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No.2066 「想定外」の想定が肝心です!

2011.06.16

 どんよりした空ですが、遠く九州ではすでに大雨の被害に各地が襲われているようです。
 大震災後、各地では地域防災計画の見直しを進める自治体が増えつつあります。ところが、埼玉県では市レベルで見直しに取り組んでいるのは、さいたま、熊谷、川口、飯能、加須、本庄、羽生、深谷、朝霞、北本、幸手の11市だけにとどまっています。他の市は「今後見直す」という表明はしているものの、国の防災計画が見直されることになることを予測し、上位計画次第の見直しを唱える市もあります。

 地震を想定した防災計画ですと、どうにも困窮してしまうのがありとあらゆるシチュエーションの想定です。つまり「想定外」というものをすべてクリアしきれるかどうかです。すべてとなると計画上も資金面からも膨大な計画にならざるを得ず、ましてや実際の対処との関連ではおよそこれで大丈夫というものは永遠のテーマになってしまうでしょう。

 いずれにしても、国家最高権限保有責任者である政権が「想定外」と発するなど、政治主導の被災地対策に後れをとっている現状は、「国民の生命を守る」という観点からは、その責任をはたしているとは言い難く、その国が今、新たな防災計画をどれほど煮詰めることが可能なのか不明です。つまり、いつ、いかなる場所で、どれほどの大きさでという例の5W2H的発想です。
 そして、これを待って計画を見直すということですと。これまたいつのことになるのやらですから、ここは積極的な対応が求められます。

 埼玉県では、6月2日に関係団体を含む60人が参加して、第一回県防災会議幹事会を開催し、見直しに着手しました。これは2年ぶりの見直しということです。今後は、マニュアル外の事態への対策において問題点や課題が協議検討されていくことと思いますが、まさに真剣な討議になってほしいものです。