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No.3075 同盟ゆらぐ韓国の対日感情

2019.01.10

 韓国はどうしてここまで日本を敵視するようになったのか。徴用工問題とレーダー照射問題は韓国の日本に対する敵対心が尋常でないことを物語っています。過去に何度も、韓国という国の体質を問題視してきましたが、今回の事件で日本政府としても忍耐どころか「寛容」の精神を外さなければならないところまできたと感じます。
 これは、対日感情論の原点にある韓国人だけではなく、今日の文大統領の発言そのものに同盟友好国トップとしての思いがまったく感じられません。これだけ次から次と日本を国際的に貶めようとしている国との同盟の質とはいずこにあるのでしょうか。

 日本政府への批判もある彼の会見の問題発言は次の4つ。
■「過去の長く不幸な両国の歴史が原因で作られている問題。日本政府はもう少し「謙虚」であるべきだ」

 相も変わらず日韓請求権協定で解決済みの歴史を政治的外交材料にしています。
■「日本の政治指導者たちが政治的な争点にし、問題を拡散しているのは賢明な態度ではない」
 問題拡散は韓国そのものにあります。
■「韓国政府は司法の判断を尊重しなければならない立場だ。日本も不満があっても仕方がないという認識を持つべきだ」
 政府責任を回避し、仕方がないと外交的に求めるのは次元が低すぎます。
■「被害者たちの実質的な苦しみを癒すために、日韓両国が知恵を集めなければならない」 
 韓国側の知恵の対案は賠償要求でしかない。いつまでせびるつもりなのか。  

 どうでしょうか。何が問題かは私があえて説明するまでもないと思いますが、この声明文に対し日本政府は次のような修正応答をしてはどうか。
■過去の長く不幸な両国の歴史はすでに国家間で解決済み。韓国がいつまでも更なる賠償を目当てにした物言いは謙虚ではない。特に大統領の発言はより慎重であるべきだ。
■韓国の政治指導者たちが政治的な争点を常に日本に向け、問題を拡散しているのは賢明な態度ではない。
■既に解決済みの問題を司法に丸投げせず、韓国政府自らがすっきりさせるべきだ。
■被害者の苦しみに対処するのは、長くそれを怠ってきた韓国政府にあると認識すべきだ。

 とにかく、何から何まで歴史を都合よく見直し、戦後の日韓外交の国際的に認められている国際条約を反故にせんとする身勝手さ。そして、それにより、戦争の詳細な実態を知らない他国の人や、戦争そのものを知らない世代に、日本は粗暴な国だというイメージを植え付けようとしているのでしょう。
 こうした問題が起こるたびに、何のために?と私は感じるのです。
 根本的に、韓国が成長する原点として、1965年の日韓請求権協定において協定を結んだ無償供与1080億円、借款720億円が活かされたと思いますが、韓国側の考えは、感謝ではなく当然という感覚だったかもしれません。今の状態からはそうとしか考えられません。しかも、日本に対する追いつき追い越せの対等視は過剰なほどの意識があったと推測します。ところが、何をしようにも日本は常に先を行く。徐々に芽生え始める日本への強気一辺倒なネタミ根性が国家的に深く醸成されていったものと思います。それは、国民感情を煽動することに加え他国の同情を煽るという国際戦略にまでおよび、日本の統治下にあった時代を持ち出す外交戦略を展開しはじめたのではないか。
 レーダー照射問題での嘘と開き直りは許される問題ではないわけで、隠蔽、虚言、要求だらけの対日外交はとどまるどころか増幅するばかりだと感じさせる大統領会見でした。