我が国の外交がどうにもおかしい。中国に対する各種プレゼンテーションやパンダくださいの膝まづき外交に徹しているかと思えば、トランプによる関税問題に対しては同盟国と言えども言うべきことは言わなければならないと石破さんは強気の姿勢。日本の立ち位置からすると自民党政治が様変わりしたかのようだ。トランプが石破さんを同盟の友としての資格を備えていないと認識していることがわかってのことかどうか、とにかく嫌われれば受けて立ち、後ろからでも何でも批判をするという石破さんの人間性がそうさせるのかもしれない。
たしかに、海産物の輸入規制が解除されるなど、中国側の歩みよりは見られるが、一方では先島諸島上空で日本の警戒軍機に50メートル近くまで接近したり、経済水域に複数の軍船が入れ代わりで入り込んだりと、防衛的観点からの中国の強気姿勢は度を越している。
そして選挙戦だが、5日に石破さんが埼玉入りした。川口や川越など主要都市の駅前での演説会は自民党総裁の常だが、同時にさいたま市では大宮駅前というのが通常。ところが、今回はなんと東武アーバンパークラインの七里駅が総理凱旋の場に選ばれた。大宮駅であれば全国でも有数の不特定多数の駅利用者が多いというので納得もいくが、七里は大宮駅からローカルラインで4つ目、春日部からも4つ目と、地域住民以外の駅利用者が少ない地区である。どうして?とふと考えてみたら、すぐにその理由が理解できた。自民党県議団団長の地元なのだ。つまり、県議団の要請に自民党本部が満願の対応をしたということになる。
LGBTQ法案、子どもを家に一人にしたら虐待だとする条例、そして選択的夫婦別姓など、保守自民党イメージを千変万化させる方向に舵を切ることで、全国の自民党員から、そのいぶかしさを論じられるのだが、肝心の本部も石破政権になって、こうした問題を容認というか、LGBTQなどは法案成立寸前までの状況になった経緯がある。
その総理凱旋の場での団長演説でこんなことが・・・参政党は日本ファーストというが、日本ファーストをずっと守ってきたのは自民党です!と。
私はこの話に大きな疑問を感じるのだ。政治は、とくに選挙ではそれまでの主張と180度異なることを言っても許されるところがあり、有権者は過去との比較など出来る材料自体が無い。
何が言いたいかと言えば、さほど古いことではないが、自民党県議団はLGBTQに反対した県議を除名した経緯がある。もちろん除名の理由は別なのだが・・・。その除名された今は無所属の高木公介県議が先月、川口で社会問題化しているクルド人問題で現地視察をした際、クルド人たちに執拗に追い回され、出てこいと車の窓を叩かれるという間一髪の事件があった。しかし、大野知事も川口市も、また同地区の自民県議・市議たちも、この問題に政治的解決の道を積極的に探るという姿勢が感じられない。おそらく複雑な問題があるのだろう。
ならば、先の団長の演説はどうだろう。今自民党県議団のトップにある政治家として日本人ファーストに整合性はあるのだろうか。クルド人問題は、今や川口、いや埼玉、いやいや全国的な外人容認問題となっており、まさに選挙公約に謳う政党もあるのだ。