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No.2153 ベーシックインカム

2012.02.28

 橋下大阪市長および大阪維新の会について、後日またこの画面で書き込みすると約束しましたが、その前に、新たに橋下氏が新構想として興味深いテーマを2点ほど投げかけたもので、それについて。

★小中校生徒の留年制度
 橋下氏が志向する改革施策の中で、教育指針はなかなか的を得ていると、自分なりに評価しているが、この留年制度はいささか危険を感じないではない。改革には痛みをともなうが、この痛みは相手が子どもなだけに取り返しのつかない痛みになりかねない。
 現代日本の教育は、精神教育面でも学力向上教育においても、その質の低下は否めないというのが大方の意見だ。そして、その原因がどこにあるかの検証は為されていないままだ。ましてや、日教組に支配されたかのような民主党政権下になって、ますますその流れにはずみがついているといった観測もある。

★最低生活保障制度
 これは、ベーシックインカムと呼ばれているもので、オギャーと生まれいでた赤ちゃんはもちろん、命ある国民一人当たりに同額の現金給付をしようという制度だ。額は5万円から8万円とする説が多い。これによって大方の福祉行政下の扶助費を無くすことができ、これに関わる行政コストおよび複雑なしがらみが排除できるといった構想である。
 一定ラインまでは共産党的思考にもとづき、それ以上は資本主義的競争原理が働くといってもよいこの制度、社会構造の変化と過去への揺り戻しを期待することの困難さが、そうした構想の原点にあるとされる。すでにヨーロッパではこのシステムを研究するネットワークが数年前から立ち上がっている。これはギリシャ問題より前のことで、ベーシックインカム・ヨーロピアン・ネットワーク(BIEN)というものだ。
 まだ、この制度を取り上げた国はない。メリットもあれば、その逆も当然あるからで、とくに国家福祉制度の根幹を変える制度となるからこそ、デメリットはどんな小さなものでも留意しなければならない。
 しかし、少子高齢化という変え難い社会構造にもたらされた閉塞状況にある日本を、BIの対象として考えたならば、おおいに研究議論の余地はあるようにも感じるのだが、さて・・・・。

 私見を述べるならば、現行では前者は反対、後者は慎重にと考えている。言い方を変えれば、首相公選制を実現し、さらに参議院を廃止するという橋下理論との結びつきを思うと、これらの理論は橋下政権誕生下では成立することになる。つまり、首相の独断専決に近い意思決定が出来るからだ。
 ポピュリズム全盛の選挙背景にあって、政治の仕組みが変われば、教育、福祉、経済などオールラウンドで変化する可能性が高い。外交、防衛については予測不能だが、一気にお国替えをすることが良いのかどうか、すべては国民の意思表示にかかっていると言える。

No.2152 素直に喜べないバースデー

2012.02.22

 今日22日は小生の誕生日です。ここ毎年は定例議会中に迎えるようになりましたが、今年も県議会が一昨日から開会になっています。いま、その3日目の昼休みです。とはいっても本議会ではなく予算説明会の2日目ということで若干ゆったりめの昼です。

 国政、経済、被災地復興等々、あれやこれや考えると素直に喜ぶことができない今年の誕生日ですが、午前中の予算説明会の休憩時間で私のバースデーを党派を超えて声だかに発声していただき感激しました。
 朝、出がけに家内が言ってくれた祝言葉をなんとなく聴き過ごしてしまったので申し訳ないことをしたと反省しています。
 ただ、やはり県レベルではあっても政治の実態に関わる立場として被災地のことを思うと、バースデーで浮かれてるわけにはいきませんね。なんたって、東北3県のガレキは2252万8000トンというとてつもない量なのですが、そのうち片づけられた量は117万6000トンで、わずか5%程度にしかなっていないのです。117万トンというのもすごい数字ですから、実態の強烈さがわかります。

 昨年9月議会で私が上田知事になんとかこの受け入れをできないものかと説き、その後慎重に検討した結果、埼玉県は正式に受け入れを表明しました。この受け入れを神奈川県などでは住民の反対が強くなかなか前に進めない状況もあります。
 昨日の埼玉新聞が県議会各会派の代表コメントを掲載していました。それによると共産党をのぞきガレキの受け入れは現地復興の観点から対処することが望ましいといった内容でした。そうでなければ何が絆かわからない・・・・私はそう思っています。

