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No.2649 新たな課題は即解決の道が防災対策

2015.09.15

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 水の恐怖をまざまざと見せつけられた大洪水被害。まずもって被災された皆様に慎んでお悔やみ申し上げますと同時に、心からお見舞い申し上げます。

 そうした状況下にあって、行方不明になっていた15名全員の無事が確認されたというニュースにほっとした次第。自然災害のたびに行方不明者が発生するが、多方は死亡という結果で発見されることが多いように思う。今回の場合、奇跡的ともいう結果と言えるのかもしれないが、考えてみると災害時の情報のあり方につぎのような新たな課題が見つかったのではないだろうか。

◆当該自治体である県と市町村の情報共有の問題
 今回、常総市が全員無事を議会発表した際、県の防災対策会議ではまだ1名について未確認としていた。結果からは問題が大きくはならずにすんだが、どちらが正式発表するにしても、県と市町村は互の情報を確認してからにすべきである。
◆行方不明者の設定の仕方に残された課題                 なぜ、行方不明者15名の情報となり、ただそれだけの情報が長時間にわたって流され続けたのか。それにより、自衛隊、警察、消防の多くの人間が捜索活動を続けることとなった。神経をすり減らしての救助活動から休むまもなく活動を続けた彼らの疲労は、極限に近い状態ではなかっただろうか。
 災害対策本部機能がどのように働いたかは分からないが、各所の避難所をつなぐ連絡とそのシステムはどうなっていたのだろうか。避難所に行方不明者の名前を貼り付けることで、元気でいることがもっと早く知らされることはできなかっただろうか。テレビで行方不明者を発表する方法もあったはずだ。

 こうしたたびに、個人情報保護法が不測事象対応策のいらぬハードルになっているのではないかという疑問が沸く。 

次の二つの例について皆さんはどのように感じられるだろうか。
■一つは、住民基本台帳という行政が保有する個人情報の最たる資料を、社会活動と称する会合の人集め用の案内目的?に、閲覧をオーケーする自治体があること。
■もう一つは、財務省が提案している消費税軽減税率実施方法案は、わずか年間限度額4,000円のために、マイナンバーカードをスーパーなどでの買物時にレジに提示させ、それにより個人口座に還付するというシステム。
 これはまだ確定ではなく検討の段階ではあるが、個人情報の集約とも言うべきマイナンバーカードを常に持ち歩き、そういったことに使用させることにどうもガテンがいかない。
 以上の二つは、逆の意味での個人情報取り扱いの問題提示である。
 
 このように考えると、個人情報保護法の本来の目的と、その例外事項を見直す必要に来ているのではないだろうか。それを暗示している今回の行方不明者騒動だったと思えてならない。 

No.2647 大雨特別警報発令

2015.09.10

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 18号が日本海に去った後で、ここまでの大雨になろうとは思わなかった。
ファイル 551-3.jpg 今、茨城県常総市の空撮映像が生中継されているが、昨今の自然災害は桁違いの規模で、既存のイメージを切り捨ててかからなければならないということを痛切に感じる。河川決壊は津波の現象を伴うことをまざまざと見せ付けられている。あちこちの家屋から住民が助けを求めている。掲題の発令も間に合わない甚大な災害が目の前で起こっている。昨夜から避難指示が各地で出ていたようだが、こうした堤防流域の住民たちの避難は何故遅れてしまったのだろうか。
ファイル 551-4.jpg 救助ヘリのレスキュー隊による活動も一回に一人。しかし、水上を進んでの救助は不可能な感じだ。外の電柱の脇で佇んだまま手を振っている人もいる。屋根の上で助けを待っているご夫婦らしき二人が見える。決壊した土手の際まで来ている人がいる。防災関係者かどうか。いずれにしてもとても危険だ。

 栃木茨城特別警報の発令は、数十年に一度あるかないかの大雨災害だとテレビの音声がけたたましい。驚くのは、千葉、埼玉以北の北関東から東北にかけての広範囲で、雨雲がほぼ同一ルートを北上していることだ。したがって、常に特定領域が固定的に雨雲に覆われている。こういった天気図もあまり記憶にない。

ファイル 551-1.jpg  埼玉県でも越谷、春日部地区の氾濫が酷いという。幸手では床上浸水が9件あるとテレビで報じている。我が地では、いつものように朝7時に登校パトロールに出かけたが、当地区の子供たちは通学休止となっていた。鷲宮方向を見ると車がはねる水の量が尋常ではない。駅よりの信号地点まで行ってみると信号直前で車が立ち往生していた。付近の方の話では、昨夜11時頃から停められたままだという。10センチほど水位は下がったということだが、今日の予報は一日中雨。手押しででも車をどかさないと考えるも、鍵がないとどうにもならない。
ファイル 551-2.jpg 警察と市役所に連絡するが、市内各所が冠水状態ということで多くは求められる状況ではないと判断せざるを得なかった。管理センターに連絡を入れて車の所有者への連絡を依頼。一定のところで、雨が止んでいたのが幸いしたようで、その後車はレッカー車によって運ばれていったが、車が通ると両脇の家が水をかぶる状態なので、通行止めの立て看板を設置する。

