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No.2961 経済に変化はあるか?

2018.02.01

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 雨から雪に。大地に潜む体動をキャッチする噴火予知、地震予知と違い、気象予報は適格だ。明日は通勤時間帯まで降り続くということで、見た目には美麗で風情を感じさせる雪だが不慣れな関東人には厄介な相手だ。

 今日、29年度補正予算が可決した。2兆7073億円という額で「人づくり&生産性革命」「働き方改革」「災害復興」などに対応した内容となっている。参議院予算委員会は立民に移籍した蓮舫前民進党代表が質疑に立っていたが、今一つ低調な指摘が多く自らの政治スタイルを変えようという姿勢は見られなかった。それよりも「借金が増える赤字国債の垂れ流しはやめてもらいたい」と総理に攻め入るも、「前政権時代の発行額より少ないということをご確認いただければと思う」といった答弁でまたもやブーメラン現象を受ける始末。野党の茂木大臣の線香問題もジャーナリストからの反政権スキャンダルの提供とおぼしきもので、質疑項目として適切かどうか。一昨日の質疑で「米軍基地を日本の管理権にしてはどうか」という質疑に対して河野大臣が「実現に向けて努力する」と答弁したのが印象深い。提案型の質疑は納得感を増長させる。社交辞令で終わらないようにと心で叫んだ。頼みますよ、河野大臣。

 ところで、製造業の基幹産業である鉄鋼業界が好調な決算状況を相次いで発表し大手三社は新日鉄と住金は1千億円超、昨年不正が発覚した神鋼は450億という黒字幅となった。同業界は中国をのぞき世界的に好況だということだが、中国景気の今後の動向が気になるところ。習近平の元「躍進」を掲げる中国だが、チャイナファーストに対する世界の目はアフリカを除き徐々に厳しさを増しているようにも思える。
 毎年2月は各企業による経営数値が発表されるがどんな内容となるのだろうか。為替変動の影響という本質的な経営と異なる面は別にして、デフレ脱却と賃金上昇、さらには中小企業の安定という政権の経済構想がどれほど実現するかはここにかかっている。好調な経済はトップダウン的流れで大企業から中小企業へと段階的に浸みてくる。逆に不況は中小の倒産を発生させる傾向にある。そういう意味では中小が内部留保をしっかり確保できるくらいの状況になるのが理想であり、今こそその足掛かりへのきっかけと期待する。ただ、大企業の内部留保が高額かつ優先という経済システムはいかんともし難い。
 安倍総理が要求した賃金3%アップに対応しようと名乗りを上げる企業が現状複数あるのは明かるい。これこそ大企業から率先して実現してもらいたいものだ。メディアによる経済アンケートで「景気が良くなった実感がない」と答える人がまだまだ多数派という事実は、ここに起因している。物価が着実に上昇傾向にあるというのを買い物に同行するたびに感じるが、物価上昇が先行し賃金上昇追従型という日本経済の現実は国民の不況感を持続させるマイナス要因でしかない。タンス預金は膨らんでいるというが、先が見通せない超高齢化による人生100年健康寿命社会を見越してのものだとすればそうそう簡単に消費に向けられるとも思えない。GDPや有効求人倍率の上昇は間接的には高齢者に影響があるのだが関心度から言えばけっして高いとは言えない。若者はどうかと言えば車離れ、酒離れで将来に備えて消費を手控え財テクに走る傾向が見える。話題になったコインチェックの実態はインターネット内で動くマネーゲームであって売買行為の対象となる通貨ではない。27歳の若者が巨額を管理する時代を理解するには我々昭和の頭の固い人間には難しい。
 雪で葉物野菜を中心とした相場価格は異常だ。2度目の雪でさらに高くなる可能性もある。前段で示した雪の厄介度は物価という点でも我々を苦しめる。
 国民が受ける景況感と政治動向は密接な関係あることを考えると企業責任もコンプライアンスだけではなく社員一体の家族観を強く示すべきだと思うのだがいかがなものだろうか。
 とりとめのない話で恐縮です。