記事一覧

No.3622 街の美化について

2022.10.23

 深まりつつある樹々の模様替え、旅行支援で紅葉が見頃の名所での予約が増えているといいます。どこぞにと想いますが、はて? なかなかといった状況です。

 前号で「何度も訪れたい街になるには」という自治体に与えられた命題について考える機会を持ちました。行政課題としては、教育、防災、子育て、高齢者福祉といった点を優先かつ中心に、それぞれ市民目線で具体的な対策を練る必要があると思いますが、それらとは別にいつも感じていることは、街全体の美化についてです。街路樹の剪定や植込みの整理整頓といった道路面の景観などは、行政施策として大切な範疇です。
 ただし、ここで考えたいのは、市民が自ら街の美化や生活環境を損ねているという実態です。

 全国都市問題会議で耳に新しい言葉として、自治体が人口問題を考える時、関係人口というワードをヒントにするという話がありました。自治体はその街の人口だけですべてが動いているわけではなく、市場規模というマーケティング理論を常に基本としているというものです。別に新鮮な思考ではないのですが、人口減少に一喜一憂することはないと理解すればいいのでしょう。
 最も、経済も人口も流出なのか流入なのか・・・そこには繊細かつ微妙な因果関係があるのも事実です。わかりやすい例としては、最近、茨城県境町の市場規模の拡大戦略が近隣近郊に向けて行われていると感じています。その為に、前述した行政課題の環境整備を着実に整え、タウンセールスに励んでいます。
 じっくり、境町を訪れ街をくまなく覗いたことはまだありませんが、例えば、小さな小さなことかもしれませんが、街の美化という観点ではどうなのだろうかと。ゴミの類やペットの糞がポイ捨て状態になっていないかどうか。
 いきなりポイントを絞った話で恐縮ですが、我が街、自分が住む街が、そうしたポイ捨て、放置状態が各所に見られたとしたらどうでしょうか。
 そもそも、犬の糞は持ち帰ってくださいという看板の存在を必要としない街になって欲しいとは思われませんか? これが行き届いたとしたら、それこそ自慢できる我が街、我が地域ではないかと思うのです。

 さて、ここで!
 昨日、旧香日向小学校校庭内に写真のような実態がありました。そもそも校庭は犬の散歩場所ではありません。しかし、そこで散歩どころか自由には走らせたなら、ワンちゃんも自然の摂理に襲われるのは当然です。校庭はドッグランではありません。現物は見るからに大型犬のものです(あえて拡大することはありませんが)

ファイル 1549-1.jpg 市内のすべての学校は、学校開放委員会の管理の元、いろいろな団体が利用しています。土日に集中していますが、スポーツ少年団の利用も此処が主要な場所となっています。この写真が示すものは美化精神以前の問題です。まして、これが初めてではないのです。
 心無いペット愛護は一般道路でも散見される現状ですし、道路や歩道にもいろいろなゴミがあります。人が為すことですが、必ずしも当地の市民だけの問題ではないはずです。そこに関係人口という概念を当てはめたら、犬の糞は持ち帰りましょうという看板ではなく、日本一美しい美化推進の街といった看板を立てたいくらいです。
 おそらく糞置き去りの飼い主さんは限られていると思います。住みたい街、住みやすい街にはこうした微細な点から改める必要があると感じます。美しい街、美しい地域を! そうでないと、何度も訪れたい街どころか、ヤングファミリーなどは住みたくない街に感じてしまうかもしれません。
 こんな想いで街を大切にしたいものです。それには身近な小さなことから・・・この考え方が市民全体に広まればと思わずにはいられません。

No.3621 全国都市問題会議

2022.10.22

 先週、13~14の二日間で行われた全国都市問題会議。テーマは・・・
個性を生かして「選ばれる」まちづくり
   ~何度も訪れたい場所になるために~

ファイル 1548-1.jpg このテーマで5名の方による講演と6名の出席者によるパネルディスカッションが行われました。
 タイトルからは、幸手市にとってハードルの高い課題だと理解しつつ、不可能を可能にするという気構えは持ち続けたいとの想いを持っての参加でした。

 11人の講師の中に4人の首長さんがいましたが、それぞれ
❖長崎市は開催都市で人口40万人の世界的観光都市
 田上市長は九州大学卒後、1980年に長崎市入庁
❖山形市は人口24万人の県庁所在都市
 佐藤市長は東大法卒後、経産省に入省し、著書に「M&A国富論」
❖伊丹市は人口20万人で関空の完成前までは関西の空の街として知名度は高いものがある。
 藤原市長は東大工学部卒後、建設省入省。近畿市長会会長、全国民間空港関係市町村協議会会長。
❖飛騨市は人口23,000人だが792㎢という広大な面積を持ち、飛騨高山観光ラインの一角で、白壁土蔵街、スーパーカミオカンデなどで知られる街
 都竹市長は筑波大社会卒後、岐阜県庁に入庁

