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No.3562 小麦高騰で想うこと

2022.04.14

 4月になって、輸入小麦の政府売価が上がっている。半年ごとに農水省が算定して公表する製粉会社への原麦売渡価格は、1トン当たり昨年の61,820円から72,530円と17.3%も上昇した。本来半年ごとの見直しのはずだが、6月には再度6%の値上げが予定されているというから、パン食主体のご家庭には頭が痛いことだろう。
 ロシアのウクライナ侵攻に関連して報道されていることだが、世界有数の小麦生産地として北米、ロシア、そしてウクライナが上位国と言われている。アメリカは前年の日照りが原因で生産量が落ち込んだことによるが、世界全域にロシア覇権戦略の影響が出ていることは間違いない。
 対ロシア経済制裁はもとより、ウクライナに至っては今後数年にわたり、穀物全体の安定的な生産はおぼつかない状況になってしまった。
 これに輪をかけて、円安の急伸、海上運賃の上昇も極端に上昇傾向で推移している。

 米の重量単価は日本式では一般的に1俵60㌔とか1袋30㌔が通常単位として認識されており、今年の米価はいくら?という場合は1俵単位で示される。埼玉県価格は昨年8,400円で最高時の3分の1ほどになっている。これは他の食品には見られないことで、卵や牛乳の価格停滞といい、消費者にとっては有難いことかもしれないが、農家泣かせの現状は深刻度を増しているのだ。
 小麦や大豆はブッシェル(bu)という単位で、1ブッシェル27.2㌔が算出単位となっている。この1ブッシェル価格で昨年の10月は6.8ドルだったものが、半年後の今年2月には9.28ドルにまで上昇し、4月の平均値では7.7ドルで推移している。いずれにしても、戦火の影響はしばらくの間まぬがれないと考えるべきだろう。
 米は昨年米の埼玉県価格が30㌔4,200円。小麦は政府の製粉会社への売価が30㌔あたり2,180円で、そこから加工されて店頭販売される一般的な薄力粉で1㌔300円から400円の価格帯となっている。つまり30㌔あたり1万円前後が原材料としての小麦粉の市場価格なのだ。パンや麺に形成されて販売されるには更に小売価格は上がることになる。水でとぎ、電気で炊くだけの米が便利かつ安価な主食であることは確かなことだと思う。小麦の値上がり次第ではあるが、米を見直す場面になったのではないかと感じるのだがどんなものだろうか。

 今年2月にアメリカが発表した統計によると、昨年の小麦の世界生産量は776百万トン、同消費量は788百万トン。つまり消費が生産を上回っている状況で、特に消費は前年比で0.7%も増加している。米食を中心とした食文化を伝統とする日本でもコメの消費が減少傾向一途で、パンや麺といった小麦を原料とした食事への変化が顕著になっている。それに呼応して、米価が毎年のように低落している現実に農家の悲鳴が聞こえる状況となっている。
 日本は小麦生産という点では小国で、消費対象の多くは米加豪を相手国とした高品質高価格帯の輸入国ということである。世界の実態はパンを主食とした国が圧倒的に多く、ニュースを見る限りウクライナの主力輸出先であるヨーロッパやアフリカ諸国でも小麦不足で、早朝から市民がパン屋に並ぶ光景が見られる。小麦の高騰する要因は広範囲に及んでいる。

 米を見直そう! コメを食べよう! 幸手産のコメの美味しさは食べた人の多くが認めるところだ。定番ブランドに勝るとも劣らない幸手産米の炊き立て熱々のご飯は、卵かけ良し、納豆ご飯良し、豆腐かけ良し、七味醤油かけ良し、塩辛も海苔もグッドな相性で、まさに万能食品として最高峰に位置付けられる日本が誇る食材だ。冗談抜きでコメは日本の食のふるさとと言っても間違いではないと思う。
 地産地消の勧めというのは、よくよく考えてみれば消極的な思考を原点にしていると感じるが、それを意識せずとも幸手産のコメは自信を持って言える。
 上手い!! 
 このブログをお読みいただいている幸手にお住まいでない遠方の方で、一度幸手産米を食べてみたいという方に宅配で送ることをしてももいいかなと思います。よろしければメールください。今は間もなく田植え時期で、新米収穫は8月末あたりからです。でも、昨年のコメでも農家が備蓄しているコメに食味の違いはないと断言できます。
 なんと言っても、米は日本人のパワーの源ではありませんか。