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No.2485 「埼玉の塔」の整備改修

2014.04.10

 南方戦線で尊い命を亡くされた方々に鎮魂の祈りを捧げることを目的として沖縄県には県営平和祈念公園があります。返還前からあったものを返還後の昭和47年から大規模整備につとめ、今では年間を通して各地から訪問団や修学旅行による来訪者が多数訪れる名所になっています。
 主には、祈念資料館、祈念堂、戦没者の名前が刻まれた銘板がいくつも立つ広大な墓苑、それと32道府県や団体慰霊碑がゆったりと配置された摩文仁の丘の4つのゾーンで構成されています。
 この摩文仁の丘は、東シナ海を望む広大かつ静寂な地で、各県ともゆったりと個性的な碑を建立しています。

 なかでも、埼玉県のものは際立って個性的だと言えます。鋳物材で7つの精神を表現したとされる独特な彫刻が、大きな石のバックスクリーンを後ろ盾にして配置されています。
 ただ石であれば、汚れも歴史と貫禄につながるのでしょうが、鉄ゆえの錆が目立つ状態は見た目に美的感覚からは遠いものになります。過去にもこうした整備はしてきたということですが、この話を昨年の秋に靖国神社を参拝した折、埼玉県遺族連合会の方から伺ったことから、12月議会の一般質問で取り上げたところ、26年度予算で約500万円ほどの予算が組まれたのです。敷地内全域にわたる整備改修を本年11月までに仕上げる予定になっています。

 昨日、そのことを連合会の方に報告したところ、自民党控え室までお越しになり、大変喜んでくださいました。ちなみに遺族連合会の事務所は県庁の近くにあるのです。
 6月23日が沖縄戦線の終戦を意味する日ということで、毎年各種イベントが行われるそうです。埼玉県でも訪問団を組んで出かけるそうですが、これとは別に毎年11月にも訪れるということです。6月は議会があって無理なので、11月には整備も完成することでしょうから、ご一緒したいなあと思っています。
 残念なことは、一般質問でわかったことですが、県内の高校修学旅行で沖縄を選択する学校が多いのですが、この祈念公園を訪問対象にしている学校が少ないということです。首里城や美ら水族館だけでは単なる観光だと思うのです・・・平和教育の在り方を考えさせられます。