 9時過ぎに帰宅して市のホームページを見ると、この通りを含み8箇所で通行止めとなっているのだが、鷲宮との双方向を行き交う車はいつもと同様かなりの数だった。
 写真は幸手と鷲宮を結ぶメイン通りの午前7時10分頃。12時半に再度確認すると10時50分にこの道路の通行止めは解除されていた。いったい、いつ通行止めの指定があったのだろうか? 9時まではその雰囲気は一切なかったのだ。

 テレビ画面では次々と救助活動が行われている鬼怒川堤防域常総市三坂地区。決壊した水の流れはますます恐怖感を募らせる急な濁流と化している。
 画像に映る家屋全部に人がいたならば、とてもじゃないが空中救助だけでは追いつかないだろう。家の中で恐怖にすくんで助けを求めることも出来ない高齢者がいはしないか?
 電柱1本の元で立っている孤立した住民の周囲はもう湖だ。早くなんとかしないと! その傍の家の2階ベランダにはまだ人がいる!
 幸い、誰もいない家屋は早くから避難をしていたと思われるが、家にいた人たちは避難しなくても大丈夫だと考えていたのだろうか? こうした場面を見るに付け思うことは、災害を軽く見てはいけないという教訓である。そして、自衛隊員の命をかけた活動に深い畏敬の念を持つ次第。
 自衛隊を違憲だとする憲法学者や、暴力装置だと国会発言した仙谷某は、どんな想いでこの場面を見ているだろうか。人命救助と国防活動とは別だなどと都合の良い考え方は通じない。国防活動こそ国と国民を守る最大の人命尊重活動ではないか。

No.2606 超常現象? 世間も狂ってる!

2015.05.31

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 昨晩の地震は、まるで船の大揺れのようで、もう少し長かったら間違いなくヨイマシタ! 家がきしむ感覚で、サークラインがグルグル回る光景は、揺れの大きい2階から降りて来た家内曰く「4年前もこうだったのよ」
 しかし、4年前はすぐにテーブルの下にもぐりましたし、もっと長くいろいろなものがガタガタと・・・それはまるで轟音のように聞こえたことを忘れません。
 それにしても8.5のマグニチュードとは驚きました。また、それ以上に小笠原付近500キロ以上の深さが震源でありながら、なぜ埼玉県に5弱が観測され、伊豆七島では3か2、神奈川、千葉で4という数値なのかが不思議です

 火山性地震が各地で発生し、口永良部島に続いて、毎度ではあるものの桜島でも爆発的噴火が起こっています。昨夜の地震報道で、南九州市の親友から電話がかかってきました。「どう?そっちは大丈夫?」春日部や宮代の震度を見て心配になったようです。つい先日、私のその後が気になって我が家を訪れ、一献かたむけていったばかりですが、本当に有難いものです。彼の地元の桜島は常に活発な活動をしている火山ですが、ここ最近はとくにひどいようです。
 東では、蔵王や浅間山、草津白根にも変化がみられるそうで、蔵王では廃業した宿泊施設も出ているということです。長いスパーンで見ると、三原山、普賢岳といった溶岩流、火砕流をともなう噴火は全国であり、それとの因果関係は別にしても、地震も全国各地で発生しています。
 先日の埼玉震源の地震と比べて、はっきりと質の異なる地震が昨夜の地震でした。縦揺れ・横ゆれどちらが被害が大きいかということの前に、大きくなれば縦も横もない、怖いものは怖いというのが実感ではありませんか。

 最近、家族同士や友人間の殺人事件が多い気がします。しかも猟奇的なものも少なくありません。実子虐待死など悲惨な事件も後を絶ちません。警察官や教師が犯人となる事件も多い!
 天候異変も世界各地で発生しており、地球規模です。また、葛西臨海水族館の大型魚の大量死という不思議な現象も謎のままです。埼玉県こども自然動物園では、突然コアラが2頭亡くなりました。考えると、気味の悪い不思議な現象は、枚挙にいとまがないほど発生しているように思われるのですが、皆さんは身に覚えのあることありますか。
 超常現象とは思いたくないが、それに近い何かを不気味に感じる私はおかしいのか。やってくるのは、やはり首都圏を襲う大地震なのか・・・まさか、北朝鮮のミサイルや中国の潜水艦がやってくる??、そうか、これは超常現象ではないか。でも、可能性はゼロではないかな。

No.2582 鎮魂

2015.03.11

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平成23年3月11日、午後2時46分。
あれから4年の月日が経ちました。多くの尊い命を奪った東日本大震災は、今だにその傷跡を残したままです。復興への努力も思った以上に進展を見せず、被災者の方々は慟哭の日々が続いています。そういった意味では、艱難辛苦の二次災害のような感もあり、国の威信をかけて復興のスピードを高めなければなりません。今の国会予算審議は、被災者の皆さんにとって、どのようにうつっているでしょうか。
あと30分足らずで「あの時間」です。
慎んで 亡くなられた方々の御冥福をお祈りをし、被災者の皆様に対しお見舞いを申し上げます。

