記事一覧

No.2920 世界に信も親も厚い安倍外交

2017.09.20

アイコン

 安倍総理の積極的な外交姿勢が際立っている。渡米目的は国連一般討論演説というマスコミ報道だったが、実は北朝鮮問題への協力体制を求める説得外交と日本経済への信頼と安全性を訴え、鈍足化を指摘されているアベノミクス加速のための投資依頼等々が演説以上の目的だったようで、その分刻みの外交に余念がない。
 たとえば、アフリカで国連理事国に選ばれている5カ国の首脳との会談で北朝鮮への対応への一体化を求めている。これはアフリカの50数カ国の9割に及ぶ国々が北朝鮮との国交を有していることに起因する。また、その後核開発で北朝鮮とのつながりがあると言われてきたイランのロウハニ大統領との個別会談の場も持ち、東アジア諸国の安全はイランにとっても大切だとする北朝鮮批判の言葉を引き出している。もちろん、トランプ大統領との会談もセットされている。こうした総理の積極外交を見る限り、本来、北朝鮮問題で先頭に立つべき韓国の存在が逆に見えない状況だ。
 また、今回の国連会議に習近平もプーチンも渡米していない。アメリカの力の低下を望み、それを画策する両大国の存在は国連にあって協調性を欠く存在でしかない。
 そして、トランプ大統領は横田めぐみさんを指す「北朝鮮は13歳の少女を拉致した」と演説し、金正恩をロケットマンとネーミングした。その過激な発言の良し悪しは別にして、日本人拉致被害を念頭においた発言をしたことは意義深い。
 今日の一般討論演説の内容に関心が及ぶが、メディアは解散をトップニュースとして位置づけているようだ。野党も、また都知事までも解散に大義がないと言うが、そもそも4年任期を全うすることがない衆議院にあって昨年末から解散時期が話題になっていたではないか。与党の判断が解散の是非を考慮させることになる。テレビのワイド番組もかまびすかしいが、私は今回の解散選挙は「現政権の外交・経済信任選挙」だと解釈している。それで充分ではないか。
 共産党などは先の国会で解散をしきりに求めていたではないか。その通りになったと思ったら、「大義がない」「もりかけ隠し」だと批判。この段階でこの批判がすでに選挙戦における自民党批判を展開する選挙戦術だと理解出来る。他の野党も同様だ。もりかけ問題の追求を叫ぶ状況は日本の天下国家を論じる上でセンスの無さを露呈してはいないだろうか。さらには、失われた年金という言葉がまたまた走り出しているが、すでに野党側も選挙戦を充分意識した取り組みをしているはずなのだ。

 外交・経済の信任・・・民主党時代に貶められた日本の安全保障に拘わる外交を地道に回復させた安倍外交は、任せられる他者がいないと感じさせる。世界の首脳はこずるくしたたかだ。私とて安倍総理の超長期政権を望んでいるわけではない。ただ、少なくとも来年の総裁選挙でさらなる3年を尖閣をはじめとする南方問題、憲法問題、対中露外交、そしてアベノミクスの進展という観点において信を得てもらいたいと考えている。外交・経済という国政のマトリックス的な核心部を大局観から変革するためにはいかに安倍総理をもってしても短期間では難しい。そのためには来月の選挙でふらつく野党に凱歌があがる結果では国家の未来を危惧せざるを得なくなる。
 世界から信頼も親近感も厚く得る安倍総理。肝心の日本(のマスコミ)が、北朝鮮、韓国、中国と同等もしくはそれ以上に安倍政権に批判的と考えるのはけっして過ぎた思考ではない。