 昨年の3月16日、天皇陛下が「この苦難を国民の一人一人がわかちあって」といったお言葉をメディアを通じておっしゃられたことを忘れてはならないと思います。
 

No.2133 この1年の四方山話

2011.12.31

ファイル 71-1.jpg いよいよ2011年も終焉が近づきました。この2011年は小生にとって生涯忘れることのできない、また忘れてはならない出来事が多い年でした。

◆幸手市では・・・
 1月24日未明、小森谷あきら県議が突然倒れる。
 2月14日なんと小生に後継への指名。晴天の霹靂という月並みな言葉がすぐに浮かんだほど仰天するも諸々の事情を憂慮し出馬受諾。17日記者会見。投票日が4月10日ということで、実質53日間のそれはもう慌ただしい選挙戦に突入。結果は、多くの皆様からいただいたご支援、ご厚情を忘れることなどもってのほかの感謝、感謝の感動を。

 次に、この2週間後、市議選となり、新人が8人当選、共産党議員落選、女性議員が2名増員というかつてない結果に。今後に注目。 
 10月30日幸手市政変。12,000人余の幸手市民の選択として受け止めることに。

◆国内では・・・
 何を置いても、東日本大震災! 現地を2度訪問するも驚愕の実情に言葉が出ず。この件での詳細はとくにここでは省略させていただきます。

◆国政では・・・たしかに自民党も党勢回復にはまだまだ遠いと感じますが、それにしても民主党の自己破滅ぶりはひどい! 
 中止と唱えたものを実現することとなり、やらないといったことをやることになるというのも、政治と社会を読み取る先見性がなかったからだと小生は感じています。すなわち、この時点で、政権を獲るためだけと言っても言い過ぎではなかったマニフェストだったことが露呈し、それは小沢一郎という選挙指導者によって導かれた路線だったのだと。結果、もとよりまとまりに欠ける政党が瓦解分裂することに・・・。
 思えば、全国的にはその思いに地域差がある八つ場ダムは、当時でも7割が進捗していた事業だったのだから中止公約するべきではなかった。国交大臣になった前原さんは「マニフェストに書いてあるから中止」とまるで鉄面皮のように冷たい一言。
 信念が強いのか、強情なのか、柔軟性に欠けるのか、優しさがないのかわかりませんが、最後は意地としか感じられない有様で、人間としての軽さを見せてくれた。いろいろな人が最近の前原さんを語る時「人相が悪くなったね」と口にするが小生もまったく同感。かなり男を下げましたね、前原さん。
 あの偽メール事件は永田議員の暴走を、当時の前原代表が止められなかったと思っていたが、逆に前原代表が永田議員の尻を叩いたのかもしれないと感じている。やはり、まだ若い! 政治家として、または人間として何かが欠落している?

◆世界では
 小生が上げるトップニュースは、3人の指導者の死につきます。
 稀代のテロリスト、独裁国家指導者として君臨したビンラーディン、カダフィ、金正日。カダフィこそ世界を震撼させる人物ではなくなっていたが、他の二人は常に自由主義良識国家に敵対して、核戦争をも辞さない思想の持ち主だった。まだまだ、アフリカや中南米、そしてアジアにもそうした国があり、指導者がいる。

 さて来年はどうなることやら。気取らず、気張らず、さらにブログを書き留めてまいりますので、さらなるご支援、ご指導を賜りますよう、お願い申し上げまして、2011年うさぎ年のケジメといたします。この1年、ありがとうございました。 ファイル 71-2.jpg
 ますます寒くなりますので、くれぐれもご自愛ください!
 良いお年を!

