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No.2322 江戸川の逆パターンの危険水位

2013.05.07

 強烈な風の音で目が覚めた。北海道では雪、こちらは昨日夏日のようで今日はまた逆戻り。朝、交差点から緑づくイチョウの街路をながめると、なにやら秋から冬になるような錯覚におちいる。不思議な陽気だ。

 さて、昨日のことになりますが、惣新田の農家の方から電話をいただきました。ご用の向きは、「江戸川の水位が下がって、田植えを終えたばかりの水田に水が入らない。このままだと苗が枯れてしまう」というものでした。
 今朝、8時過ぎに現地を訪れ、田んぼや江戸川の緊急取水現場、中島土地改良区のポンプ取水場を視察してきました。
ファイル 261-3.jpg 写真の水路の壁をご覧いただくとわかるかと思いますが、通常の水位を約1.5mほど低いのが江戸川自体の水位の現状です。関宿の水門、利根大堰、そして上流のダムといった水位水量調節機能施設の影響があるものと推測できるところです。

ファイル 261-4.jpg 県の担当部に連絡を入れたところ、写真の青いホースは緊急で配備した3インチのポンプで、これにより土手に埋設してある樋管に水を呼び込み、用水路元に水を落とす。更にそこから6インチのポンプ2本(実際にありました)によって、用水路に水を送りこむということになるわけですが、なにしろ水位が低すぎることと、ポンプ容量が不足している?ことから、用水路へはその場しのぎ程度の量しか流れていないのです。中島土地改良区として得ている水利権は対象面積約304㌶という広さですから、受ける影響は計り知れないものがあります。
ファイル 261-5.jpg 国交省江戸川河川事務所と県春日部農林振興センターなど、行政管理部門もそれなりの努力はしているものの、根本的打開策が見いだせていないというのが実態のようです。写真上段は江戸川内の樋管入り口で、中段の写真は常設の取水ポンプ場の直後の用水路の現状です。川床が見える状態でまったく水が足りないことがよくわかります。今時の水路は満々と水が流れていなければならないわけです。上段写真の入り口から中断写真のポンプ場まで、地上は江戸川西堤防と県道などがあるので、距離はけっこうあります。があって、ポンプ場に通じています。