 街と市長の略歴は以上ですが、4方とも国・地方の違いこそあれ、すべて行政職の経験者です。経験はもちろん、人脈という点からもなるべくして成った首長という感じですし、実際にそれを活かして職制に励んでいらっしゃるものと感じました。
 地方の過疎都市が県や国という中央に繋がりがあるのは街づくりの点から大きな原動力になることは間違いありません。幸手市でも、副市長が県の都市整部長という要職にあった方で、今月の県営第二公園のオープンや、県道383号線の4号バイパスまでの延伸事業決定が示されたことなどに結び付いているのです。

 全体的には、心構えとか職員とのコミュニケーションといった話では参考になるものも多くありましたが、豊富な予算(とくに長崎など)で常に変貌している自治体は参考になると言うより、羨ましいという羨望観が勝ってしまうのは仕方のないことです。もう少し講演される都市の選択を幅広い観点からすると良いかなと感じた次第です。
 私自身、民間で叩きこまれたこともあって、ジャパネット社長のトップダウン経営と、長崎市との連携で重要な役割を果たされている高尾氏、桐野氏お二方の話は素直に耳に入りましたし、街の大小に関わらず納得できる内容が多々ありました。
 ジャパネットの高田社長は東大出身の43歳2代目社長ですが、あの先代社長がこれほど早く社長の座を譲ったことが理解できる器の方だと実感しました。
今ではほとんど経営に口を挟むことはないそうです。今は長崎駅に近い三菱系所有の広大な土地を購入しスポーツスタジアムを建設するそうです。単にスタジアムだけではない、新幹線開通による長崎駅に直結する形で「スタジアムシティ・エリア」と名付けたビッグプロジェクトだということです。
 この駅周辺の開発が完了するのは3年後だそうですが、佐世保でカメラ屋さんから始まった一店舗が、国を代表する通販会社に成長し、県と市の発展のために資本を投入するという現実は、10年前には想像もしなかったものと思います。
 長崎市景観専門監という肩書を持つ高尾忠志さんは、市職員とのあたたかい交流が多くの仕事の場面で生かされていることがよーく理解できました。まさに長崎の観光景観のプロデューサーとして八面六臂の活躍をされています。 
 他で私が興味を持ったのは、田中輝美さんの講話でした。詳細を書くと超々長文になりますが、島根県を中心として中国地方に根付いた街づくりやコミュニティ推進に尽力された方です。一言で言えば、島根大好きを仕事に生かして人間関係が街を豊かにするという哲学をお持ちの方だと感じた次第です。

 というようなことで、夢を形にするという思考が政治には必要ですが、冒頭述べた通り、幸手市の現状は「人口減少防止」という行政環境下にあり、何度も訪れたい街という観点ではかなり厳しいことは間違いありませんが、未来のために、未来に向かって焦点を合わせた行政を進めていかなければならないという実感を持つと同時に痛感した研修会議でした。

No.3619 田んぼダムってなに?

2022.10.10

アイコン

 先週の5日、6日の両日で新潟県三条市と見附市の行政視察に伺いました。
 三条市では統廃合で廃校になった小学校校舎の賃貸し及び時間貸しによる有効利用の実態。見附市では新築されたゴミ焼却清掃センター、そして内水氾濫防止対策としての田んぼダムを。
 行政視察の結果、その内容が自らの自治体で活用されることがなかなか無い実情において、今回は、とくに田んぼダムについて、コストが安価ということに魅力もあって、改めて職員を派遣することもあってしかるべきと思うに至りました。というのは、田んぼダムについて調査研究を深めたところ、いくつかの研究成果が論文にまとめられており、いずれも有効性を認めています。

たとえば・・・
❶新潟大学と見附市の合同による
「田んぼダム普及実証流出調査解析業務報告書」
❷農業農村工学会論文集
「田んぼダムによる内水氾濫被害軽減効果の評価モデルの開発と適用」
といったものです。
 ここでは、学術論文のような小難しいものは除いて、簡単にご紹介したいと思います。

 田んぼダムは、実はそれほど最新の手法ではなく、新潟県村上市で平成14年に手掛けられた手法です。その後新潟県内各地で取り組みが始まり、開発の成果が進んでいる状況です。視察においても見附市の職員さんは「実施の効果は感じるのでとても良かった」という感想を語られていました。
 当初は、田んぼに水量調整板を設置する方法から始まったそうですが、その後フリードレーンというプラ成型された直径200㍉ほどのパイプ状のものを設置することになりましたが、その後フリードレーンも研究を重ね、今はフリードレーン150A型という新型が開発されており、見附市ではその新型に変更しています。積極性を感じた次第です。
 以降は添付の資料をご覧いただければと思います。

ファイル 1546-1.jpgファイル 1546-2.jpg
ファイル 1546-3.jpgファイル 1546-4.jpg

 そして、論文では普及事業化に向けた提言がいくつか。これは見附市の職員さんからもお聞きした内容でもありました。
1.自治体と農家をつなぐ組織の活用・・・土地改良区の参画も
2.持続的な実施の推進・・・運用及び維持管理システムと効果の見える化
3.取り組みに対する農家の協力体制(意識向上)の構築
4.行政間の垣根を越えた連携・・・流域が広い方が効果大
 などがあげられています。