No.2124 有権者より多くなった捨権者

2011.12.06

 上尾と朝霞の市議選が4日にあった。両市ともに約4%程度前回より投票率がダウンした過去最低のようだ。我が幸手市でもそうだったが、象徴的なのはどの選挙も、どこの選挙もこの1年最低投票率を記録したことだ。埼玉知事選にいたっては4人に一人弱しか投票しない全国最低の数値だった。大阪だけは別格で大阪都構想がかなりの要因になっていると考えられる。
 思えば、平成の大合併では全国どの地でも住民の関心は高かった。合併の相手、合併後の名前などへの興味は、今の選挙戦で目の前にぶら下げるバラマキ公約とは似て非なる次元で、投票率をアップさせる効果があった。合併と選挙の投票は意味が異なるとは思うが、残念ながら、おそらく今後の選挙戦での投票率低下に歯止めをかけることは難しいと思う。

 議会、議員が国民から信頼を失っていることが投票に行かない傾向の最大の要因だと言う人が多いが、投票したい候補者がいないとか見分けにくいというのも原因だろう。しかし、しっかりと良識の活動をしている議員も少なくない(と私は回りの日常から理解している)のだが、たしかにわかりにくいとは思う。
 くどいようだが、政治の低下傾向は、政治、政治家の体たらくさによって選挙に行かない有権者が増えているからなのか、政治に夢が持てず、政治を志す人材が生まれにくい社会背景が問題なのか・・・どちらも正解だと言う人もいるかもしれないが、何か事があると、有権者の立場からは政治貧困、質の低下が原因だという。その論理に若干疑問がないではない。

 少し角度を変えてみて、公約そのものが昔は日本列島改造論を代表に、高度成長をバックにした公共事業を全面に出せる時代があった。まさに躍進日本の最盛期であった。今は、財源論を脇において生活支援を訴えるバラマキマニフェストが選挙での優位性を持つ。そこには、いわゆるエセ・マニフェストに翻弄される有権者の姿が見える。このままいくと、少し極端かもしれないが、生活保護の額を増額しますとか、保護申請を簡略化しますとかいう公約さえ生まれかねない勢いではないか。
 国も地方も財政窮状という現実からは、財源もないのに美味しいニンジンをぶら下げる集票選挙戦術に乗ってはならないのだが・・・現実はそうではない。 

 そもそも、ハコモノで国の借金が増えた責任がすべて政治だとする風潮は、よく考えてみると、全国各地がそうした方向性を求め、要望かつ支援をした有権者の姿があったことも原因のひとつだと思う。そうした意味では政治家も支援者兼有権者に迎合せざるを得ないとはいえ、どこか早い時点で相互に自制するべきだった。

 今また話題になっている政治資金集めや、選挙戦の在り方で、結局は国民の信頼を無くし、政治不信を招いている政治家はどうしたものだろうか。政治家は少々ワルのほうが大物政治家らしいといった論理が横行するが、低迷経済下においては危険すぎる思考だと思う。それは高度成長時代には通用した論理かもしれないが、それでも正しい論理だとは私には思えない。
 そして、多くの有権者が捨てている投票という権利。このブログを読んでいただいている人には、そうした捨権者はいないと確信している。

 

No.2121 社会変革は少子高齢化とともに

2011.11.27

 定まらない陽気は頭の回転も鈍くさせるようです。というのは、前2030の冒頭でスポーツ万歳!コラムは随分久しぶりです、と書きました。ところが、一定期間分をまとめ読みしてくれる家内が「お父さん、これっておかしいわよ!」「なにがー」「だって、この書き込みの2つ前もスポーツ万歳になってるじゃない」これを聞いて「えーー」と私。
 まいりました!それでなくとも書き込み回数が減っていて申し訳なく感じているところに、よりによってこういった勘違いをやらかすとは。あまり、自分に腹が立ったことと家内に指摘されたもどかしさから、あえて原文のまま残していますが、読者の皆様には申し訳ないとの心情しか持ち合わせておりませんので、悪しからずご理解のほど願います。けっして陽気のせいではないと思います。深くお詫び申し上げます。

