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No.3444 2020オリンピック開幕!

2021.07.23

 今、2020東京オリンピック開会式のライブ放映中である。
華やかに見えるものの無観客の寂しさはぬぐえない。しかし、カメラワークのせいもあるだろうが、客席のイメージが場合によって人が入っているように見えるのは私だけだろうか。
 今日は、明るいうちから五輪に反対するグループが集まり、国立競技場の前でシュプレヒコールをあげ、おそらく今もいるのではないかと思う。
■オリンピック災害おことわり連絡会
■反五輪の会
■オリンピックいらない人たちネットワーク
■アジア女性会議
といった団体によるものだそうだ。
 私は半年前くらいまでは、オリンピックは出来ないかもしれないと思っていた。コロナ禍を思うと世界から人が集まるかどうかというのが、最大のポイントになると考えていたのだ。しかし、「やめろ!」とか「反対!」といった思考になっていたわけではない。さりとて、無観客開催でもやるべきだと考えていたわけでもない。日程ギリギリまで結論は長引くと思っていた。
 しかし、今日現実に、開会式に205の国が参列するという。やはりオリンピックはいいものだ。
 57年前、中学3年の時に行われたオリンピックはいまだに頭に焼き付いたままのシーンがいくつもある。円谷選手、東洋の魔女、体操ニッポンなどなど。今のNACK5スタジアムの原点である大宮サッカー場が五輪の為に造られ、地元の生徒として日本戦ではなかったが実戦を観戦した。人生で2度オリンピックを観ることが出来るのかと、招致合戦に勝利した瞬間は小躍りしたものだ。

 来日してコロナにかかった選手がいると大々的に報道し、安倍前首相が開会式の出席を辞退すると「安倍五輪逃避」「安倍直前欠席は卑怯!}と文字を躍らせるメディアの存在は一体なんなのかと思う。ターゲットを安倍さんや麻生さんに向けるのも慣れてはいるが、五輪に結び付けてのこれでもかの悪口雑言は、落ちるとこまで落ちたメディアの品格として考えるならば日本の恥部かもしれない。
 これだけの国が来日していたとは改めて驚いたし、開会式では明るい雰囲気で楽しそうに行進する選手を見て涙腺がゆるみがちなほどである。皆、マスク着用であるが、雰囲気は決して暗さを与えることはない。

 やめろコール、帰れコール、ブルインに向かって「飛ぶな!」 
 ここに至ってよくもそういう精神で現場での反対運動が出来るとものだと思う。政治を持ち込まないのが五輪憲章だが、アジア女性会議などは共産党の影がのぞく政治団体だ。ジェンダーフリーをテーマにした国際会議と称するものを北九州で開催するなど、その活動は左派思想に覆われた組織と見られている。実際、共産党国会議員が関係していることを思うと、地方の各地で原発反対の街頭アジを行っていることとも無関係ではないだろう。
 宇宙人鳩山氏は「今でも間に合う、やめるべきだ」
 蓮舫議員も同様「やること自体異常だ」
 立民川内議員「天皇が閉会を告げれば終わる」と・・・ナニ!
 この議員は国会質疑でも狂っているのかと感じさせる発言が多い。天皇陛下を持ち出すとはなんたる不敬。自党の五輪反対主義を現実化させたいためかどうか、それとも関係者を愚弄するおふざけ的発言だったのかどうかはわからないが、天皇陛下のお言葉に希望的観測での注文をつけるなどは、それこそ異常ではないか。国会議員としてどうなのか、黙って見過ごすべき発言ではない。

 ともあれ、ここまで来たのだから日本人であれば、日本の為に開会を受け入れ、スポーツの喜びを享受しようではないか。その方が素直で謙虚な自分でいられるような気がする。選手の為にとかそういうことではない、国の誇りの為にもそうありたいと思う。万が一のことがあれば、近隣でほくそ笑む国があるのだから、開幕したからには成功しかない!
 まだ入場行進は続いている。そろそろ日本選手団か。元気に行進してくれることと思う。難病を克服して五輪切符を掴んだ池江選手の笑顔に元気をもらおうか。マスク越しでもしっかり見せてくれることだろう。

No.3442 オリンピック開幕!?

