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No.2950 立憲民主党よ、おまえもか! 

2017.12.29

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 少々偉そうなタイトルで恐縮だが、立憲民主党による排除の意趣返しに異論ありを申し述べたい。
 3か月前、小池都知事に個人的信条を理由に排除され、民進党ではすでに選挙戦を戦えなくなっていた左派系議員がやむなく立ち上げたのが立憲民主党であった。
 野党第一党として政権与党に対峙し、政権奪還を果たそうと人数合わせで膨らんだ民進党だったが、3年半の政権運営で外交・防衛・経済・教育といった政治の根幹でたびたびつまずいたその末路はほぼ推測の範囲となりつつあった。政治を知るものであれば蓮舫代表が実現した段階で民進党解体は遠からずと感じていたはずである。
 ところが、政治の一寸先は闇という格言が存分に示されたのが先の選挙だった。思わぬ小池野望の党の出現とその失態で想定外の政治体型が出来上がった。はじかれてやむなく新党結成に動かざるを得なかった立憲民主党が、反転野党の主力的存在になったのだから政治に関わるものは無論のこと、共産党や社民党もさぞや驚いたことであろう。希望に排除されたにもかかわらず根性があるという判官びいき論理が国民に渦巻いた解散選挙結果となったのだから。 しかし、その実態は、政策・思想・信条において自民党と際どく対峙する保守系政党といった感じではない。民進党にあって最も左派系であり共産党に近い考え方の持ち主の集まりが立民である。そして、今民進残党が3党の統一会派結成を打診したものの、立民福山幹事長にきっぱり断られた。福山氏が民進党使者に求めたのは「希望の党とは組まないと確約すること」「万が一、希望の党が望むなら立民綱領に全面的に賛成すること」というものである。どうだろうか・・・踏み絵を求めるところなどは意趣返しというか、排除そのものではないかと思うがいかがなものか。驕れる者久しからずやというが、立民入りで肩書き上は大出世の福山氏も相当な器だ。立民による排除の逆転現象は醜い政治を見させられているようで背筋が寒くなる。
 そして、国民の期待をたった一言で怒りに変えた希望の党に入る議員は見当たらない中、民進を離党し立民に入党するハグレ者が複数出ているといった状況である。次の選挙を戦うための政党選びといったところだが、情けないことに今夏まで代表だった蓮舫氏が、またシールズ系議員と小生が名付ける有田芳生氏も名乗りを上げた。日本落ちたの山尾氏も・・・。あきれたものだ。そこではたと思うのだが、この立民はシールズ党と名乗ってもおかしくはないのかもしれない。志位氏や福島みずほ氏などと呉越同舟してシールズ活動に参加していた民進党議員の多くは立民議員に転じている。

 結果的に旧民主党は3つの政党に分割された現状であり、それが何を示しているかは有権者にこれ以上ない反省材料を与えているのではないだろうか。8年前に年金問題に対するマスコミの過剰報道を信じ、操られた有権者が国の方向性を3年半民主党に委ねたところから、平成時代後半の悪しき政治の歴史が始まったのである。その旧民主党の鳩山・菅政権において政治の低迷を招き、国家情勢を貶めた議員一派が立憲民主党の実態である。排除されて新党結成に走るしかなかった状況に拍手喝采した有権者が生んだ政党である。この政党に対して保守精神に帰来する国民が期待出来るものがはたしてあるのだろうか。反自民、反安倍といった反体制であれば何でもいいというのではなく、建設的な議論で政権を質し、正すことを志す政党でなければ野党第一党は務まらない。1年近くもモリカケ問題で政権追求した野党は国のために仕事をしたといえるのだろうか。
 政治に綺麗事が通用しないのは重々承知しているつもりだが、感情に走る選挙結果は政治の活力にはけっして繋がらない。政治の世界の信条信念とはこういった思考が大切なのだと確信している。