No.2532 3h217mm

2014.08.21

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舗装のはね返りもここまで熱いとうんざり、身体の持続性がそがれていくようだ。しかし、朝夕は気温も落ち着き、熱帯夜は影をひそめてくれるようで、こんな時期を、いわゆる「残暑の候」というのかと・・・。

 広島市安佐南区を中心とした土砂崩れ災害は、時とともに被害者と不明者が増え、台風でもない大雨としてはまれにみる大惨事となっている。
 昨日朝は13名の犠牲者を報じていたと思ったら、見るたび、聴くたびにその数は増え、現在では犠牲者39名、不明者26名にのぼっている。

 現場の光景はアップ図、望遠俯瞰図いずれも土砂というより山自体が崩れた姿をはっきり見せている。そこはまるで、依然からあった沢のようにも見える。それだけ大地が動いたことを示していることになる。

 崩れたのが深夜だったというのも被害を大きくしたと思われる。不気味な異常音を察して、家族総出で避難したという家庭もあったが、そのお宅には多量の水を含んだ土砂が流れ込んでいた。まさに間一髪だったと推測できる。

 掲題の記号はすでにお気づきのことと思うが、局地的豪雨が広島を襲った、その雨量を示すものです。3時間に217㍉という大雨量。我が幸手市で考えると、昨年、床上浸水が市内で数件発生した台風の時、たしか1時間37㍉だったと記憶している。しかも3時間も降り続けたわけではない。
 つまり、平均時間雨量70ミリというとてつもない量の雨が3時間降り続けるということがどれほどのものかだ。さらに、この降雨の前にも雨天続きの状態もあったということになれば、山はかなりの水を吸い込んでいたと推測できる。山林の根の深さも持ちこたえられないほどの水が入り込んでいたのだろう。
 ただ、画面で見るこの地区の住宅開発は素人目に見ても、無理な山間地の造成という感じがしないでもない。山林を切り崩して造成した土地に県営の集合住宅や一戸建てがいくつも建てられているが、結局、住宅の裏側は山林がせまっている。開発の際の地質調査や造成工事がどれほどのものだったかと、ふりかえさせるに十分な現地状況である。

 サラリーマン時代の親友が広島の佐伯区にいるので、何年ぶりかで電話したが、10㌔ほど離れているので雨と雷はあったが、なんでもない、電気も水も普段通りだと言っていた。しかし、考えてみればわずか10㌔の違いが、この3h217mmに見舞われなかったということは、いかに今回の豪雨災害が局地的な豪雨であったかということになる。
 今、県が洪水対策に腰をあげはじめた埼玉県東部地域のどこかが、同じような豪雨に襲われたらと思うとゾッとする。

 亡くなられた方々に心よりのご冥福と、行方不明の皆様のひと時も早い発見が叶いますことを、慎んでお祈り申し上げます。

No.2466 229億円

2014.02.22

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 すでに日が変わって2月22日。あっという間に月日が過ぎていく感じです。

 今日のタイトル・・・昨日時点での大雪被害状況の金額換算の数値です。
もちろん、これは埼玉県内でのもので、当初22億円と推定した数字が5日経過して10倍に膨れ上がったわけです。私が前号で100億前後にはなると推測した数値をはるかに上回ってしまいました。
◆作物被害(野菜、果樹、花植木、畜産、きのこ、その他麦など)
 これが108億円
◆施設被害(パイプハウス、鉄骨ハウス、ガラスハウス、畜舎など)
 これは121億円
◆その他、揚水機場など農業用施設、市場施設等)
 換算不確定

 といったところですが、きゅうりだけで29億円と群をぬいて多く、突出しています。そしてハウスはすべて合算すると101.5億円という巨額で、今回の被害の深刻さがここにあります。つまり、廃業するかどうかの追い込まれた瀬戸際となっているのがこのハウスの復活の有無に拘る。金利は県と市町村が負担する予定の緊急融資もすでに返済途中の農家が多くては、はたしてどれほどの即効性があるのかと思えてならないのです。
 積雪1メートルを想定したハウス造りとなると、これまでとは根本的になにもかも規格が異なるはずです。実際に同僚県議に聞いたところでは、モチベーションは大方の農家でかなりの低下が感じられるそうです。畜産農家は数は少ないのですが、もっと悲惨な面があるようです。

 実は、野菜被害額には県最大のブランドである深谷ネギが雪が無くならないと実態がつかめないということで、上の数値からはずれています。これが判明するとどうなるか・・・。
 埼玉県としては、雪に対する考え方が甘かったうんぬん以上に、観測史上最高の雪量ですから想定外の自然災害に戸惑っているというのが実態です。
 聞くところでは、「とちおとめ」ブランドが全国規模の栃木県では、破損したイチゴハウスの撤去費用を全額県が負担するそうです。不確定情報ですからなんとも言えませんが、撤去だけでも救われるでしょう。

 2月22日・・・64歳になりました。歳とともに喜びもスモール化していますが、今回はその小さい喜びも更に半減しています。

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