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No.3516 新興メーカーの落し穴

2022.01.04

 暖かい陽光が射した三が日でしたが、1日と今日3日は風が強く体感はブルブル感で身体が固まる感じでした。

 固まると言えば、EV市場を席捲する米テスラの47万台を超えるリコールが年が変わる直前に発表され、翌日の新聞がその内容を伝えた。脱炭素の旗頭となって久しい電気自動車市場は世界各国で販売台数を伸ばしているが、日本では今一つ遅れをとっているといったところ。
 昨年末には、テスラのCEOが1兆円を超える所得税を納めたというニュースに驚いた直後のリコール。昨年の販売台数の正式発表は無いが、1昨年の販売台数が50万台というのだから今回のリコール台数はこれにほぼ匹敵する。製造責任の重さが問われるのは間違いないと思う。経営陣はこの事実を受けて身体が固まったかどうか・・・。

 私は当初、電気系統に問題があると早合点してニュースを見聞きしたが、事実は後方映像が撮影されないとか、トランクが突然開き前方をふさぐというもので日本車のリコールの場合とその特徴は異なる感じで、車を造る上での初歩的な感じがしてならない。
 エアバッグ不良で厳しい法的制裁を受けたタカダ問題の際、各国の車が影響を受け、同社のモデルXも交換対象となったのは2015年のこと。当時、日本に輸入されていたモデルXはわずか275台で、まだまだ未知の車といった感覚だったが、その後に発売されたモデル3とモデルSは、時折市内で見かけるようになったくらいなので6年前の比ではないだろう。
 この時、タカダ自体が厳しい法的制裁を受けた例があるので、アメリカの交通安全局の対応次第では米経済を支える一面もあった同社の今後に暗い影を落とすことにもなりかねない。

 実は、このニュースから初めて知った中国の関係にこれまた驚くこととなった。中国でもこのテスラのリコール届出が20万台あったというではないか。対象は輸入車と上海工場生産車。つまり、50万台中20万台が中国で、しかもテスラという新進気鋭と(小生は)考えていた企業が中国で既に生産されていたというのだ。
 脱炭素をめぐっては、各国が技術開発を競う分野であり、EVは主役にあると言っても過言ではない。販売台数で世界トップにある米企業が中国に結果として技術譲渡する経営体制をとることで実績を上げ、株価高騰の代表格になっているのだ。中国の安価な労働市場と14億人という経済規模に目を向けるのは日本の大企業にもあることだが、テスラの事実は知らなかったとはいえ心底驚いた。販売だけならまだしも生産までとは。
 実際、中国の新興メーカーのEVが、大幅に走行距離を更新したEVを昨年末に発表しているし、海外で高級EVの販売も始めている。
 EUが2035年からHV、PHVも含むエンジン駆動車のすべてを廃止することとした。その結果、まだ多いとは言えないものの同圏内で2020年の販売台数は2019年の倍となったという。充電設備と電池の開発及び設置の展開次第で、2035年が正に自動的に前倒しとなる可能性も考えられる。
 最も、個人的には中国の車には乗りたいとは思わない。中国製高速電車の問題など考えるとどうしてもその気になれない。いや、今回のテスラのリコール対象も中国での生産車に問題があったことから発生したのかもしれないと感じている。申し訳ないが、中国の生産品の粗悪さは固定概念ではなく事実そう感じるのだ。中国製の車に命を預ける気にはなれないというのが正直なところだ。

 元旦ブログの次の書き込みに何を選ぼうかと悩んだが、いろいろ関心を持って見つめている中国との関連で、テスラ車リコールを書いてみました。
 こんな形で、議員活動を中心に360度の目線で巷の話題も取り上げてまいりますので、また1年お付き合いいただけましたら有難くよろしくお願い申し上げます。