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No.3069 人知を超える津波災害

2018.12.23

 地震の影響のない津波に多くの命がのみこまれる。小生が知るこれまでの津波の発生原因は地震によるものがほとんどで、それ以外の想定はなかったと言ってもよいほどです。今回のインドネシア津波災害は、火山の噴火によって海底の土砂崩れが発生したことによるというのです。この場合の土砂崩れとは、プレート移動という意味かもしれませんが、それにしても理解しにくいことです。
 海の底の土砂崩れで9m超の津波が発生し、海岸から1㌔先まで到達するとは、まさに自然が人知を超える力を秘めていることを知らされます。今、小生が確認しているジャワ島とスマトラ島の被害は死者222人、行方不明28名、負傷者834名という被害状況です。想像したくはないことですが被害は今後さらに増幅していくものと思います。

 私事で恐縮ですが、今月になって防災士研修講座に参加してきました。記憶に久しいほどの集団試験なるものにも挑戦しました。80名ほどの参加者でしたが、小生はけっして若い方ではありません。と言うより、若い女性が多いという印象が強い講座でしたので、頼もしいという感覚がしたくらいです。分厚い教本が届いた段階で億劫精神が持ち上がりましたが、なんとか2日間の座学はクリアしました。一昨日、遅れ気味だった合格の報が届いたところで安堵したのですが、こと洪水災害との関連で、次は気象予報士に挑戦したいと感じたくらい天変と災害の関係を痛感させられた講座でした。
 ところが、今回のインドネシア地震は、予知することも不可能な状況で津波が来たことを思わせるものです。まさに地変なのですが地震ではないのです。したがって、津波予見という観点からどこまで人の力が届くのだろうかと考えさせられる今回の津波災害と言えます。
 この噴火土砂崩れ津波ニュースでわかったことは、インドネシアには国家防災対策庁が防災対策のために存在するということです。日本では、内閣府特命担当大臣として内閣府に防災大臣がおり、復興庁に置かれる大臣として復興大臣がいます。関連する大臣が二人いる事は、災害時に縦割りの問題は出ないのかとか、互いの決断に遠慮はないのかといった危惧を持つわけですが、実際のところは不明です。ちなみに前者は現在山本順三大臣、後者は渡辺博道大臣です。
 それにしても、インドネシアが津波の被害大国だということをあらためて感じた災害です。亡くなられた尊い命に慎んで哀悼の意を表します。

No.3060 年末特別警戒

2018.11.30

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 今日から埼玉県交通事故防止年末特別警戒キャンペーンが14日までということで開始となりました。久喜市栗橋庁舎で行われた出発式では幸手栗橋地区の自主防犯防災隊の皆さんが集い、白バイの模範演技などに見入りました。
 今年の埼玉県白バイ隊は、全国白バイ走行大会において優勝したそうで、狭い会場の中を男女各3名づつ計6名の隊員さんが、その運転技術を披露してくれました。正直な話、あこがれを感じるほど素晴らしいもので、日頃よほどの訓練をされていることがうかがわれます。頑健かつ大きいとは言えない女性隊員のライダーぶりには目を見張るものがありました。
ファイル 969-1.jpg また、1日警察署長には栗橋北彩高校2年生の森田しほりさんが就任。彼女は明治神宮で開催された関東高校弓道大会で15矢連続で的を射止め、見事優勝されたということで、容姿の可憐さに加えて溌剌とした礼儀正しさが参加者の溜息を呼ぶと同時に拍手を独占していました。若いってなんて素晴らしいんだろうとあらためて感じさせてもらいました。


 幸手警察署長の説明では、埼玉県は昨日までの交通死亡事故161件で全国ワースト3、人身事故は約14,500件で前年より若干減少しているものの、感覚的には多いというイメージから抜け出してはいないということです。
 今年に入り、あおり運転がクローズアップされていますが、いらつくとかキレルといった単細胞な自己中心的神経が死亡事故につながることに自己分析も含めて認識を深めたいものです。また、イヤホン、スマホが自転車事故を多発させている現状も、今まさにそれをしている人達の倫理観と危機意識が醸成される必要を感じます。
 毎朝スクールガードで交差点に立っていると、自転車はもとより過ぎ去る車中でイヤホンを装着したり、スマホを操作している方が少なからずいます。不思議と見えるものなんですね。
 年末になると事故が増える傾向への対策として特別警戒期間が設定されているのでしょうが、常日頃から落ち着いてハンドルを握る感覚と、ルール順守の精神で一人一人が無事故を心がければと思わずにはいられません。

