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No.3001 躾、体罰、折檻、虐待(2)

2018.06.14

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 福祉部長「平成12年度制定の児童虐待防止法は、20年度には強制立ち入り権限が追加されるなど制度強化が進められてまいりました。県では法令に基づき、児童虐待に着実に対応するとともに、更なる改正が必要な場合には積極的に国に働き掛けてまいります。また、要保護児童対策地域協議会において市町村、児相、教育、医療、警察などの関係機関が参画し、情報共有や取り組みの確認などで連携を図ってまいりました。さらに、それぞれの関係機関が虐待ケースにしっかり対応するためには、職員の対応能力の向上を図ることが重要です。そこで、県ではOBも含めた児童相談所職員を市町村に派遣し、専門的な指導を行う一方で、市町村職員の実務研修などを行い、資質向上に努めてまいります。また、学校の教職員に児童虐待防止研修を行うとともに、教育局が行う研修に講師として派遣するなど、教育との連携においても子供の安全を最優先に対応してまいります」(以上抜粋要約)

 警察本部長「児童虐待は、心身への影響ばかりか生命の危険もあり、未然防止の観点から早期救出・保護など被害の拡大防止を警察の重要な責務と位置づけ対応に努めます。現在、県民からの通報や相談により虐待事案と認めた場合には、速やかに児相へ通告するとともに、児童の安全が疑われる場合には、警察官が直接状況を確認し、児相からの援助要請には積極的に対応いたしております。今後とも、児相や市町村などの関係機関と緊密に連絡しながら事案への介入を積極的に行うなど、児童の安全確保を最優先にした対応に努めてまいります」(以上抜粋要約)

 これは前号で示した私の質問に対する当時の福祉部長と警察本部長の答弁内容です。言葉が形式的に過ぎ、福祉部長は警察との関わりには弱含み、警察本部長は実態が把握し切れていない様子で、上っ面な感じが否めませんが、これは一般質問特有の有り様で、とくに縦割り見直しに関する内容の場合だいたい物足りないまま終わってしまうのが通例です。
 今回の結愛ちゃん虐待死事件の場合は、児相職員の対応不十分さが原点にあり、対応力の欠如か認識不足か、はたまた職務怠慢かは不明だが、警察への援助依頼が実行されなかった。ことに、関係機関の連携がいかに重要かは6年前の私の質問時でさえあきらかになっているわけで、全国的な取り組みが遅れている案件と言っても過言ではない。あれから何人の子供がひどいめに有っているか。
 埼玉県でいえば、
 2012年熊谷で1カ月の哲平ちゃん暴行により右足骨折、脳損傷で死亡
 2013年久喜で14歳と10歳の姉弟が母親に刺されて死亡、
 同年8月さいたま市で1歳凛愛ちゃん母親により炎天陽気に放置死
 2014年春日部5歳男児が全身打撲で重傷
 同年6月草加で3歳舞風ちゃん継母に押し倒され急性硬膜下出血で死亡
 同年12月さいたま市で7歳男児が父親の暴行により急性硬膜下出血で重体
 2015年狭山で羽月ちゃん3歳が全身やけどやあざだらけで死亡
 2016年岩槻で2ヵ月の男児が頭の骨を折り重傷

 躾と称した似非躾は枚挙にいとまがない。そして、躾が加害者側の言い訳になっているから始末が悪い。私たち世代は心の痛みも身体の痛みもともに理解できている世代と言えるが、20代、30代の若い親の感覚は理解に苦しむことが少なくない。一昨日は、臨月の若い母親が漫画喫茶で生み落とし、産声でばれるという理由で我が子を絞め殺し、コインロッカーに放置した事件があった。快楽は求めても避妊の知識がないのか怠るのか、安易な妊娠が多いように感じる昨今ではないだろうか。もちろん、立派な若者もいるのだが、世間というのは当たり前の存在や当たり前の思考は表面に出ることが少なく、少数意見や反主流思考が大きな声となって世にはびこるものである。
 バツイチという言葉が当たり前のように発せられる社会になり、とくに継父による虐待と夜泣きに耐えることの出来ない若親が増えてるように思えてならない。こうした事案は氷山の一角であり、全国規模で言えば今現在も虐待されている子供がいるかもしれないといった虐待過密列島状態なのである。
 前号のブログを発信した翌日の新聞で、上田知事が児相が把握した虐待と疑われる案件のすべてを県警と情報共有する方針を示したとの報道がなされた。理由は、今回の事件で児相と県警の連携強化の重要性が指摘されたことによるとしている。何を今更と言いたくもなるが、まあやらないよりはやるべきであると考え、遅れたことはこの際問わないこととしよう。もっとも「県警と調整している。本年度中にも出来ると思う」ですと・・・どこかのんびりしているようで。縦割り解消は現場サイドからするとなかなか難しいということなのだろう。長く続いてきた伝統慣習であっても、時代と社会の変化に合わせて柔軟な対応をするべきなのだが・・・・。
 まだ、この案件、書き足りない。後藤啓二弁護士のことも書きたいところで書いていない。
 米朝会談・・・あんな世紀のパフォーマンス・ショーなど評価の対象にもならない。アメリカン・ファーストのコストカッターマンとして世界の安全保障を後手にするところは、米大統領かつ世界政治のリーダーとしての資格が欠如しているように思える。とにかく困ったものだ。今回の会談実現は中間選挙プラスノーベル賞狙いなのだろうか。金正恩の背後にはしっかり中国がいるというのに騙されるにもほどがある。
 開会前日の監督交代。ハリルどころの話ではない。こうした点で人情は存在しない。契約社会をまざまざと知らしめたスペイン。日本人的には評価の分かれるところだが、けっしておかしなことだとは思わない。それと、個人的な思いで恐縮だが、本田より香川好みの小生としてはパラグアイ戦の結果はスカッとした。次回は再度虐待関連で・・・しつこくてすみません。