 さて、大阪選挙の結果が出ました。
 マスコミおよび有識者たちのコメントはまだですが、府と市とのねじれが皆無になったということで、思い切った橋本運営が進行していくものと思います。政治の世界にどういった影響をもたらすかという点からも、今後への興味は付きません。
 私は、亀井静香流の政界再編論など議論にもならないほど強烈なアジテートを国民に示したと感じています。ただ、これが良かったかどうかの賛否については即には出せないと思っています。なぜなら、大阪維新の会の戦い方が、知事から市長という橋本パフォーマンスを全面に押し出して、浮動票を得るという選挙戦にたけた結果だったからだと考えるからです。
 それにしても、市長選の投票率と知事選での票差はすごすぎる感じがします。

 選挙は勝ってなんぼというのはその通りですが、こうした形で、880万大都市の政治行政が、二重行政を排除して一人の人物を中心に、その思いですすめられていくことがいいのかどうか?
 とりあえずは、独裁への道筋にしても、その可能性は問題ではないとした大阪市民の賛意の集結です。ちなみに橋本さんの当確最初のコメントは強気一点の内容でした。

 思えば、高度成長の終焉を感じる頃から日本社会のあらゆる事象が少しづつ変化し、政治の世界でもいよいよ既製政党の存在に翳りが生じたという現実をこの大阪選挙ではっきりと示されました。地方選挙でこれほどインパクトを感じることはこれまでにありませんでした。
 少子高齢化が選挙という事象において、世の中を確実に変えていくことは間違いないし、世代交代がますます進む状況においては、既成の政党やイデオロギーといったものは、まったく姿を変えてしまうだろうという予感もしないではありません。
 今日の新聞に「共産党が政策ごとに組む相手を選択する方向に転ずる」といったような記事がありましたが、まさに既成政党はその存在感を維持するためには政治姿勢はもちろん、場合によっては党是、理念をも変えざるを得ない政治世界ならびに社会になっていくということではないでしょうか。

N0.2119 各種の集い行事

2011.11.23

 今、4時16分ですが、3時過ぎに目がさめ、なんとはなしにパソコンに向かい、携帯に撮り溜めた写真の整理をしたところです。
 県議になってからいろいろな行事にお招きいただくことが多くなりましたが、ただ参加するだけでなく、その目的とか意義といったものを考察し、その折々で感動感銘を受けたり、知識を得たりということで、いわゆる勉強させてもらってます。その都度、世の中には様々な思いで、いろいろな政り事が行われていることを知ることになります。 
 そうした意味において、味わい深い日々を過ごさせていただいていることに感謝をし、活動への意欲がわいてくるといったところです。

ファイル 56-2.jpg  「埼玉県戦没者慰霊祭」で上田知事が主催者代表の挨拶をされている場面。これより前になりますが、幸手市でも恒例の幸手市慰霊祭がおこなわれました。この関連行事はできる限り出席するようにしていますが、この24日には、県議会有志の一員として靖国神社を参拝することになっています。
 私は、戦争に突き進んだ思考と社会構造によって、国の為に尊い命を奉じた人たちに対し、永遠にねぎらいの思いを報じることに何の異論も持ち得ません。そこに戦犯者が含まれていることは別の次元です。

ファイル 56-3.jpg 浦和文化センターで開催された「埼玉県私学振興大会」です。このセンターは初めて伺いましたが、3階席まである威風堂々の会場でした。しかも9割程度の入りといった感じで、私学振興の熱い息吹が感じられた大会でした。県としても相応の支援はしているところですが、教育の全体バランスという点で考えさせられました。

ファイル 56-4.jpg つい先日県立加須はなさき公園でおこなわれた「第2回食と農林ドリームフェスタ」です。本年度の農業大賞を受賞された飯能市で養鶏業を営んでいるご夫妻が、知事から表彰を受けたあと挨拶をされたのですが、この挨拶は感動ものでした。
 要約すると「この賞の原点には家内の存在があります。あらためて家内に感謝しています。私たちが作る卵を大事にしてくれるお得意様と、地域の皆様の支えでやっていけてる商売ですが、これからもけっして欲張らず、小さく、のんびりと、着実に何百年も続けていけることが私の願いです」寒いのに汗か涙か?を吹きつつ、朴訥と語る口調に農業の原点を見た感じでした。視野に入る人すべてがうなづき、場内拍手の渦が・・・。

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