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No.2539 素直さに欠ける朝日の謝罪

2014.09.12

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 今、午前0時40分。昨11日の19時47分に噂はあったというが、突然のように朝日新聞木村社長の謝罪会見が行われた。もちろん、明日の朝刊には間に合う時間帯である。
 しかし、なぜ今頃?である。実は、数日前から政府が吉田調書の内容を発表する可能性を示唆していた。もはや、過ちを認めざるを得ない状況に追い込まれたとしか考えられない。遅きに失したことは大方の意見だろう。

 
 今年の5月20日の朝刊で、朝日は「所員の9割が所長の待機命令に違反して福島第二原発に撤退した」と報道した。これについては朝日独自のルートで情報を入手したということだった。
 反応は、国内以上に欧米からあがり、責任放棄という意味において韓国のセウォル号事件と変わりないといった強烈な内容だったそうな。
 8月6、7日に従軍慰安婦報道の誤りを認める記事を掲載したが、謝罪も反省の弁もなく、かえってヒンシュクをかったのは記憶に新しい。昨夜の謝罪の場では従軍慰安婦捏造報道について簡単な謝罪はあったという。しかし、記者に重さを尋ねられると、原発報道の方が誤りという面から重みがあると考えているといった釈明の中身で、国と国民の名誉を貶めた責任感も反省心も相変わらず狭量であることがうかがえる。

 やはり、はっきりした調書があり、それを公表されるということへの焦燥感が、今回の謝罪への覚悟を導いたようだ。それに比して、従軍慰安婦はもはや証拠たる証拠も証人も少なく、二階新総務会長が河野談話の見直しなどと軽々しく言うものではない!と見直し否定論を打ち出していることを見越しているのかもしれない。
 二階という政治家は親韓の代表政治家である小沢一郎と密接な関係、いわゆる盟友であることから、これ以上の追及をしない方向性が裏側で語られているのかもしれない? 今回の党役員人事はおおむね好評だが、ここ1点は大きな過ちだったと評価されかねない総務会長発言である。河野談話を見直し、新たな談話を発表することが名誉回復の仕上げだと考えていた方は多いのではないだろうか。

 それにしても、素直さに欠け、本気度が感じられない朝日の謝罪にはがっかりさせられた。木村社長が辞任したからといって、長年の社内体質の積み重ねで、特定のイデオロギーに侵された社員が多くなってしまった社風で、今後、朝日が正しい言論機関として体質浄化意識をどの程度持ち合わせているかは疑わしい。
 なにしろ国家、政府、自民党、大きな組織や企業、ひいては安部総理を徹底的にやり玉にあげる報道スタイルを、日本一のクオリティーペーパーと認めていたこと自体、国家国民にとって悲劇だったのではないか。

 1982年の従軍慰安婦報道は今が旬の捏造記事で沸点に近い話題、そして、1989年のサンゴ傷害事件報道もあった。自然を蝕む心無いダイバーなどと書いて自然保護の重要性を働きかける1面でのカラー写真記事であった、しかし、これもサンゴにいたずらしたのは、誰あろう朝日の記者であったというとんでもない自社創作報道であった。この時、かなり購読解約の申し込みがあったという。
 福島の所員逃亡事件記事も心無い名誉棄損に近いもので、この報道は反原発・反政府活動家たちを喜ばせることとなった。所員とその家族たちは辛い思いをしのいで生活していたはずだ。現状では、好き勝手に国と政治家、有名人の悪口を書き、野次馬根性を当て込んで夕方の駅売店をにぎわすエゲツナイ夕刊紙と、さして変わらない朝日に信頼性を持てというのが無理というものだ。

 さらには、週刊文春、新潮の広告拒否、池上氏の連載記事中止(あとで撤回)などと続き、週刊誌の広告掲載では、都合の悪い見出しに黒塗り対策まで繰り出す朝日は、こうして言論封殺という姿さえみせ、サヨク思想が闊歩する社風をあからさまにしてしまった。
 2日前の朝刊だったか、ジェンダーフリー思想をテーマにした特集記事があった。これなど日教組が進める偏向思想教育の最たるもので、この精神を叩き込まれた若者がふえることは国の未来に百害あって一利なしだと思う。私の喝!に、読者の皆さんはどうお感じだろうか。