理をくすぐるものは、かならずしも政党感覚ではないということです。党議拘束や党利党略、驕りから生まれる恫喝、怒声といった独裁志向は厳に慎むべきです。
 国民、とくに増える一方の無党派有権者はスキャンダル嫌いで、見えても見えなくても人柄優先の選択肢に変わりつつあると感じます。

 よって日ごろの議員活動にあっては、モラルを守り、マネーに注意し、ムーブせず、ムードに流されずの4Mで、しっかり腰をすえた活動に努力してほしいと思います。政治の世界は一筋縄ではいかないことは重々理解していますし、悪がはびこる面もあるでしょうが、結局、最終的には人柄が勝つと確信しています。これは、晩節を汚すことなく賞賛と感謝に迎えられるという意味での勝つと申し上げているつもりです。
 生意気なことを申し上げました。

No.2783 星野光弘富士見市長誕生に向けて

2016.07.31

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 さるすべりが満開の真夏の選挙、活動する人にとって厳しいものがありますが、気温の暑さ以上にハートの熱さが上回って関係者全員がヒートアップ気味。

ファイル 688-1.jpg  ファイル 688-2.jpg選挙年齢引き下げ後、県内で行われる初の首長選挙が富士見市長選挙です。
 26日と昨30日の2度にわたり、盟友星野光弘候補の応援に出かけてきました。確認団体の街宣カーに乗っての応援活動は、所々での街頭演説を入れながら、26日は羽生市の諸井県議と3時間、昨日は深谷市の小川県議と2時から7時までの5時間のマイク活動でした。

ファイル 688-3.jpg  ファイル 688-4.jpg
 7時15分からの打ち上げ式での最後の候補者挨拶ではこみ上げるものがあったようで、つまりながらもこらえる彼の姿に感動しながらガンバレ!とつぶやいてしまいました。
 素晴らしい市長誕生に向けて富士見市民の選択は良識な判断をされるものと確信しますが、やはり選挙は最後の最後までわかりません。

ファイル 688-5.jpg富士見市にお知り合いがいらっしゃいましたら、まだ時間はありますので、価値ある1票を無駄にすることなく投票に出向き、星野光弘へのご支援をお願いしていただければと思います。
 よろしくお願いいたします。

No.2781 都知事選もいよいよ追い込みに

2016.07.28

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 都知事選狂想曲もいよいよ残すところ今日を含め3日の選挙戦。熱いうえに活動範囲が島しょ部まであり、厳しい戦いが繰り広げられている。
 とは言え、メディアはほぼ3人の候補者しかいないような報道ぶりで、他の18人の存在が見えない状態。

 また、各候補者の問題点を指摘する著名人の極限に近い発言も飛び交い、少々醜悪な選挙となりつつあるのも今回の際立つ特徴か。
 文春や新潮の鳥越候補に関わる記事については、メディアはほとんど触れない。これをどう判断するかは有権者次第だし、下半身問題に大切な都知事選のイメージが侵食されるのも寂しいものがあるからそれはそれでマスコミの見識と理解する。
 こうした記事の中身かどこまでのものかはわからないが、確かに知事の品格としていかがなものかとは思うが、それ以上に鳥越候補の演説に首をかしげる内容を見る。

「伊豆大島は消費税を5%にする。わたしが知事になったら国に交渉する」
「原発は核兵器だ。東京周辺250キロの原発を廃炉にする」

 このような発言はパフォーマンスともとれるが、とにかく国政と都政の区分ができていないこと、原発は他の自治体に関わることでもあり、都知事選の公約に掲げるべき対象ではないこと、国政への反感で知事にという思考がそもそも間違いだと気は付いていないようだ。いくらなんでも、こうした分野に都知事が権限や職能があって、さも出来るかのように口にすること自体問題で、何十年も政治キャスターをやってきた人が政治素人のような実態を見せている。
 推薦している野党4連合の見識も疑うとする声も最もだ。
 どう考えても実現不可能なことを発言することの是非論を、これからの選挙戦の在り方として問題視する時期に来ていると思えてならない。

 最近の選挙でよく言われる「何でもあり」の状況を、これまで政治的発言を糧にしてきたベテランキャスターが見境いなく演説している姿には大きな違和感を感じる。

 鳥越候補については、数年前に自らが発言し、雑誌に掲載された内容も指摘されている。
 「私は巨人、自民党、東京の3つが大嫌いだ。だから、大学も東京大学ではなく京都大学を選んだ」という主旨のものだ。大きな対象への反骨精神は若い時代の私も経験しているが、ならば、若い時から嫌いだった東京を大好きにするために都知事になろうと決心したと演説すればわかりやすいというものではないか・・・。
 巨人や自民党への個々の好き嫌いはそれこそ自由だ。しかし、なぜ東京が嫌いなのかは都知事選にあたって確認してみたいと思うのは普通の思いではないだろうか。私は投票資格がないが、そんなふうに感じてしまう。東京が好きでなければ出来ない仕事をしてもらう人を選ぶのだから。