2021.07.20

 時の経つのが速くて追いついていかないくらいです。暑さ上昇中につき、頭も身体もバイオリズムが低下傾向・・・などとは言ってられない忙しさが続いていることもありますが、明日オリンピック競技が開幕なんですねー!
 明日はソフトボールとサッカーが開会前にオープンですと。驚くも何も、数日前にメジャーオールスターゲームで日本どころかアメリカ中が大谷選手の動向に注目するという、頬をつねりたくなるほどの喜びにあふれたばかりで、スポーツの祭典が明日始まるというのですから、まさに気持ちが追い付かない状態と言っても過言ではありません。

 ところで、バッハ会長に関する報道が歓迎的なものよりは、むしろなぜ来たんだ的な報道が見られます。まったく日本の報道機関の理念、倫理観の欠落は、左派リベラル的社是も関係してるのでしょうが、突撃取材が正当正義であるかのように繰り返す記者の若返りとともに増幅している感がします。
 そして、今日は橋下徹氏の発言が大きく取り上げられています。この方の思想信条はいったいどこにあるのかわかりにくいですね。基本的にはところかまわず噛みつくタイプですが、良いことも発言しますしね。
 今回は、バッハ会長が福島で行われる3大会ぶりの野球の初戦で始球式に臨むことに対して、次のような批評をしています。「一度決めたことをやめられない体質が会長だけでなくIOC自体にあるようだ」と。
 つまり、始球式に臨むバッハ会長のみならず国際リンピック委員会をも批判しているのです。いつも思うことですが、辛口の批評・・つまり批判をするのは簡単です。ところが、これが一般受けして夕刊紙などが売れる傾向があります。人は誰もが批判やスキャンダルが好きで、その対象が著名だったり、ビッグだったりすると尚更ストレスを解消してくれるような感覚になるのかもしれません。しかし、これは全くの勘違いだと私は思います。メディアによる売上げを意識した嗜好に相乗りすると、それ自体で返ってストレスが増幅すると思うからです。メディアに上手に接するコツは、事実は半分以下を頭に入れて接する方が楽です。
 それでも、中国の実態を見聞きするたびに感じる憤りはなかなか抑えることが出来ない自分ですが。

 今、メディアの主たる報道はワクチンとオリンピックです。それも不安を煽る内容にあふれています。
 橋下さんの発言もそういったメディア志向にたまたま同列に並ぶ発言に感じます。また、メディアはそのような発言に目ざといようです。
 韓国選手団が福島の生産品を食べないと選手村に入った途端に主張し、窓には対日批判というか日本には負けないと言っているかのような垂れ幕を張りました。バッハ会長はIOC判断として取り外すよう指示を出しましたが、選手自身の行為であったならば、あきれたスポーツ精神と言わざるを得ません。
 五輪憲章20条には政治的カラーを持ち込まないことが示されています。文大統領が来日し、菅総理との首脳会談が報道されましたが、韓国側の強気な方針で急遽来日を中止。今や選手団も引き上げるというボイコットにまで発展しそうな状況だというのです。いつまで続く対日敵視といったところですが、福島への終わりなき問題提起は国家の品格としていかがなものかと思います。
 橋下さん、バッハ会長は日本人が愛すべきスポーツ№1の野球の復活を共に喜び、それが復興五輪と称する福島で開催するということで、始球式に臨むことを考えたんですよね? そんなことわかってますよ!とあなたなら言うかもしれませんが、あなたの言葉はいろいろな影響力を持っていることを意図しての発言だとしたら悲しいことです。

No.3420 スポーツ考

2021.05.20

 スポーツの世界並びにそこで飛び抜けた才能を発揮するアスリートの姿に日常の癒しと、それ以上の生きる力を吸収させてもらっている。いや、それほどまでに心身共に生活に占める存在が大きいスポーツといったところ。しかし、良いこともあれば、その逆もあり、そこにいろいろな声が寄せられるのがスポーツらしいところでもあるのだろう。

