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No.2897 繰り返される豪雨被害

2017.07.08

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 まだ茨城県常総市の鬼怒川決壊による豪雨被害が目に焼き付いて離れない中、九州北部でまたまた地域の惨状が映し出されている。今回の被害も甚大な状況で15名もの死者が出ており不明者もそれ以上の数にのぼっている。
 亡くなられた方々には慎んでご冥福をお祈り申し上げます。

 土砂崩れによる倒木・流木・家屋破壊は住民を恐怖に陥れ、目を見張る暴れ川の濁流は橋脚や鉄道を流失させ、毎度のように道路を削り、家屋を襲う。こうした光景は古い時代は毎年の出来事ではなかったと思うが、近年は毎年のように発生している。しかも、この実情は日本に限らず世界中どこでも見る始末なのだが、地球全体を取り巻く環境が異常な量の雨をもたらしているのは間違いない。
 雲ひとつない澄んだ青空も、スーパームーンや煌く星空にうっとりし、しばしのやすらぎを感じさせてくれる夜空も、時に恐ろしいほどの雨水をとどめ、一気に地上を叩く。それも信じられないほどの雨量になるのが昨今の当たり前のような天候。また、竜巻警報など昔はなかったはずだが今ではこれも当たり前になりつつある。
 地球をまるごと俯瞰する天空はいろいろな顔を持つが、大地に与える影響は気まぐれそのものだ。用心するにもしようがないともいえる。とくに水の恐怖は津波を例に出すまでもなく人知を越えて人地を容赦なく奪う。

 地球温暖化・・・エルニーニョ現象という言葉も聞き慣れた感があるが、パリ協定を存外にし、アメリカファーストを決め込んだトランプアメリカを世界は厳しく諌めるべきだと強く感じる。暴れる天空との因果関係ははっきりしている温暖化を、未来のためにとかの抽象的な話ではなく人命第一はもとより世界の農業が一時的にせよ沈没し行き詰まることを憂慮し、防ぐ手立てを講じなければならない。アメリカがこの分野でリーダーシップをとらなければ、空気汚染№1大国の中国の姿勢を改めさせることなど不可能だ。
 地球のどこかで起きている天候異変による悲惨な光景をただ見つめなければならない実情から早期に脱皮し、本格的なプロジェクト対策をと、災害の現実を目の当たりにするたびに想う。もちろん、地域単位で命を守る災害対策が必要なのは理解するが、太古の昔に形造られた地形や標高差がもたらす自然災害に打ち勝つ対策が簡単に見いだせるはずもない。となると、明日は我が身という意識を持ち、個々に出来るところから地道な対策をという・・・結局原点に戻ることしかないのかもしれない。