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No.2234 安倍総裁再登板!

2012.09.26

 自民党の総裁選は安倍晋三候補が選ばれた。実は私の予想でもあり望みでもあった。支援する有識者レベルが高く、若者の応援者が多くいた事実を知っていただけに、果敢にリベンジしてきた安倍さんに期待もしていた。体調を崩されていることが心配な三宅久之さんが「安倍晋三を再び総理にさせる会」の代表でもあった。

 A系をはじめ特定マスコミが品も恥もかきすてて執拗に安倍嫌悪感を報道した6年前、自ら政権に幕を引いた安倍さんに、今回またその辞め方ばかりを報道する面が多く見られた。国民にもそこばかりを材料に安倍批判を語る人がおり、私の周りにも少なくなかった。しかし・・・6年前最も忸怩たる思いでいたのは誰でもない安倍さん自身だったはずである。しかも、経済は低迷し、近隣諸国とはすべてにおいて領土問題を抱える戦後最大とも言える一大局面、いわゆる国難に見舞われている今、過去の批判と前に進むことの厳しさを覚悟の上で再登板の意欲を示した安倍さんは、実はそれほどやわな人ではないし、確固たる国益思想と国家観をもっているからこそなのだろうと私は考えていた。

 もとより、辞め方の批判ばかりが全面に出て、安倍政権の1年という短い期間に、大切な日本の方向性に関わる事案をいくつか実現した事実は表に出ることが少なかった。
 今の日本を日本たらしめている3つの法律が、憲法、教育基本法、皇室典範とされている。これらに関わる素晴らしい功績は、今回あまりマスコミは触れなかった。
 60年間そのままだった教育基本法の改正。創らされた憲法を真の独立国家としての憲法に改正するための国民投票法案の制定。そして当時の防衛庁を省に昇格させた組織改編。これらは皆、現在の日本にもしくはこれからの日本にとって必要な重要事案ではなかったか。護憲派、改憲派のどちらも驚く素早い意思決定が集約された1年だった。

 
 海外からも、こうした点に評価が上がり日本の政治が安定に向かうと歓迎されたのだが、これに焦りを感じたのが、当時の民主党代表であり、A系マスコミだった。長期安定化を懸念する政治集団と左よりのマスコミ軍団の安倍攻めが一致したのだ。その結果として年金問題がタイミングよく持ち上がり、国民の目は安倍政権批判に踊らされることとなった。年金問題のすべての責任がまるで安倍晋三にあると言わんばかりだった。かくのごとく偏向報道がこの後顕著になっていく。

 年金の所管組織であった社会保険庁は、民主党の支援団体とされる自治労職員がその9割をしめていた。ゆえに、この年金問題はこの時に偶然持ち上がったわけではないと今でも思っているが、国民の怒りは頂点に吹き上がった。結果、参議院選で記録的大敗をする。いわゆる「ねじれ国会」となり、日銀総裁人事やアフガンへの継続給油などは徹底した反対のための反対作戦に見舞われることとなった。年金問題のうらみつらみで、この小沢民主党のなんでも反対路線にはマスコミも国民も批判の声が少なく、選挙に対する選択肢も視野も少ない国民は、その「風」に乗っかった。かくして安倍政権に終止符がうたれた。
以降、マスコミの歪んだ世論操作は3年前の衆議院選挙で民主党政権を生んだ。この政権の3年間のすべては国民が唖然とする様相でさらけだされることとなった。特定の新聞、週刊誌、そしてテレビまでもが面白おかしく自民批判を繰り広げたのだ。

 
 さて、これからだ。まずは自民党は1枚岩になることだ。そして長老は去るべきだ。福田元首相の引退表明は、タイミング的にそうした方向を他の長老に身をもって示したとは言えないだろうか。
 選抜ルールに則って出された結果に対して秋田県連が公然と不満を表わにした。これも地方の長老と考えれば、さもありなんなのだが、いさぎよいとは思えない。石破さんの時代もやってくるかもしれないのだ。事を短絡的に見ることなくノーサイド精神こそがリニューアル自民党に必要のはずである。
 今こそ生まれ変われ、自民党!