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No.2970 過大補助金顛末その2

2018.02.17

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 幸手市の過大補助金問題が連日の新聞報道となっている。前号ブログに対していくつかのご意見が届いている。やはり「客観的にみて不正とはいえない」という幸手市の土地改良区に対する感想表現に納得できない方が多いようだ。しかし、これはあくまでも新聞報道なので一言一句を伝えているかどうかはわからないし、ニュアンスが違うという可能性も考えられる・・・が、この問題で客観的という言葉を一方の当事者である市が使うことに対して違和感を持たれるのは当然であろう。
 さて、そして昨日の読売朝刊である。編集担当者が意図的にそうしたかどうかは不明だが、上尾市の収賄市長と、川越市長の浸水被害時の責任問題と幸手市の問題が隣合わせに編集されている。

 上尾市の事件は、市長と議長の馴れ合いが生んだ県内では久しぶりの大型汚職事件だった。何度か交流を持ったことのある議長は、弁がたつ押しの強いタイプで上尾議会を長年牽引してきた方である。今回のいきさつについては片聞きの可能性もあるので控えるが、新市長に就任された畠山実市長は県議時代に一方のリーダーとしてお付き合いさせていただいた民進党の県議だ。国や県の交付金や補助金を得ることにどれだけの力を発揮出来るかがカギとなるだろうが、人柄は温厚温和で実直な方なのでエールを贈りたいタイプである。

ファイル 878-1.jpg 川越市と幸手市については、編集の関係からかついつい比較してしまう。前述のように記事の配置もそういう感覚で並べられているし、なにより責任の取り方に相違が見られる内容となっている。
 川越市は、昨年10月の台風21号による大雨時の不適切対応に対して組織長としての責任を示したもの。内容は市長給与を2か月間30%減額するというもの。
 幸手市は、1982万円の過大補助に対して職員に対する管理監督責任から市長給与を2か月間10%減額し、さらに副市長は2か月間5%を減額するという内容である。
 さて、いかがなものか・・・私は「職員に対する管理」というのは余計なフレーズだと思う。トップが責任を取る時はえてして職員(社員)の不始末による場合が多く、原因がトップ自身に起因している場合、多くは犯罪に近い内容でトップの交代劇につながる場合も少なくない。幸手市の内容は、事はあくまでも職員のやったことだと言ってるようなものですっきりしない。副市長の減額も意味を感じない。監督責任は市長一人で負うべきで、通常の一般社会感覚で言うなら、副市長まで責任をとらせるなら部長までの責任を明確にさせるべきである。なぜなら、私の経験と感覚から言えば部長クラスは民間の取締役クラスに近く、日々職員の身近にいて仕事を指示し、報告を受ける立場だからである。さりとて、部長の責任を明確にせよというのではない。あくまでもトップ一人が責任を取れば済む話であり、トップの責任の取り方として甘い!と言わざるを得ない。
 金額面であえて言えば、反省とお詫びを示す額とは思えない。見せかけとまでは言わないが、痛くも痒くもない額のはずだ。川越市との違いをここにも感じる。
 今回の出来事から感じるのは、金額はさておき、職員責任を盾にして、副市長を共連れにする責任の取り方はいかがなものかという点を指摘しておきたい。/span>