 今、政局化させられつつある東京五輪の開催について、数号前のブログに書いた池江選手への辞退のススメメールには各界から批判の声が上がった、当然のことと思う。
 ところが、第三者の立場の楽天三木谷トップが五輪開催を自殺行為だとアメリカの報道機関向けに発言。楽天は携帯電話事業への無料設定戦略という事業目的で、中国資本を約650億円も受け入れたことで政府から問題指摘を受け、1年間の要監視期間を求められたばかり。ついでに言えば、ユニクロの綿シャツはウィグル人の強制作業により製造していることが昨日指摘された。企業の中国依存は、今の日中関係を考えると強い立場を貫けない日本の原因と言われてもやむを得ない。こうした人間が政治に影響を持つ発言を好き勝手に言うべきではない!と思う人は少なくないはず。中国だったら断罪抹殺されかねない。ユニクロの柳井CEOは政治に影響のあることは発言を控えるとしているが、このダンマリは中国にとって有り難い壁が柳井氏の口に立てられていると理解出来るものだ。
 今日の報道では、元世界一の女子柔道家だった山口香さんが五輪中止をほのめかす発言をしたことがニュースになっている。どうして、今悩みに悩んでいる開催の有無に対して個人発言が飛び交うのだろうか。ましてや、スポーツマン精神を心得ている御仁がアスリートの想いに添わない発言をするのはどうしてだろうか。肝心の小池都知事が関連発言をほとんどしない無責任な状況にあるが、こうしたことに煮え切らない想いというか忸怩たる思いでいる過去の大物アスリートが多いのだろうか。それとも思想信条的な関係での五輪批判なのだろうか。
 政府は委員会質疑で、中止を前提とした立民共産の執拗な質疑に対して、菅総理が開催に向けて努力すると答弁している。個々の開催についての意見は千差万別あると思うが、権限有資格者たちの結論を待つというのが、私たちの取るべき対応でしかないと思う。
 池江選手のみならず、世界最高峰のプレーに自らの未来の五輪選手を夢見ている子どもたちが多くいることも忘れてはならない。私の知人にもそうした対象になり得る立派なチビッ子水泳選手がいるが、自国で行われる五輪を観るからこそ、その夢が倍化するということもあるはずだ。私自身は、開催の有無は最終決定に従い、それに対する批判はどちらにしてもしようとは思わない。
 そういうことであるから、共産党主体による35万人の中止署名などさして大きなものとは考えていない。

 大谷選手の勢いが止まらない。ボストンで9回ツーアウトから逆転ホームランを打たれたレッドソックスの守護神バーンズ選手が、大谷選手を称える発言の中で「とてつもなく素晴らしい選手だ。ケガ無くシーズンを乗り越えてもらいたい」と・・・心豊かな対応に感激した。この試合は時差の関係で録画中継だったので結果が分かっていたが、翌日本拠地に戻って2戦連続でのホームランはライブ、ライブで興奮のるつぼ、どこまで進化するかわからない大谷選手に魅せられた。
 大谷選手の活躍の対岸で、大相撲の朝の山が今日から欠場することになった。大関らしくない逆転相撲の連続で7勝4敗となったところでの突然の休場宣言。昨日の取組直後の顔がなぜかさえない表情に見えたのは、ふがいない相撲のせいではなく接待付きの夜の店に行っていたことが表沙汰になりそうなタイミングだったからかもしれない。役員による確認にいったんは事実無根としていたが、再度の聞き取りで事実を認めたそうである。同様の事件で時津風親方が廃業、阿炎が幕下まで陥落する罰則を受けた相撲界。コロナで死者を出してもいたことから外出を厳しく制限していたことへの欲求不満か、タニマチの存在が裏にあるにせよ世間ずれしていたことは否めない。早朝から厳しいぶつかり稽古などに打ち込む相撲界では、若い人たちのストレスも普通以上のものがあるとは思うが、大人の対応力に乏しかった朝の山には№1の期待があっただけに残念でならない。
 ここで、書いている途中で知人から電話が・・・いろいろ長話をしたが、その中で、箱根駅伝で駒沢大学のアンカーだった石川拓慎選手が、17歳の女子高校生にみだらな行為をしたことで逮捕されたという話に思わずえっと声を上げた。今、朝の山のことを残念な思いで書いているところですよと口にした次第。
 努力の積み重ねで憧れの駅伝のアンカーを走った選手が、はたの羨望を裏切るような行為に走った・・・自ら開いた未来を自ら刈り取ってしまったかもしれない事実は泣いても泣ききれないであろう。
 異性と金。多くの事件の裏にはいつもこの二つが隠れているが、隠しきることは出来ないということを、理ある人ならわかるはずだと思うのだが・・・。

 実は大谷選手と朝の山は同年齢という面白い事実がある。
大谷選手・・・1994年7月5日生まれ、27歳
朝の山・・・・1994年3月1日生まれ、27歳  
 ついでに言えば
阿炎も・・・・1994年5月4日生まれ、27歳

 阿炎は現在幕下7枚目に位置し、6勝負けなしという状況にあり、十両復帰が近いといった近況である。朝の山は廃業までの厳罰は無いことを願うが、やはり関取で無くなる可能性はある。違反行為が今場所の相撲に影響していたとしたら情けないことでもあり、返す返すも悔やまれる。
 スポーツが永遠に記憶と記録に残るとはいえ、その対象は私たちを感動に導くものだけであって欲しいと願うばかりである。

No.3402 驚嘆と感動に満ち溢れ!

