記事一覧

No.3241 王女訪日に想う

2020.02.05

 漢民族と中国マネーがいろいろな形で世界に浸透していることが理解できる今回のコロナリスク。アフリカや南米以外の各地に感染者が増える傾向にある。中でも、死者は出ていないものの感染者の数では日本が22人と最も多く、この状況は、今東京湾に停泊中のダイヤモンドプリンセスによる影響をさらに受けそうな勢いだ。
 国内の関心は今やその多くが、この華麗に光り輝く王女様に向いているといっても過言ではない。感染者はまだまだ増える予感がする。豪華大型客船の観光要素の一つである「くつろぎコンセプト」には、大海原を優雅に舞い走る限られた空間で乗船者が互いにコミュニケーションを高め、家族的環境が増幅することにある。そのために、プール、サウナ、ビュッフェバイキング、エンタテイメントステージといった大人数が行き交うアミューズメントが満載されている。一人の感染者でもいれば、新型コロナウィルスが蔓延することは目に見える話なのだ。

 
 書き始めたところで10名の感染者が出たというニュースが。おそらくプリンセス船内はパニックになりかねない。横浜に向かう途中で部屋からの外出禁止もされていないことから更に感染者は増えるものと推測できる。いや、推測してかからなければならない。検査結果次第で今日にも横浜港にという話だったが、それはもはや難しい。少なくとも潜伏期間とされる2週間は感染防止対策等でそのままの状態を維持するしかない。万が一でも降船を認めれば、横浜自体が経済パニックになるのは容易に想像できる。人気のない観光地横浜が魅力どころか恐怖感に覆われてしまうことになるだろう。
 優雅な王女様も、こうなるとその大きさが重い代償となってしまったということだろうか。乗船者並びにご家族の心配はさることながら、見守るしかない私たちの想いも複雑な心中なのは間違いない。