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No.3049 タウンミーティング 感想②

2018.10.27

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 前号からの続きです。
 タウンミーティング後半は参加市民からの投げかけに応える時間。多くは部長が対応し、市長は進行役に撤するという感じだったが、質問者を指し、「回答は部長にさせます」という発言がほとんどの役割を市長が担当する設定はいつの頃からのことなのだろうか。そうでもしないと市長が発言する場がほとんど無くなると考えてのことなのかもしれないが、回答自体を自分が引き受けるという感覚はないようだ。もっとも部長に発言させることは悪いことではないのだが。


 所用で70分近く経過したところで退席したが、それまでに発言した市民は11名で。多くが郷土愛を伴う内容であった。ここでは要望の類いはあえて再記しないが、印象に残る提案、確認、指摘といったものをいくつか紹介しましょう。回答は俗にいうそれなりの内容に終始し、特にこちら側の目が輝くというものはなかった。

(市民から)救命救急受講者を増やして登録者数でのギネス挑戦をし、命を守る日本一の街にしてはどうか。また、その状況を市民に知らしめることも考えて欲しい.
(行政回答)市民の積極性や意欲にも関することなのでそうした状況になるように努力していきたい。広報さってへの適宜掲載を考える。
(市民から)桜祭りの時はバスの本数が増えるが、アジサイやヒガンバナの時にも増やすことを考えてほしい。
(行政回答)朝日バスに確認する。
(市民から)災害弱者に対する支援体制で情報管理や条例対応はどうなっているのか。
(市民から)ハザードマップの次期作成にあたり、久喜市や春日部市のSタイルを参考にしてはどうか。例えば、久喜市では地域単位での地質地層を明記しているのは素晴らしいことと感じている。
(市民から)旧4号交差点の右折解除はいつ出来るのか。
(行政回答)右折解除した場合の交通量の変化を調査するなど、警察との協議を進めている状況である。
 
私は現職県議時代から平気で右折していく車が多いこの交差点の危険性を指摘していた。実際に、歩行者の死という事故もあったことから、荒宿商店街でご意見を聞き歩くと解除希望の声がほとんどだったことから、県警を通して要望してきたが、ここに至るまで重い腰が上がらないでいる。理由の一つとして区長会が反対していたなどの話もいくつかあったが、ここまで住民の意見が反映されない真相がはっきりしないのはなぜか。行政もあまりにも悠長な感じであり、警察も右折違反者の摘発場所として当地を見ているように感じられてならない。右折したくなる道路環境であることは間違いないのです。
(市民から)駅舎完成祝賀会に多くの予算が計画されているというが、他にいくらでも資金を振り向けるべき対象があることに理解を示してほしい。 
市長からの明解な回答はありませんでした。モニュメント作成は随意契約で600万円。その他800万円ほどの祝賀会予算が民間委託で企画され、これらが議会で承認されている。すでに進んでいることもあるが思考の原点に問題があるのは間違いない。議会のチェックの目も発揮されない結果だと指摘しておきたい。今時、祝い事に豊かでもない街が高額予算を使うことが信じられません。
(市民から)避難場所の緊急時緊急使用の観点から、たとえば旧香日向小学校のカギ管理はどのようになっているのか。
(行政回答)市民生活部で保管しており、緊急時には早期解錠をする体制を設けている。
(市民から)西消防分署の閉鎖計画があるようだが、東武線以西の地区にとっては危機管理の観点から見過ごせない話であり、市長はどう考えているか。
(市長回答)スケールメリットや住民サービスの向上という意味で広域化された消防組合だが、合理化推進による閉鎖の話はスタート台にあがった段階であり、市長の立場として反対の意思表示はしている。
 
この問題は、今月15日の消防組合議会で正式に執行部から話が出て、資料が配布されたと聞いている。そして、4市2町でこれから議会の俎上にあがる段階で、その前にも管理者協議会(6人の首長による会議)等々が開催されるべきでもあろうし、そういう意味では組合及び4市2町の政治課題であり、今後を見守る時期と考えている。この段階での市長の回答はこれ以上期待出来る状況ではないだろう。実は、市民の一部がその組合議会の資料をある議員からもらったとして所持している実態に驚いているが、昨夜の質問程度はあってしかるべきと理解はしている。しかし、総じてこの問題に参加者の興味が多いようには感じられなかった。とくに幸手市は来年が選挙年であり、煽動的にこの問題を選挙に絡めて住民を煽ることは現行控えるべきと考えている。現行、首長として行政トップにある者が賛成だなどと言えるわけもないのですから。
(市民から)幸手市内の学校周辺で猥褻事件が発生した。新聞によると久喜市職員が逮捕されたとあるが、最近の社会は公務員の不祥事が多発しているように思うが、こういった事情を勘案し、幸手市の職員教育はどのようになっているのか。
この回答は、「人」という個々の人間性にかかわることでもあり、誰であろうと明確に答えることは難しい問題であると感じる。だからこそ、市長の考え方を聞きたいところであった。しかし、やはりといった感じで市長のそれを聞くことは叶わなかった。
 私も時折ブログに書いているが、教員、警察も含めて公務員の不祥事は枚挙にいとまがない。芸能、スポーツ、法曹といったありとあらゆる社会でお縄を頂戴する事件が後を絶たないのも事実だろう。この原因としては、間違いなく人間の思考を狂わす社会変化が存在しているように感じるのだが、職員教育は公人として成長してもらう以前に、恥ずべき行為を防止するための対策として講じられなければならない時代になった。この点は質問者とまったく同じ考え方である。もっと言うならば、国会で柴山文科相が教育勅語の徳目を重視した教育的利用を発言したことに対して、大臣クビだの勉強不足だといった野党議員の声がかまびすかしいが、こうした議員のほうが勉強不足だと指摘しておきたい。そもそも現代社会における思いやりや生活モラルが欠如した人間の増幅は教育勅語にある徳目精神がしっかりと教育されなかったからだと思っている。もっとも単純なわかりやすい例でいえば、道路上のゴミ投げ捨てや空き缶ポイ行為などもその一つである。小生はどうあっても車の窓からゴミ袋を放るという行為は出来ない。しかし、当事者にこれを注意してもおそらく馬の耳に念仏であろう。良くないとわかっていながらやっているわけで、だからこそ、大人になってからの教育も意味が無くはないが、今こそ子ども教育の段階で道徳・・つまり「人の道」と「人の徳」を教えていくべきではないのだろうか。そのための材料として教育勅語の中身を現代風に変形利用することのどこが問題だというのであろうか。
 話は幾分それてしまいましたが、幸手市職員の上下関係で時折耳にする話は「パワハラ」である。休職に至る職員が少なくないと聞くが、子どものイジメ数が最高になったという怖いデータが発表されたばかりで、行政内部のイジメが多発することのない心豊かな役所風土を構築するためにどうあるべきかを職員一人一人が考えてほしいものだ。今回の隣り街職員の姿を反面教師にして幸手市職員の皆さんには自らを鼓舞してもらえればなによりです。