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No.2285 巨星逝く

2013.01.20

 昨年は大物著名人の訃報が相次いだ。年が変わって、まだまだこれが続く傾向のようだ。大島渚監督、横綱大鵬・・・日本のヌーベルバーグ、昭和いや近代の大横綱として、いずれも記憶に残る時代を牽引した大物であった。

 大鵬さんについては、わずか数日前に名門二所ノ関部屋が消滅するというニュースに驚いたばかりだった。
 あまりに強すぎて年がら年中大鵬さんが優勝する反動もあって、怪我が多かったが豪快な相撲をみせてくれた柏戸さんへの応援をしたものだ。小学3年の時、確か史上初めて横綱同士の千秋楽全勝対決をラジオで聴いた栃若時代があって、初代若乃花の大ファンだったが、その直後の柏鵬時代のほうが我が相撲の記憶の中で最も強烈な印象として残っている。
 柏戸さんが怪我から数場所ぶりに復帰しての全勝同士の対決で、柏戸さんが涙の全勝優勝をしたことがあったと思うが、大鵬さんは柏戸さんに対しては、常に悪役的存在だった。
 晩年、はたき込みでの白星が多くなり、寂しさを感じたものだが、結局はふところが深いため、中に入りきれない相手が無理に入ってくるところを上からはたくという大鵬さんの強さがそうさせていた。それだけ楽に勝てるほど強かったということだったのだろう。

 力道山、栃若、そして昭和33年の長嶋さん巨人入団、柏鵬、東京オリンピック、ビートルズ来日、ON巨人9連覇、大阪万博・・・。
 団塊の最終世代だった私だが、この時代の小学生から大学に至る時代は、日本の右肩上がりの頃で、世相を反映する出来事や人物とすべて巡り会えたことがなにより素晴らしかったと思っている。

 巨人、柏戸、のり弁当だった私だが、実は巨人、大鵬、卵焼きでもあったことを大鵬さんに捧げたい。実を言うと、当時おふくろが作ってくれたお弁当は、必ず2段のり弁で、卵焼きと梅干がのっていた。
 近代の大横綱 大鵬(納屋)幸喜は永遠です!