 稲の育成途中で「中干し」という時期があります。晩夏時期の台風で稲が倒れないために根張りを強くするために水を敬遠することですが、この時期に大雨が降ると、田んぼの調整放流は農家さんにとっていいことではないので、そのあたりも含めた農家さんの理解がポイントの一つだそうです。
 市街地内水氾濫に悩まされる幸手市において、この田んぼダムの有効性が図られるかどうか。今後の動向に注目といったところです。

No.3615 2023さくらマラソン

2022.09.30

アイコン

 早いもので長月も今日でお別れ、明日からは神無月に入ります。紅葉や台風という季節感が過ぎればあっという間に冬です。季節の折々をゆっくり味わいたいと思いますが、最近の季節の移り変わりはなぜかスピードアップしているように思えてなりません。

ファイル 1542-1.jpg そういうわけではないのですが、昨日の定例会最終日で2023年のさくらマラソンの概要が報告されました。そうそう、今議会も大きな問題もなく全議案が承認可決されましたことをまずもってご報告しておきます。
 さくらマラソンについての詳細は担当部署からの配布資料を添付しましたのでご覧いただければと思います。私は参加したことがないので詳しくはわかりませんが、今回のコースは今までと変わったようです。

ファイル 1542-2.jpg 幸手工業団地周辺も桜堤と同じくさくらの名所で、団地内の会社間で結成されているコミュニティのネーミングも桜和会というくらいです。
 とくに①~②の幅の広い通りはさくらのトンネルを仰ぐようで、私の大好きな通りです。また、吉田地区ののどかな原風景に癒されながら走るのも爽やかでいいでしょうね。

No.3609 順調に進む議案審議

2022.09.14

 9月議会も順調に進んでいます。というか、議員間または執行部と議会間での議論が熱くなるとか相まみえるといったテーマが少なく、それが良いことかどうかは難しいところながら、その判断も出来ないほど穏やかな議会です。
 執行部提出議案が付託された委員会質疑が昨日の文教厚生委員会から始まり、今日はその二日目でしたが、午前中で審議が終了しました。一部質疑と答弁がかみ合わない部分もありましたが、それ自体はいつもあることです。
 幸手の財政的指数は必ずしも悪いとは言い切れないのですが、財政支出規模の大きい課題が多いことから、そのための緊縮財政を展開せざるを得ないのです。幸手市は金欠状態だと理解している市民が多いのも、そういった状況が思いの裏にあるのでしょう。
 現在の状況は、歳出規模の大きいものは国費、県費からの交付金によるコロナを要因とする感染防止対策関連と経済対策関連の歳入歳出審議に時間が割かれる状況です。基本的には順調に進捗しており、計画・執行共に不備は無いと私は感じています。

 それにしても、今日委員会終了後に車に乗った際(12時20分頃)なんと車内で示す外気温が38度を示しているではありませんか。天気予報ではそこまでは言ってなかったと思いますが、この気温は一体どうした事か。また真夏に逆取りかと思ったら、今日の日本列島は各地で30度後半の気温が続出していることを天気予報で伝えているではありませんか。まだまだ熱中症対策が欠かせないと感じました。コロナ対策もあるし、やれやれといったところです。健康管理にはくれぐれも怠りなきよう!

No.3605 一般質問からご紹介

2022.09.05

アイコン

 既にご案内した通り、2日の金曜日に始まり、5日、6日と計3日間にわたり9月議会の一般質問が行われます。
 2日の初日には5人の議員が登壇しましたが、質問内容に応じて執行部側が資料を用意し、議員に提示することが最近の在り方として増えています。その中で市民の皆さんにもと思うものが時折あります。今回2点の幸手市情報をご案内したいと思います。
ファイル 1532-3.jpg 一つは会派僚友の坂本議員の質問に関連して提示された「天神の湯」の経営状況です。かなり以前から、4年でおよそ1億円以上の赤字が積もる状況になっています。私は20年前の計画時から必要ないと一般質問で訴えていたわけですが、この傾向が長期化する中でも利用者がいるからと運営を継続するのは一般企業であればあり得ません。投入資金は税金であることと、幸手市の財政状況、喫緊の課題との絡みを重く考えて欲しいと指摘するものです。坂本議員もそうした思いで一般質問されたはずです。
ファイル 1532-4.jpg もう一つは、本田議員の質問に対しての市内避難場所及び収容人数に関して提示されたものです。収容人数の認識としては人口を充たすものではないということを原則的に理解しておくべきでしょう。
 どちらも表形式でわかりやすくなっていますのでご覧いただければと思います。
 私は、今回最後の出番となっており、6日の午後になるかと思います。質問にあたり、ここ数日資料作成のためにデータ把握やらまとめやらに時間がかかっています。執行部側に資料提示を求めておくこともありますし、自ら資料を作成することもあります。今回は後者になっており、気合を入れて?・・・というほどでもないのですが、質問の裏付けになればとキーボードに向かう時間が多くなっています。それが空回りしないように、そのあとは発言内容の準備マトメが待っていると言った感じです。

ページ移動