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No.2989 どこかおかしな日本

2018.04.30

 南北会談は、各国で生中継されるほどに世界政治のトップニュースになった。金大中大統領の訪朝以来10数年ぶりということだが、当時と異なるのは、関係諸国のリーダーに思想的変化があるということではないだろうか。日本の安倍首相は、反日マスコミと野党コンビによる国益ほったらかし政権批判運動の渦中にあっても水平安定思考の外交をこなしているが、なんと言ってもトランプ、習近平、プーチンの三巨頭そろって強気な戦略志向を見せる状況は過去に記憶がないほど異常と言えば異常である。そこに来て、キムジョンウンとムンジェインという南北リーダーも日本にとっては喜ばしいタイプではなく厳しい外交関係に置かれている状況は間違いないところである。
 キムジョンウンが中国を訪れて習近平と会談してから急展開を見せる北朝鮮状況。習近平のアドバイスをすっかり信頼してのことであろうし、韓国も在韓米軍の関係で中国からあけすけな経済制裁を受け、ムンジェインが習近平からの提案を受け入れ、さらには寄り添う形で南北会談の実現をしたと推測している。
 その前提となる共通認識として習近平が二人に持ちかけていることとして、対日関係があることは容易に推測できる。つまり、習近平の最大の野望を実現するためには在韓米軍の撤退、ひいては沖縄米軍の撤退まで視野に入れているはずである。フィリピンの米軍道撤退がオバマ時代に実現していることから、習近平による世界平和安定政策という綺麗事が成り立つ可能性が無きにしも非ずである。そして、日本の大東亜戦争における行為を過大捏造してまで世界での日本のイメージを低落させる共同戦略を謀略している。つまり、中韓朝の3国が連携して従軍慰安婦や南京大虐殺、さらには徴用工までをも世界に訴え続ける狡猾な戦略を練り上げているものと思う。これまでは3国バラバラな歴史捏造のロビー活動であったが、その流れを一気に変える戦略が習近平から提案もしくは指示があったのではないかと思う。そういう意味では日本の孤立化の可能性が絶対ないとは言えないが、それはあくまでも3国に対してのことであって、アメリカがそれに乗るとは考え難い。
 中国は、あわよくばトランプのご機嫌伺いを平和友好的イメージを匂わせる趣きで南北に仕向けさせ、在韓米軍の撤退を世界に向けた美談として仕掛ける・・・・。南北会談で核の撤廃に向けた共同宣言では「半島からの核の撤廃」という文言だったことに違和感を感じる向きは多いと思う。さて、半島どころか北朝鮮の核の撤退すら本当に実現するのであろうか。
 ともあれ、注目は中国が軍事費を膨大に膨らませ、平和活動とは無関係の航空母艦を増強し、世界各地に軍港整備を働きかける現実と、なにより習近平が期限無き中国トップに居座ることの出来る憲法改正を実施したことを常に見過ごしてはならないと思うのである。
 それにしても、日本の国会は何をしているのであろうか。こうした世界情勢の中で、政権を転覆させてどの政党に日本を牽引出来るというのだろうか。いや、朝日系マスコミと野党の戦略は安倍政権による憲法改正の実現にストップをかけるための総理引きずり降ろしが狙いであって、その後の総理は誰でもいいくらいのことかもしれない。それが現状の最大の目的になりつつあると感じるのだがいかがなものだろうか。