GWの後半を利用して能登を訪ねてきました。二男が被災者支援相談担当として職務にあたっていることもあり、どれほどの復興状態かの視察も兼ねて昨年に続いての訪問でした。ちょうど七尾市で写真のような復興を祈念する祭りが行われており、その最終日に遭遇しました。その名も「青柏祭」と呼ばれるユネスコ無形文化遺産、国指定重要無形民俗文化財に指定されている祭りです。
木製の車輪の直径は2m、高さは12m、重さはなんと20トンという曳山(現在ではでか山と呼んでいます)は、中が3層構造になっていて、人の姿があちこちに見られます。鍛治町、魚町、府中町が繰り出す3台のでか山は、辻廻しと呼ばれる方向転換などを見せながら七尾駅と能登食祭市場までのエリアを練り歩きます。この壮大な祭りは、981年に始まり、1473年に京都文化の移入に熱心だった城主により曳山祭りとして始められたとされている古式伝統ゆたかな祭りだそうです。
でか山には復興祈念の文字が見られ、地域の災害に内加藤という意識が強く感じられました。肝心の復興状況は、まだまだ地域にはブルーシートで覆われる家も多く、和倉温泉では総湯は復活したものの地域を象徴する旅館の加賀屋を始め多くの旅館は斜めになったまま営業の再開にはまだまだ時がかかりそうなことが素人目に見ても理解できる状態でした。従業員も各地に出向いての生活再建が続き、息子曰く和倉温泉の復活はまだまだ時を要するだろうという見方です。国の補助も予備費はつくものの補正予算でカバーする意図が感じられず、解体作業もままならないとのことですから。
石川、富山にはキリコやあばれ祭りなどの全国に誇る祭りがありますが、厳しい状況の中でも、こうした祭りで元気を養おうとする息吹が感じられるのがせめてもの救いなのかもしれません。