 都知事選もまだこれから想定外の出来事が起こる可能性はある。最近の選挙事情は当事者を経験した私から見てもその実態に疑問を感じる度合いが深まっているように思える。
 その責任は、今の政治家の根性と、新たに政治家を目指す人間の動機にあるだろうし、政治家を選ぶ有権者の投票心理や行動にもあるということへの問題意識が広まなければ永遠に変わりえない難しさがあるようだ。ましてや今のマスコミもどうにもならない状況ゆえに政治浄化はまさに四面楚歌ともいえる。
 こう考えると、主権者教育どころではないし、いったい誰が教育できる資格を有しているのだろうかと思えてならない。

No.2779 富士見市長選挙

2016.07.25

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 埼玉西武、川越市の南にふじみ野市があり、さらに南に富士見市がある。駅で言うなら東上線「鶴瀬」が主駅。今、ここで市長選が始まったところだ。都知事選の陰に隠れる感じではあるが、それは仕方のないところと理解するしかない。

 この富士見市長選挙に、私と県会同期の星野光弘氏が県議を辞して臨んでおり、私も熱い思いで彼の当選を願っている。

 直前に彼の後の県議補選が参議院選挙の投票日と日を同じく行われ、現市長も支援し、星野氏自らが選対本部長となって戦った候補者が残念ながら惜敗した。市長選にあたっての前哨戦という見方がなされていたことから、星野陣営にとっては出鼻をくじかれた格好にはなったが、気遅れしているわけにはいかないし、私も「早く気持ちを入れ替えて!」とメッセージを送った次第。

 星野氏の人物感は私のよく知るところだが、発信力、企画力、決断力、フットワーク、リーダーシップの5資質に優れた人間であるだけでなく、とにかく熱い。英語で表すと「パッション&ポジティブ」という感じだろうか。
 そして、彼の優しさと思いやりに随分と私も救われた。もちろん、現在でも時に応じて酒を酌み交わす付き合いをさせてもらっている。

 2度にわたる私の県政報告会でも応援に駆け付けてくれたが、いまだに、「あの声の大きい元気いっぱいでユーモアあふれる人はどうしてる?」と尋ねられることがある。それだけ我が地元の方々にとっても印象深かったようで「星野のことですか?」と聞くと「そうそう星野さん、星野さん」と返しがくる。

 そこでということになるわけですが、
 富士見市にお知り合いがいらっしゃいましたら、星野光弘へのご支援を賜りますようお伝えいただきたく、当ブログの読者の皆様にあらためてお願いいたします。富士見市のリーダーとして欠かしてはならない人財ですと!
 投票日は都知事選と同じ今月末尾の31日です。よろしくお願いいたします。

No.2776 参議院選 地元では・・・

2016.07.14

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 ジメジメ蒸し暑い陽気。
 過ごしにくさでは群を抜く今時ゆえ体調管理もぬかりなくといった感じか。

 さて、前回の参議院選分析に続いて、今回は地元幸手市の投票状況から特徴的な部分を紐解いてみようかと。

 候補者別獲得票数を前回25年の参議院選との比較でみると

自民党・・・古川俊治 8530  関口昌一 6951
公明党・・・矢倉克夫 5227  西田実仁 5708
民進党・・・民主みんな社民  大野元裕 4200
共産党・・・伊藤 岳 2055  伊藤 岳 2924

 まずは自公協力体制が定着してきた上に、今回は戦前の混迷具合もあって幾分強化されたことが伺える。
 これは、昨年4月の市議選で公明党の2候補合わせて3417票という結果であったことも踏まえ、3年前の矢倉氏も今回の西田氏も5千票台を得ていることとの関連において自公協力の推進が読み取れるのではないだろうか。

 25年次には民進党は民主党で2千票台、他にみんなの党が3千票台、社民党が500強を獲得しており、それらを合算すると6000票を超えていた。したがって、民進党と共産党候補それぞれに票が分散されたのが野党側の実態と見られる。
 自民公明の合計票数が約1100票減っているのは、おおさか維新、こころなどに流れた票数が原因とみられ、自民候補が安定との予測から保守系とくに憲法改正推進派陣営に票が分散されたと思われる。
 

