記事一覧

No.2727 敵対への敵対で失われる命

2016.03.24

アイコン

 1週間ぶりの書き込みとなりました。寝込んでいたわけではなく、私事いろいろあったもので申し訳ありませんでした。実は、昨日1時間半ばかり書き込みをしたところで、どういうわけか突然それまで打った文章が無くなってしまいました。キーパンチが間違ったのかもしれませんが、今までになかったことですのでやたらと疲労感に襲われてしまいました。
 なにしろ、原因もわからないので、パソコンを我が手中に完璧に治めるのは困難なことだとあらためて悟った次第です。

 国際都市ブリュッセルで、空港と地下鉄という交通拠点で起こった同時テロで31人の人命が奪われたのをはじめ、多くの死傷者が出た。そして、日本人の被害者も。慎んでご冥福とお見舞いを申し上げたいと思います。

 現地情勢に詳しい人の話では、ベルギー当局、とくに警察の対応は大変甘いとのこと。隣国のパリやロンドンがテロに襲われているにもかかわらず、EUの重要な位置づけにあるブリュッセルのセキュリティーがゆるいとの指摘は以前からあったそうだ。しかも、欧州全域に大量の避難民が流入しているという状況もある中での実態である。

 欧州では、国連都市ジュネーブをはじめ、すべての国の大都市圏はテロの脅威を常に意識しなければならない状況にあると言える。
 今回の事件によって警戒レベルを最高の4に引き上げるというのはテロ対策の在り方として遅きに失したとは言えないだろうか。
 とは言え、自爆をいとわないテロを100%防備することが可能かどうかはかなり難しいことだろうと感じるのも確かなところだ。

 
 イスラミックステートは「我々に敵対する国には敵対をもって報復する」と平然といつもながらの身勝手な説を主張している。そういう意味では、世界を相手にする蛮行愚連軍には人道博愛の正義の精神はまったく通じることはない。北朝鮮とはまた違った意味で厄介な軍団一味である。

 そこで憂うべきは、伊勢志摩サミットが開催される日本である。5月には多くの外国要人が訪日し各地で重要会議が行われる。空港港湾での入国チェックにも限りがあるし、街中の車や人体に取り付けられた爆弾を察知することが出来るのかと考えると、完璧なセキュリティーははたしてどこまで可能かという不安がよぎる。
 日本の公安当局の治安レベルは世界でもハイクラスと言われているものの、一瞬の判断ミスや油断がテロを許すことになる。この部分で、日本人的優しさやお人好しさは不要にしてもらいたいとも思う。一般市民が巻き込まれるテロに対して、基本的に未経験と言ってもよい国ゆえ、たとえ過剰すぎるとの批判が出たと仮定しても、できる範囲のセキュリティーに万全を期してもらいたいものだ。

 別の話として驚くのは、以前にもあったことだがイスラム国に入ることを希望する日本人の若者が保留され強制送還されるという事実。その思いに至る誘因はSNSだという。
 SNSが子どもの健全な成長や、若者の健康な精神の醸成にハードルを有しているものの、便利さゆえのツールとして重宝されるところに落とし穴があるのも間違いないようだ。
 シールズといい、感情のおもむくままに簡単にマインドコントロールに冒されてしまう若者が後を絶たない昨今の社会変化に、私自身戸惑う部分があるし、やりきれない思いでいる。