記事一覧

No.2653 新三本の矢

2015.09.26

アイコン

ファイル 557-1.jpg 一昨日、自民党総裁に再選された安倍総理が、新たな日本再生牽引施策を打ち出した。3年前の三本の矢に次ぐ「新三本の矢」として夕方6時からNHKで生放送されたが、およそ15分ほどノー原稿でよどみなく説明がなされた。

 それは、「一億総活躍社会」「GDP600兆目標」といったメインキャッチとともに、掲載写真のような内容で示された。わかりやすく、大風呂敷でもなく、今、何が日本にとって必要なのかを率直に説いていると感じた。

ファイル 557-2.jpg 今の民主党のようになんでも反対的な眼でみれば、批判するのはたやすいかもしれない。
 たとえばGDP600兆が3年後に実現するだろうかとも思う。しかし現在が491兆であれば500兆では目標として低すぎるし、複数年度をまたぐ努力および意欲目標としてはリーズナブルな数値だと思う。

 日本経済は、三本の矢の三本目「成長戦略」がまだ的を射てはいない状態である。これは、とくに地方の元気度と中小企業の景気がまだ追いついていないことが原因だとは思うが、雇用率も給与ベースも確実に上向き傾向にあることは間違いない。/span>

ファイル 557-3.jpg 安倍総理の発言の中に、たとえば「生産性革命を起こしたい」というフレーズがあったが、世界最高水準の日本のイノベーション技術開発力が、中国経済の破綻が叫ばれる中で、各国から注目されているという裏付けがあると感じた。この革命こそ、まさに中小企業が担っているのだ。
 心配なのはデフレ脱却で消費者物価指数の3%アップを日銀総裁が目標として掲げていたが、ここに来てマイナス0.1%に落ち込んだことから、本格的なデフレ脱却にはいたっていない現状があきらかになったことだ。

ファイル 557-4.jpg そうした現状をふまえて、再来年の消費税リアップをどう判断するのか、法律だからと実行するのか否かがあらためて問われることになるだろう。そのことには総理は触れなかったが、この6ヶ月間全力を注いだ平和安全法制の可決後、経済再生に再度本格的な舵を切る自民党政権に期待したいと思う。