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No.2317 M&A 西武鉄道のこれから

2013.04.17

 西武鉄道秩父線や山口線の存続が危ういという。この沿線の住民にとってみればとんでもない話であり、埼玉県にとっても人ごとではない。この路線を生活インフラとして利用する地域住民にしてみれば、おそらく北朝鮮のミサイル問題以上に逼迫する話に違いない。
 県西の中山間部を走る秩父線は、通学利用の学生だけでも1,200人いるというから通勤利用者はそれ以上の数になるはずだ。そして、県内一の観光スポットを有する秩父地域は立ち行かなくなってしまいかねない。東武東上線が横浜までいけるようになったことを喜んだのも束の間の騒動となっている。

 同社株を4%買い増しすると言っていたサーベラス側は、実は12%も買っていたという。結果、44%の取得率となり、取締役会構成も9対7ということになりつつあって、議決権もサーベラスに奪われる状況を呈している。

 「外資の論理、相手を選ばず」に対して、規制もなにも及ばない現実に為すがままというのはいただけない。外資の土地漁り、水利漁りも話題になったが、善人でお人好しな日本人の感覚は、世界相手では太刀打ちできないということか。 企業の健全な経営は、規模の成長を示し、株式を公開することも一つだろうし、同族経営は時に後継者による杜撰経営を生むこともあると理解はする。そういった観点とは別の意味で、生活インフラを主たる経営指針に持つ企業の買収騒動となると、その影響はかなり広範囲に及ぶこととなる。
 ローカル線を持つ全国の地域も事の成り行きを心配することだろう。

 自民党県議団としては、昨日、西武鉄道と西武ホールディングスに宛て、存続についての要請を激励の意味を込めて提出することを決裁した。