No.3033 細々でも災害対策

2018.09.14

 はてさて世の中とは常に新たな事象が飽きることなくこれでもかと湧くものである。
 今、内外政治では自民党総裁選挙、沖縄知事選挙、極東外交、トランプ旋風等々、スポーツ・芸能の世界も事件満載と言ってもいい状況であるが、これらは誰がどう批評しようといずれ結果が出る。
 それに比して、災害列島日本の実態は、自然が各地にもたらした傷が癒されぬうちに次なる災害がどこかを襲うという「矢継ぎ早災害列島」という点から、復興と防災の同時対応において被災地はもちろんのこと国も国民も気を揉む状況にある。
 先日のガス復旧訓練を見て感じたことは、電気、ガス、水道などのライフラインに被害が及ぶと、文字通りヒューマンライフは立ち行かなくなる。北海道の例として、酪農家が搾乳後の牛乳を熱殺菌するための電気が無く、結局廃棄することを承知の上で搾乳する。なぜなら牛が乳房炎にならないためで、ゆえに発電機を借りて搾乳をするという実情を知った。これは地域や職業面での特性ということが言えるが、とどのつまり、民力は自然の驚異に無力であり、太刀打出来ないことにうなずかざるを得ない。 
 北海道胆振東部地震の際に書いたことだが、タンスに押圧されて亡くなった方がいた。関西の地震ではブロック塀倒壊が大きな話題になったが、やはりタンスや書棚の被害に遭われた方がいた。こうした危険性はかなり前から言われていることなので、対処しておけばと思うと残念でならない災害ということになるが、一般的に各家庭での防災対策はどういった状況になっているのだろうか。家屋の耐震対策まではなかなかコストが向けられないが、細々とした対応でも緊急時には役立つことを信じて準備することが大切で、我が家では「明日は我が身」「災害はいつ何時・・」と心してかかるようにしている。 
ファイル 942-1.jpg 昨日、我が家では防災グッズの定期点検を行った。写真のような細々としたグッズたちだが、ライターも点火オーケー、ラジオも良好といった様子で問題はなかったが、食料品はアルファ米以外はどれもが長くて年内一杯の消費期限になっていた。その結果、二人で2日分程度のものだが、これらの缶詰は必然的に近々我が胃袋に収まることになる。細々とした対応だが、個別に出来る防災対策はするに越したことはないと信じて実行しています。

No.3030 第33回埼玉県ガス協会合同復旧訓練

2018.09.07

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 「7日、朝9時30分埼玉県東部を震源とする大規模地震が発生し、幸手市では震度6弱を記録した。幸手都市ガスでは、、ただちに災害対策本部を設置した」
 これは、7日に権現堂公園第一駐車場の半分を使用して大々的に行われたガスインフラ復旧訓練の想定である。

ファイル 939-1.jpg 県内にある20のガス供給会社のそれぞれの地区を持ち回りで、毎年こうした復旧訓練を実施しているそうで、この訓練の存在は今回始めて知るところとなった。今回は、幸手都市ガスさんと鷲宮ガスさんが幹事会社となり、その33回目が開催された。
 埼玉県危機管理防災部部長や地域内の3行政長、警察署長、消防長等々を来賓に迎え、県内各地から20のガス会社が参加するなかなか見ごたえのある訓練だった。幸手市代表区長会のメンバー11名も招待の対象だったが出席は5名であった。前回がいつのことだったかは確認しなかったが、持ち回り訓練と区長の任期とを考えると、この訓練を経験している区長は誰もいないのではないかと思われる。

ファイル 939-2.jpgファイル 939-3.jpg 訓練の様子は、写真からある程度ご理解いただけると思うが、とくに印象に残った点は4つ。
◆集結したガス会社の社員さん達の、自衛隊とまではいかないものの整列から点呼報告敬礼といった一連の動きは目を見張るものがあった、日頃そうそうは各地から集まって訓練できるものではないと思うと、ここまでまとまった状況を目にして、有り難くも頼もしいというのが率直な感想である。
◆脇にモニターを置いてのカメラによるガス管内の異常点検作業は、50メートル長まで可能で、口径次第ではコーナーを右左折しての撮影も可能である。
◆PEポリエチレン管の性能は、従来の白ガス管と呼ばれる経年管と比べて腐食に強く、軽量で曲がりやすいことから施工しやすい。幸手都市ガスさんの話では、順次このPE管への取り換え工事を進めていくということである。
◆ガス管は、地すべり現象により管内に土砂や水が入り込みガス供給がストップしてしまうことがあるという。その時、採水のためのバキューム処理を施すが、負荷吸引装置による採水訓練では、管に90度の曲がりを数回しつらえても小石もろともあっという間に吸引する。

