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No.3552 コロナとウクライナ

2022.03.21

 ウクライナ情勢は今後が見通せない状況となっているが、確実に市民の犠牲者が増える日々であることに変わりはない。とうとう、キエフではスーパーマーケットがミサイル攻撃を受けるなど首都攻防戦が展開し始めた。
 かなり前のブログでも書いたと思うが、プーチンは30年前のソ連崩壊後、西側に強烈な敵意を抱いたのだろう。そして、ソ連復活どころか帝政ロシア時代へのタイムスリップを実現させる野望を持ったのだ。それは、軍備増強という形で静かに時をかけ地殻変動のタイミングを待っていたものと推測する。それが証拠に、現時点でプーチン支援者が言う「ロシアは世界一の大国だ」という発言につながっているのではないだろうか。つまり、大国とは軍事大国のことを言い、更に突き詰めれば核大国を誇示しているものと思う。それは、6000発を超える核弾頭を既に保有しているという説があることを思うとあながち虚勢発言とも思えない。シベリアに眠るエネルギーで蓄えたロシアンベネフィットが核製造の原資になったのだ。

 ここまで民主主義に対抗するプーチンの精神構造は、ウクライナ攻撃に生物、化学、核兵器なんでもござれの可能性が高いと考えるべきだろう。その覚悟を決意しての軍事侵攻だと考えないとどうにも理解できないのだ。その先にはモルドバ、ジョージア、ハンガリーなども視野に入れているはずである。要するにプーチンはもはや突出して超異常な独裁者でしかない。
 この侵略戦争もいつかは終戦を迎えることになるだろうし、ならないとすれば気の遠くなる第3次世界戦争にもなりかねない。そうなる前に、どんな理由でもいいからウクライナに平和が戻り、プーチンが失脚することが望まれる。それこそが中国への抑止力にもなることだろう。

 ところで、ここまで人の尊厳が侵されている状況で、日本はどうかと言えば、コロナ感染者数の定例発表に一喜一憂する日々である。今日21日でまん延防止対策措置が終了するが、このひと月感じることは、ウクライナでマスクをしている人を見かけない。いてもそれは寒さと恐怖心がさせているように感じる。プーチンの演説に集まった大会場でマスクをしている人も皆無。命への闘いと恐怖では戦争に勝るものはない。
 コロナは、この2年感染者数の積算累計を自治体別に毎日示してきたが、もはやその意味がどれほどあるものやら。そろそろやめてもいいのではないかと思うが、巷の声もその傾向が高くなりつつあるようだ。
 医療部門の状態は無視出来ないが、個々の対策では自己防衛という手立てしかないことを認識するところにきているのではないだろうか。行政と議会という関係で考えれば、情報は共有しなければならないが、詳細を市民に語ることは出来ないし、経路がどうだ、濃厚接触者がどうだと言っても、結局は外出しないわけにはいかない中で、マスクと消毒という基本行動を守るしか私たちに出来ることはないのだ。
 コロナで疲弊する社会に、ウクライナ関連で予測される経済悪化が加われば、私たちの生活はこの先どうなるのか。物価はひしひしと日常を重くし始めているように感じる。
 そういう意味では、個人的にはPCR検査などに気をおもねることなく、相対する人や常の周囲環境に配慮したマナー対策を遵守することを大切にし、普通の生活に戻すべきだと思うこの頃である。