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No.2957 2大政党制は実現遠し

2018.01.17

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 野党の統一会派を進める話が五里霧中の状態だ。民進希望両党の執行部協議でいったんまとまったかに報道されたが、民進の今日17日の両院総会で「見直す」という方向になった。それを受けて希望は今後民進との会派調整には応じないことを決断した。なんともていたらくな執行部協議であったわけだが、協議の以前に党内調整をきっちりしていないことが露呈したということだろう。
 希望の玉木代表もしかりだが、民進の大塚耕平代表も前代表の前原氏同様大変な時に代表になったものだ。まとめる力を持たないのか発揮できないのかは不明だが、議員個々のメンツやプライドが交錯しているのは間違いない。もっとも、政治理念、公約の面で異業種交流のような流れ・・・つまり異思想統一の野合会派を拒否する議員はまだましか。
 民進に属する14人の無所属議員の多くも岡田リーダーの思いとは別に立憲民主におもねる議員が多くまとまりを欠いた状態にある。もとより排除の対象にされたという怨念が残ったまま統一会派に向けた協議を進めたことに無理があったのだろうが、政治の世界とはこのように心根がさっぱりしない面が多分にある。それがために自民1強にくさびを打つという大前提が崩れてしまうのだから。低次元な縄張り意識とも感じられ、国民どころか支援者の思いすら共有できない姿と言われてもやむを得ない。

 高みの見物を決め込んでいる立民は、排除のいきさつでやむなく出来た政党で、そこに判官びいきなる特有の有権者意識が働き、実績皆無の新党にもかかわらず数的に躍進した。それにより他ニ党よりは思想主義的にまとまった状態にある。とはいえ保守などと意味不明なことを国民向けに枝野代表は口にするが、その実態は安保反対、改憲反対の完全左派思想の集団である。考えれば東日本大震災発生時の菅政権の集約型かつ旧民主党を引き継ぐ政党と言え、新党ではないという見方も出来る。
 前述の排除の関係から希望との会派は考えていないとし、現状は民進離党組からの復員確保を前向きに受けるといった状況であろう。
 野党のこうした状態は自民1強に拍車をかけることになる。嫌自民、嫌安倍の考え方の方は眉をしかめることだろうが、私は最近、政権交代は自民政権内で総裁選挙による総理交代が政権交代という実態でいいのではないかと感じている。総理総裁候補に多種多彩な人物が名乗りをあげるのであれば、それはすなわち政権交代と同様という見方である。安倍さんが石破さんに代わったら立派な政権交代ではないか。自民支持者にも安倍さんは嫌いだが石破さんまたは岸田さんならいいとか、兎に角安倍さんは飽きたという人がいるかもしれない。まさに政権交代を意味しているとかんじるのです。基本は保守本流である自民党政権を維持しながら短くて3年の首相任期をもって、時の首相の舵取りによる国政運営を担ってもらうのが日本の政権交代という政治の姿でもいいのではないかと・・・今の野党の姿を見るとそう思えてきた新年早々の国政への思いである。