2021.04.12

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 松山英樹 夢のマスターズ優勝! 早朝からまさに画面にくぎ付けとなったメジャー・マスターズ。メジャー中のメジャーの誉れ高いマスターズに、日本人として、アジア人としてグリーンジャケットを初めて羽織った松山選手。最終ホールの最終パットまで苦しみながら勝ちとった優勝の瞬間、テレビが一瞬沈黙したが、アナウンサーがようやく歓喜の声を振り絞ってのコングラッチュレーション。解説陣の二人も涙で声が出ない。その感動と歓喜は視聴者の多くも同じであったと思う。松山選手によって日本全体が、日本人のすべてが感動と名誉を味合わせてもらったのは間違いない。アメリカに渡って10年、5勝はしていたものの、近年少し結果がついてこなかった松山選手だが悲願満願の結末は今、コロナで暗い世相に大きな光を与えてくれた。
 思えば、女子では韓国の選手が席巻しているアメリカ女子トーナメント。たった一人でのマスターズ参加で優勝した価値ははかり知れない。歴史的快挙と言うべきものだろう。
 松山選手、おめでとう!!!

 スポーツの感動シーンにはいろいろあるが、池江選手の4冠にも大きな感動をもらった。なにしろ、昔は不治の病とも言われた病によって長期入院を余儀なくされ、退院後に体重が15キロも落ちていたというのだから、今回の結果は常人の出来ることとは思えない。素質素材が高いということもあるが、なにより、人に見せない努力をしているに違いない。オリンピック開催の是非が問われる状況だが、彼女のリオ五輪後の4年間の生きざまを想うと、晴れ舞台での泳ぎを見させてもらいたいと心から思う。 
 エンゼルスの大谷選手も、今年の活躍と数値的内容を見る限り、昨年を無駄にせず、厳しい鍛錬を自ら課した結果が出ているのだろう。右ひじの手術を乗り越えて160キロ台の球を投げるなど驚異以外の何物でもない。なにより、時折映る彼の姿を見て、その鍛え上げた上半身に驚くのだ。だからこそ、チェンジアップに泳がされても、右腕一つで右中間フェンスにぶつけるバッティングが可能なのだろう。
 ミスタージャイアンツの有名な言葉に「人に見せない汗をかけ!」というのがあるが、天才アスリートはそれを実践した結果なのだろうと確信する。
 正に、感動をありがとう! スポーツ万歳!

No.3390 幸手の女性剣士

2021.03.14

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 コロナ一色の世相にあって、明るいニュースには心が救われる気がして嬉しくなるものです。それが、地元に関することであれば尚更のことです。最近ではカラオケバトルで大活躍している長倉小学校の歌の王子様「北本莉斗くん」しかりです。歌の王子様は私が勝手につけた愛称です。申し訳ありません。

 今日は、何が嬉しいかと言えば、長野市で行われた全国剣道選手権大会の女性の部に幸手西中の先生が出場したというニュースです。
ファイル 1309-1.jpg 今回で59回を数える大会は、全部で64人が左右の各2ブロックに分かれてトーナメント形式で行われ、その組み合わせは添付の通りですが、右ブロックの上から5人目にその選手の名前が見られます。
 結果は、1.2回戦を勝ち進み3回戦で残念ながら敗戦という結果にはなりましたが、初出場でベスト16というのは見事ではありませんか。今年は男女ともに警察所属の選手が出場しませんでしたので、初出場の選手が40名以上と、例年と少し異なる雰囲気での大会だと解説されてましたが、観る限り男子に負けず劣らずの鋭くて素早い動きは驚きであり、混合大会があってもいいのではないかと思う程です。
 その西中教諭の剣士は・・・山村貴恵さん。まったく存じ上げない方ですが、どんな先生ぶりなのか興味がつきません。やはり、地元から全国レベルの人物が出るというのは、それだけでワクワクするものですし、西中剣道部の実力がアップすることを期待したいと思うのは当然です。いずれは勤務地が幸手ではなくなる可能性があるにせよ、埼玉の代表として長く活躍していただきたいと思います。

