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No.3452 独裁者たち

2021.08.12

 平和の祭典2020TOKYOが終わったが、実際、世界の平和はどうなっているのだろうかと頭を巡らせば、年を追うごとに各地で不条理な人権弾圧が、特定の指導者もしくは軍隊によって繰り返されている。
 日本では、オリンピック反対運動が止むことがない中、今またパラリンピックの中止を叫ぶ団体がいる。埼玉県の団体「オリンピック・パラリンピックをやめて、県民のいのちをまもる埼玉の会」はコロナ感染拡大の可能性に言及し、大野知事に公開質問状を出したそうだ。この市民団体の実態は不明だが、最近やたらと反対運動を立ち上げる風潮があるように感じる。そう思いつつ、世界を俯瞰すると、やれやれの気分になるのである。日本はなんだかんだ言って幸せな国であり、安心して暮らせる世界№1の国かもしれないと。


 中国、北朝鮮、ロシア、ミャンマー、ベラルーシ、エチオピア、ソマリア、イラン、イラク、ベネズエラ、アフガニスタン、シリア、リビア、イエメン、キプロス、パレスチナ、イスラエル、コンゴ、スーダン、ニジェール・・・
 こうした国々では、いずれも独裁者による弾圧や領土や宗教、政権をめぐる外戦、内戦といった政治的に不安定な状態が長期化し、多くの命が失われ、今も危険にさらされている。人を人と思わない虐待、弾圧が日常の国と比較して日本はどうだろうか。社会に対する抵抗反対運動がのどかに感じると言ったら不謹慎だろうか。
 始末に負えないのは、いろいろな意味で世界のリーダーたる中国とロシアの存在が民主主義を基軸にした多国間関係において、常に問題視される国であるということである。国連の常任理事国5カ国に入るこの両大国だが、どう考えても民主主義国家ではない。常任理事国の扱いは恒久性という取り扱いの上に拒否権があることから、よほどのことが無い限り、世界安定のための方向性で5カ国がまとまることは無い。典型的な全体主義の元、一人の人間によって国家運営が進められる国。考えてみれば、この両国が常任理事国である限り、国連が世界平和に寄与するとは思えない。時折思うのだが、いっそのこと、国際連合とは別物の、地球平和連合といった組織を立ち上げたらどうだろうか。貿易経済主体の国家間連合はあるが、ただただ平和の精神を御旗にした大国家連合の可能性を探ることがあってもいいのではないかと考えるのだが、それは、第三次世界大戦を助長することになるのだろうか。