ファイル 939-4.jpgファイル 939-5.jpg 大切なライフラインであるガスは、危険性という点でも一般住民が取り扱うには難しいものがある。それを民間の供給会社が県内のどこで発生しても集団的防災体制を構築していることは心強いことである。昨日の北海道胆振東部地震の街の惨状を見た後だけに、会場全体に緊張感を感じる訓練だった

No.3029 「山がずり落ちてきた」

2018.09.07

 ラジオを聴いていたら飛び込んできた被害者の悲痛な言葉。それがタイトルに掲げた「山がずり落ちてきた」だった。老齢の女性らしき人が語る恐怖の言葉は、テレビでも見ていた光景と同様の光景を今朝の新聞一面の写真を見て理解できた。広大な山岳地帯が凄まじいほどに全域でえぐれている。火山灰地特有の現象との分析もあるが、直前の台風による雨の影響もゼロではなかったかもしれない。
 西日本豪雨は222人の犠牲者と、いまだ10名の不明者がいる。今回、北海道胆振東部地震と名付けられた地震では9名の死者と29名の不明者という段階で、人的被害は西日本豪雨災害ほどには至っていないが、見るからに倒壊家屋や道路陥没、液状化の激しさがインフラ崩壊につながる。斜めに傾いた家屋は倒壊と同じと考えるしかない。通常の生活状態に戻るのにはかなりの時間と国費の投入が必要となるだろう。
 まだまだ西日本豪雨災害でも避難生活をおくっている方が1500人もいる。自然災害が連続的に多発する昨今の尋常とは思えない事態は、大災害を想定した予防的国家体制を早期に構築する必要を感じる。災害が発生するたびに厳しい生活を余儀なくされる被災者の多くは、体育館などでの仕切り間生活での長引く避難生活に心身が疲弊する。高齢者にとっては命にかかわる究極の未体験ゾーンと言ってもおかしくない。自衛隊の皆さんの奮闘無くして被災者の支援体制は考えられない。その自衛隊員は戦争につながるイメージだと評されることで憲法に身分が規定されずにいる。災害支援救助に一列歩行する自衛隊員の手に握られているのは銃ではなくスコップだ。
 かように、災害が発生するたびにいろいろなことが頭を巡る。自然はあまりにも過酷な試練を人類に与えすぎではないか。
 亡くなられた方には慎んでご冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の皆さまに心からお見舞いを申し上げます。相手が自然とはいえ、これだけ日本のあちこちで発生する状況にくやしいという思いとどうしたらいいんだという思いがこみ上げてきます。
 今回、亡くなられた原因の一つに、倒れて来たタンスに押しつぶされた方がいらっしゃったという。少なくとも、語られ尽くした感のあるこうした危険への対応はしておこうではありませんか。

No.3026 八ッ場ダムの現在

2018.08.30

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 ファイル 934-1.jpg ファイル 934-2.jpg
 支援者の方々と八ッ場ダム視察を兼ねたバスの旅に出かけてから早6年。
一昨日、工事の進捗具合とその後の同地区、とくに川原湯温泉の移転状況を見てみたいとの思いで現地を再訪した。実は、川原湯温泉は家内の父が好きだったことから何度か訪れており、今でも便りをいただく。ムササビの来る宿がキャッチコピーの宿だ。
 状況は写真をご覧いただければ、その概要がおわかりいただけるものと思うが、最深部に見られる車の大きさと比較するとダムの偉容さがわかる。完成時の高さ116m、ダム頂長291m、湛水面積304㌶となっており、ダム体積911,000㎥ということは、少なくともほぼ同数値の量のコンクリートが使用されるということになる。ちなみに、東京ドームの体積が124万㎥なので、その7割強の規模となる。半世紀以上も費やした大計画かつ大工事も、ようやくその形状が見える状況になり来年の完成が待たれる。
 当初計画では昨年完成の予定だったが、民主党政権下の3年間でコンクリート事業に待ったがかけられたことが影響した。自民党政権に戻り、工事日程を500日強の前倒しで本年の10月完成を目指したが、最終的に来年に延びたのはやむを得ないところ。
 上の右は、八ッ場大橋から移転が進む川原湯温泉を。下の右は、同じく八ッ場大橋から不動大橋と草津方面を望む。湖底に沈むJR吾妻線と日本ロマンチック街道(国道145号)がかすかに見える。
 ファイル 934-3.jpg  ファイル 934-4.jpg

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