No.3349 走攻守すべてにパワーの差 

2020.11.26

 昨夜の日本シリーズ第4戦で今年のプロ野球の幕が閉じた。この4試合を見て、セパ両リーグの差を嫌というほど見せつけられた。セリーグの各チーム120試合のペナントの戦いはいったい何だったのかとさえ感じた。セリーグ全体のイメージダウンにつながったように思えてならない。
 第4戦の1回表、1番起用の若林と2番坂本の連続2塁打であっさりと点をあげた時、おっこれはいけるかと思ったのも束の間、無死で2塁に残った坂本をクリーンアップで3塁にも進めることが出来ず、6番中島がファウルで粘ったものの地を這うボールを空振り三振。実はこの場面で、10球目のファウルを打たれたピッチャー和田が苦笑いを浮かべたシーンがあり、アナウンサーもこれを指摘していたが、私はこの時すでにいやな予感がしていた。そして、その裏柳田の逆転ホームランが出たに及び、ことしのプロ野球の終わりを感じた。もはやジャイアンツには、大相撲の貴景勝のような闘志と技術力の双方ともに底力は残っていないと結論づけざるを得なかった。第3戦でノーヒットピッチのムーアを7回でモイネロ、森と継投させた定番スタイルの工藤采配も余裕の産物ではなかったか。

 よく、セパの野球の違いというのが話題になるが、何のことはない、結局のところパワーの差という単純な理由に行き着くシリーズだった。ここ数年、BS放送の影響でパリーグも含め一夜に数球場の生中継を観ることが可能になっている。なんとなく、ジャイアンツの試合にチャンネルを合わせる習性があるが、それでも他の試合を覘きに行くと、その面白さにそのまま見続けることもちょくちょく。それが年々高まる傾向にある。たまたま話題の選手が出ているということもあったりで、関心度の高い選手は昔以上にパリーグに多いという事情もある。
 実は、江川と桑田のドラフト事件後をのぞき、長嶋ジャイアンツ一筋の私であっても、ここ数年のジャイアンツには強くなければいけない伝統の巨人軍というイメージはもはやない。いや、本来スポーツの世界にそうした自負や驕りは意味がないと感じている。ジャイアンツプライドって何だろうとも。ジャイアンツが強くなければプロ野球は面白くないと言われ続け、私もそうだと思っていたが、長い年月をかけてそういう固定概念が私自身に無くなりつつあることを実感させられた日本シリーズだった。
 工藤監督の采配を感じさせないほど選手すべてが、持てる才能を目いっぱい発揮したソフトバンク。甲斐、栗原、牧原といったプロでは小兵の部類に入る選手たちのパワフルスウィングはジャイアンツにはまったく見られなかった。裏の事情はあるのだろうが、バレンティン、内川、長谷川といった選手は登録もされず、昨年のシリーズで活躍した今宮なども出番はなかった。なのにということである。
 思えば、原監督はペナント戦線で大きなリードをしたせいか、選手をあれこれ使い過ぎてオーダーに定着した選手が少なかった。後半、吉川、松原の1.2番コンビが固まったかに見えたが、それが確実なものでは無かったことがシリーズで、しかも最終戦ではっきり示された。昨年来、選手起用法に複数のポジションを守れる選手育成法を原点にするスタイルを原監督が進め、それが現代野球であるかのように持ち上げる風潮があるが、ジャイアンツがやることだから話題性が高いだけであって、それは結果的には浮気性的起用法とも言え、結局のところ固定的にポジションを獲得する選手は出ていない。

 ソフトバンク1強時代と言ってもよい現状は、数年続く可能性もあり、モイネロのカーブ見たさ?にパリーグの試合にチャンネルを合わせる時間がますます多くなるやもしれない。いや冗談はさておき、シリーズの前段階で、ソフトバンクに立ち向かうパのチームの出現を観る楽しみが増えたというのが正直なところだ。ロッテの佐々木が160キロクラスで快投乱麻とでもなれば、野球好きの眼がパリーグに釘付けになるのは間違いない。それはファンの誰しもが期待するところではないかと思うが、それ以上にセリーグの奮起を期待して、本年の野球談議の最終稿とします。

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