 投票率の観点から、特徴的投票所として常に注目される我が地元の投票所(コミュニティーセンター)を市全体との比較で考察してみる。

28年参議院選 市全体 51.05  コミセン 68.76
27年市長選    〃 44.61    〃 54.91
27年知事選    〃 28.41    〃 44.70
27年市議選    〃 50.51    〃 61.17
27年県議選    〃 44.88    〃 60.25
26年衆議院選   〃 53.35    〃 67.96  
25年参議院選   〃 51.10    〃 67.19

 こういった結果になっており、我が街の選挙への関心度は国政選挙に対して比較的高いということがわかる。
 街のトップを選ぶ市長選は、私自身が審判を受けた県議選もしくは市議選より低かったことがわかる。今こうして改めて数字をみると意外な感じではある。
 これは、一般的に有権者はテレビ・新聞といったメディアを通して興味をそそられるものと考えられ、天下国家論を耳にし、語り、投票所に出向くという行動スタイルが必然的に出来上がっているものと思われる。つまりは、情報量の差もこのような状況に影響しているのだろう。

 私も、若い時から国政に関心が高く・・・とは言っても政治家への道にはまったく志がなかったが、今いろいろな経験をしてきた中で、やはり天下国家論を自分のブログで書くことが多くなっている。意図しているわけではなく自然の成り行きなのだが、これに物足りなさを感じ、幸手市政に拘わる記載を期待する方もいるようだ。
 不思議なもので、地元政治より国政を題材にしている方が、なんとなくスムーズに気持ちが向くし、複雑な感覚もないのだが、バランスを考慮する必要もあるとは思っている。

 我が家を含む大型住宅地1180世帯を対象としたコミセン投票所の投票率の高さは特筆すべきものがあるが、それも国政選挙でとくに顕著に示される。この現象から考えて、私自身が国政をブログの題材に選ぶ確率が高い傾向に妙に納得している。
 いやはや、今回はなんとなくとりとめのない内容でした。ではまた。

No.2774 終盤逆転を画策する恣意的見出し

2016.07.06

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 「改憲勢力が3分の2の勢い」「自民だけで過半数超えか!」
 こういった新聞一面に護憲支持者は驚き、焦燥感から投票に行かねば心理を駆り立てられる。

 例えば、夕刊紙を売る駅売店で、しばし夕刊フジと日刊ゲンダイの一面見出しの張り紙に目をやるという経験は、大方のサラリーマンにあるはず。私も例外ではなかったが、あまり強烈な表現で批判しているものには手が出なかった。
 ゲンダイはどんな対象にも体制を痛烈に批判する報道姿勢なので、興味はそそるものの憎悪感むき出しの内容を好きにはなれなかった。
そういう意味では、どちらかと言うとフジを購入する確率がほとんどだったが、販売キャッチコピーは人の心をくすぐることは間違いない。

 しかし、もはや反自民、反政権志向をオブラートに包むことも無くなった朝日、毎日、東京などの各紙は、言論の自由、報道の自由よろしく有権者の判官びいきを駆り立てる表現に終始する。
 「改憲に反対の皆さん、今のままだとまずいことになりますよ。憲法改正が現実のものになってしまいますよ。戦争をする国に突き進むことになっていいのですか」と、いかにも自陣が不利だと言わんばかりの裏心理を大見出しに載せる。これにより、場合によっては乗り換える有権者が出ないとも限らない。

 不利という意味合いの大見出しによって、有権者の心理は揺れ動くものだ。逆に言えば、民共野合支持者のみならず無党派層に訴えかける偏向報道そのものと言えなくもない。

 嘘に近い大げさな数値や、推測を見聞きした有権者は、終盤有利とされた側とは逆の側に1票を投じた。結果は大きな後悔に至った最近の例・・・イギリスである。

 離脱派のリーダーだった二人の大物政治家が、離脱後の国の舵取り役を回避するという情けない行動を示したが、これほど無責任な政治家にあやつられて国家の行く末を大きく左右する投票選択をした有権者たちも悲劇だが、責任の一端は有権者にもある。
 政治家としての矜持があるとは思えないジョンソン、ファラージュ両議員はともに52歳。まだ、引退する年齢でもないし、国を二分する国民投票の立役者だったはずが、難しい離脱処理と国家運営に恐れをなしたかのように・・・ファラージュ氏は労働党党首をも辞任してしまったのだ。

 話がそれたが、表現巧みなマスコミにのせられないように。確固たる信念に基づいて自公か民共かの選択をしようではありませんか。
 私が好きな言葉「反面教師」イギリスを追従するなかれ!

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