記事一覧

No.2960 ロウバイ咲き、ナマズが守る雷電神社

2018.01.29

アイコン

 あれだけ降り積もった雪も低気温のせいで融雪速度が遅いのか屋根から落下するのを我慢してくれている。いつもならあちこちの家でドッスンと大きな音を立てて落下する。数年前のことになるが、我が家では最上部の屋根から落下した雪がガレージの屋根のアクリルを割り、骨組みまでもグンニャリと曲げてしまった。明日あたりはその現象がありそうだが、落ちる量はかなり少なくなっているようで心なしか安堵感がある。あとは人間が直撃を受けないように用心しよう。

 今日はまだ知らぬ地の群馬県板倉へ小旅行としゃれこんだ。とくに目的があったわけではないが、なんとなくといった感じのノリだった。ところが、板倉町はいくつかの顔を持つ訪れがいのある町だった。
 谷田川沿いにゴルフ場と水郷公園が広がり、のどかな風景を見せてくれる。水郷公園には常連さんとおぼしき太公望が竿を垂れ、すぐ傍にはカイツブリ、カルガモ、オナガガモ、バンなどの水鳥が群れる。この時期、白羽根に黒い目とトンガリ頭の姿が愛らしいミコアイサという水鳥が飛来するのだが、こちらは渡良瀬遊水地のほうが出合う可能性が高いかもしれない。
 ファイル 868-1.jpg ファイル 868-2.jpg 次に看板に従って雷電神社に向かった。旧市街を通過していく経路だったが途中木造の町役場を右に見ながら1分程度の距離にある。隣の板倉中央公園に車を停め参拝に。50メートルあるかないかの寂しい参道の先の門前両脇に2軒のお店。林屋さんと小林屋さん。小がつくものの別に小林屋さんが小さいというわけではない。しかし風情ある佇まいは小林屋さんに1票。ともにウナギののぼりが立っているが、店の前に行くとナマズのメニューポップが目に入った。気になったが参拝優先で石段を上がる。地図にも書かれている呼称の雷電神社総本宮で賽銭と小さなお願いをし、そこから裏に回る。 ファイル 868-3.jpg ここで思わず声があがる。家内だ。なぜかというと、蠟梅の黄色い花に出会ったからで、私もそれにつられて秩父に行かなくてもここで見れるなんてと言葉が出た。蠟梅というと秩父の宝登山がなんといっても名が売れている。しかし、本宮社殿の美の造りと蠟梅のコントラストはなかなかのもので、本数は多くないが5分咲きと思われるので次週の日曜日頃には満開を迎えるのではないだろうか。
 蠟梅の先に奥宮と神馬殿が並んであるが全体的には小さな境内である。神馬はロバくらいの大きさの木彫りのものだった。右手の階段を降りると駐車場があり、社務所が控える。社務所の前には赤いのぼりが見え、近寄るとなまずさんとひらがなで書かれている。ファイル 868-4.jpg古民家のような社務所だが門を抜けると入口に小さな賽銭箱と1メートルはあろうかという金属製のナマズ像が置かれている。ナマズの上部は参拝者に撫でられてピカピカだ。キャッチを読むと撫でると地震除けになり自信がつくという。せっかくだからと二人で撫でた。いつ自信がつくのだろうかと思いあぐねて心の持ちようだと納得した。
 ファイル 868-5.jpg総本宮に戻り、階段を降り小林屋さんの前に立つ。店頭にある立看板には「ナマズのてんぷら」「ナマズのたたきあげ」とある。620円と250円。安い! カツ丼550円、玉子丼400円も安い。入るかどうか一瞬考えたそれより早く「せっかくだからこの地の名物食べていかない?」と家内。「よーし」しかない。ナマズ料理を一人前づつ注文。たたきあげとはナマズと豆腐、ニンジン、しその実、つなぎ粉を練って揚げたもので大きさはスコッチエッグくらいある。雰囲気は行田のフライに似ているが食感はまったく異なる。1個50円。テンプラ好きの家内はたたきあげが気に入ったようだ。他の二組の客はこれをおみやげに注文していた。お店の人の話では養殖ではなく川で取り上げた自然物をもって来るおじさんがいるのだとか。
 次に東洋大学方向に車を向け、いずみの公園という大きな公園に着いた。開発中の広大な産業団地にある公園で整備が行き届いているとは言い難いが、暖かくなるとヤングファミリーで賑わうのではないかと感じる公園だ。ここから板倉東洋大前駅までの街並みは区画整理の成せるまちづくりが存分に発揮された都市型開発住宅地でその中心に東洋大学がある。雷電神社や水郷公園とは違う町の顔であるのは間違いない。近くには渡良瀬遊水地もあり、自然に事欠かない土地柄だ。

 写真は蠟梅とナマズを意識したもの以外取り忘れて紹介出来ないのが残念だが興味のある方は板倉町を訪れてみることをお奨めします。